東京に進出した注目のレストランは、今どこに行くべきか

イタリア製の薪窯で焼くピッツァ

地方から東京へ、というお店が毎月のようにオープンしていますが、早くも大人気なのが5月16日、門前仲町にオープンした「PIZZERIA ONDA」です。イタリア製の薪窯で焼かれるピッツァの旨さが評判を呼び、ランチでも予約をしないと入れないほどです。

「PIZZERIA ONDA」マルゲリータ 写真:大木淳夫

マルゲリータをいただきましたが、塩味といい、トマトソースのジューシーさといい、まさにナポリピッツァ。さらに前菜類も充実でグラスワインは600円から。夜にもぜひ来たいなと感じ入りました。

神戸の人気イタリアンが木場に

「T.N」伊勢海老 ピゼッリ カルナローリ
「T.N」伊勢海老 ピゼッリ カルナローリ   写真:お店から

同じ5月16日、神戸の人気イタリアン「T.N(ティーエヌ)」が木場にオープンです。私が訪れた日は、まだサービススタッフの確保が間に合っておらず、シェフのワンオペ。それでも滞ることなく、美しいコースを繰り出す腕はさすがでした。特に魚介系の料理はおいしく、陣容が整ってからどうなるのかが楽しみです。

札幌時代のシグネチャーメニューで魅了

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「KINO_」人参のババロアを含めたアミューズ   出典:Shinnosuke3023さん

6月1日には代々木にイノヴェーティブレストラン「KINO_」がオープンしました。札幌でミシュラン一つ星「lien(リアン)」のオーナーシェフだった木下雄介さんが東京で新たな挑戦を、ということでクラウドファンディングでは800万以上のお金が集まったようです。駅至近の路地にあり、木を基調にした店内は長いカウンターとテーブル席。北海道の食材の仕入れ先は、地元ならではのルートを使っています。人参のババロアや、ウニや塩辛を使ったイカ飯などのシグネチャーメニューがあるのは強みですね。シェフが空間に慣れてくれば、より魅力を増すことでしょう。

実力派シェフたちの新たな挑戦

クラシックなフランス料理

「ラ クルール デテ」 写真:大木淳夫

こちらは都内での移転ですが、5月1日に乃木坂にオープンしたフレンチ「ラ クルール デテ」は応援したくなるレストランです。代田橋「ビストロ ミルエテ」のオーナーシェフだった藤井トモヒロさんが、コロナ禍に命を失いそうになったことをきっかけに、一度だけの人生、やりたいことをしようと決意して新たなスタートを切りました。テーブル1卓、カウンター2席の店内で、完全ワンオペでクラシックの香りをまとった料理を提供します。恵比寿にあった「カーエム」はじめ、日仏の名店で厳しい修業を重ねてきた腕は伊達ではありません。フランス料理とワイン好きはぜひ。

エスプーマ料理を広めたシェフのスペインバル

「バルセロナグロック」 写真:大木淳夫

そして5月22日、麻布十番にはスペインバル「バルセロナグロック」がオープンです。世界を驚かせたスペインのレストラン「エル・ブリ」を経て「山田チカラ」をオープンし、日本にエスプーマ料理を広めたことでも有名な山田シェフが、自らカウンターに。

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「バルセロナグロック」ヤリイカとアーティチョークのパエリア   出典:ysen5さん

本物のスペインバルを作りたいという思いから生まれたお店だけに、雰囲気は抜群。朝でも昼でも夜でも、軽くもがっつりも、それぞれの楽しみ方ができる大人の店です。予約不要ですが、初めての場合は電話をしてから訪れてください。

オシャレに多様に、立ち飲みも楽しめる新形態の2店

全国のおいしいものを集めた居酒屋

「寄」 写真:大木淳夫

6月3日、参宮橋にオープンした角打ちスタンド「寄(よせ)」は面白いです。ファッションブランド「グラフペーパー」が手掛ける複合施設の1階で、ガラス扉越しの隣はギャラリー。店内はカウンターで立ち飲みスペースと椅子席が。オリジナルグッズや中古のLPレコード販売もしていて、一人飲みでも飽きないでしょう。

「寄」 写真:大木淳夫

フードメニューは京都の人気店「すば」の各種そばなど、全国のおいしいものを集め、ドリンクはオリジナルクラフトビールや個性的な焼酎、アガベスピリッツなどが揃い、ワクワクします。

将棋ファンのためのカフェ

チェリー先生
「駒テラス 西参道」マフィン ドリンクセット 700円   出典:チェリー先生さん

ちなみに道路を挟んだ斜め向かいの高架下には、渋谷区と日本将棋連盟が将棋ファンの聖地を目指して作った「駒テラス 西参道」が6月10日にオープンしています。こちらのカフェでは将棋中継なども楽しめるようです。

ワインの楽しみ方を選べるお店

「NUPURI」 写真:大木淳夫

5月27日、三軒茶屋にオープンした「NUPURI」は、入口に立ち飲みワインスタンド、中央に武蔵小山「THE WINE SHOP.TOKYO」のワインショップ、奥がコース8,800円のカウンターレストランの3つの形態での営業。ワインは全てナチュラルで、チェコやオーストリアなど珍しいエリアのワインも揃っています。レストラン以外は15時から営業しているので、休日の午後、グラスワインを飲みながらセラーでワインを選ぶという、贅沢な時間を過ごすのもいいかもしれません。

福井のソウルフードにベトナムの行列店、タイのイサーン料理店もオープン

福井の名物を堪能

「九頭竜蕎麦 丸ビル店」福井名物ソースカツ丼 1,380円 写真:大木淳夫

最後はカジュアル部門です。6月5日、東京駅の丸ビルにオープンした「九頭竜蕎麦 丸ビル店」は、神楽坂の人気店の支店で、福井の名物を堪能できます。昼はソウルフードという「越前おろし蕎麦」とご飯もののセットがあり、迷わず「福井名物ソースカツ丼」をオーダーしたところ「当店の一番人気の組み合わせです」と言われました。大根おろしの入ったつゆをぶっかけて食べるそばは逸品。夜メニューの酒肴も魅力的で、これは福井の銘酒と共にいただきたいところです。

人気のフォー専門店の3店舗目

「フォーティントーキョー 吉祥寺店」牛肉のフォー
「フォーティントーキョー 吉祥寺店」牛肉のフォー   写真:お店から

6月3日には吉祥寺にフォー専門店「フォーティントーキョー 吉祥寺店」がオープンしました。ベトナムの行列店にほれ込んだ日本人が、オーナーを口説き落として池袋に世界初出店。食べログ アジア・エスニック TOKYO 百名店に選ばれるほどの人気店に。吉祥寺は新宿に続いて3店目となります。メニューは牛肉のフォーのみ。甘めのスープにたっぷりの牛肉とねぎとパクチーが入り、肉うどんのごとき趣。卓上には秘伝レシピのチリソース、ニンニク酢、ヌクマムがあるので、存分に味変を楽しんでください。

屋台の雰囲気を味わえるタイ料理

「タイ・イサーン料理 ヤムヤム 恵比寿」 写真:大木淳夫

恵比寿には6月14日「タイ・イサーン料理 ヤムヤム 恵比寿」がオープンです。タイ国政府認定レストランに選ばれた門前仲町店、三田店に続いて3店目。店頭ではサワディー人形がお出迎え。店内のタイ屋台感もばっちりで、活気にあふれています。ガイヤーン、トートマンクンなどの定番料理はさすがの安定感。夏に向けてどんどん盛り上がりそうです。

※価格は税込。

※「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。

文:大木淳夫、食べログマガジン編集