〈食べログ3.5以下のうまい店〉

グルメなあの人にお願いして、本当は教えたくない、とっておきの「3.5以下のうまい店」を紹介する本企画。今回は山本憲資さんに、西荻窪駅すぐそばにある中華ビストロを教えてもらいました。

教えてくれる人

山本憲資
1981年生まれ。大学卒業後、広告代理店を経て雑誌『GQ JAPAN』の編集者に。テック系からライフスタイル、ファッションまで幅広いジャンルの企画を担当。コンデナストを退職後、Sumallyを起業、2023年10月末に代表を退任し顧問に就任。食だけでなく、アートやクラシック音楽への造詣も深い。

飲み屋の激戦区で支持を集める、テーブル席のあるビストロスタンド

古くからの飲み屋街が広がる西荻窪駅南口は、最近も新しい飲み屋が次々に参入して活気づいている。そんな南口繁華街にある「スタンド キッチン ルポン」は、ワインとレモンサワー、オリジナリティあふれる中華の立ち飲みスタンドとしてオープンした。

西荻窪駅から徒歩2分という駅近の立地

そのコンセプトがウケて瞬く間に人気店となり、5年の営業を経てすぐ近くに移転。1年半前にテーブル席もある広い店に生まれ変わった。といっても、スタンド時代の常連も使いやすいように手前は立ち飲みやカウンターがあり、おひとり様用の小ポーションメニューも充実している。

むき出しの天井やコンクリートの壁など無機質なインテリアがスタイリッシュ
 

山本さん

中央線沿いで予定があったので、ついでに寄りました。

入口付近に並ぶレモンサワーの漬け込みボトルも壮観

シグネチャーの「檸檬サワー」はキンミヤ焼酎をベースに国産の輪切りレモンをたっぷり漬け込んだ自家製。プレーンの「ドライ」のほか、シロップを加えた「クイーンサワー」、国産塩レモンを使った「キングサワー」、スパイスが入った「ジョーカーサワー」の全部で4種類ある。
ワインはスパークリングから白、赤、ロゼ、人気のオレンジワインまでバリエーション豊富。ナチュラルワインなど料理に合うものをセレクトしている。

ワインに詳しくなくてもわかりやすく説明されたボードがあるので、オーダーもしやすい

「ワインを飲みたいけれど詳しくない、そんな方にも気軽に来て欲しい」とオーナーの鈴木さん。そこでグラスワインはあえてカジュアルなものが中心、一方でボトルはマニアックなものもあり、セラーからセルフで選べるスタイルもワイン上級者には喜ばれているという。

ボトルで飲むなら、セラーからセルフで好みのワインを取れる
 

山本さん

オレンジワインやレモンサワーも充実しているところがとてもいいです! 

人が集まる店が、街づくりの中心に

オーナーの鈴木さんは同じく西荻窪にある人気ビストロの店主。
「この街は飲み屋さんをはしごして楽しむ人が多いので、気軽に寄れる立ち飲みをオープンさせたんです」と話す。

左)料理長の井村翔悟さん 右)オーナーの鈴木秀輔さん

料理を手掛けるシェフの井村さんは老舗中華出身。本格的な中華料理をベースに、ワインに合うアレンジを考えながら日々メニューを進化させている。そのブレインとなっているのが、ワインに詳しく、フレンチのシェフである鈴木さんだ。2人のタッグが生み出す発想が型にはまらない中華の源なのだ。

 

山本さん

さりげなくワインとあわせる、センスのいい気の利いたチャイニーズで気に入っています。

店に入ると、ネオンの虎も迎えてくれる