【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#105】「本格インド料理 クマールダバ」

新宿の老舗インド料理店として長年親しまれ、惜しまれつつ閉店した「新宿ボンベイ」で料理長を務め、他の人気店でも腕をふるってきたシェフが西巣鴨でお店を構えました。その名も「本格インド料理 クマールダバ」。

西巣鴨駅からすぐ近くにあるお店に入ってみるとインド料理レストランというよりはもっとくだけた食堂といった雰囲気。そもそもダバとは食堂を意味する言葉。そしてシェフの名前はクマールさん。つまり、その名の通りクマールシェフの食堂なのです。

「ジャルフレージ」

ランチのカレーセットも良いのですが、こちらのお店はお酒に合う料理が色々とあるので夜がおすすめです。まずはレギュラーメニューから「ジャルフレージ」500円、「チーズクルチャ」600円、「パラクティッカ」(2個)400円を注文。

「チーズクルチャ」

ジャルフレージはわかりやすく言うならドライな野菜カレー。単体でおつまみにもなり、薄めでチーズの量が程よいチーズクルチャとの相性も良いです。

「パラクティッカ」

パラクティッカはほうれん草ソースの骨なしチキンのタンドール焼き。インド現地ではしっかりと火入れをすることがほとんどなので、インド人シェフのお店では火入れがしっかりしている場合が多い中、こちらは日本人の味覚に合う絶妙な火入れでジューシー。ほうれん草ソースの味も良し。添えられた緑のミントソースと赤のタマリンドソースにつけて食べると味も変化が出て良し。これもお酒のおつまみとして非常に良い一品です。このあたりは日本の人気インド料理店で腕をふるってきたからこそのバランス感ですね。

「鯖のタンドール焼き」

レギュラーメニューの他に限定メニューもあります。限定メニューからは「鯖のタンドール焼き」400円(ハーフ)と「マトンビリヤニ」1,300円を注文。

鯖はシンプルに塩焼きしたものに緑と赤のソースが添えられていました。タンドールでふっくらと焼き上げられた鯖。これはインド料理慣れしていない人にも食べやすいメニューです。居酒屋的であり、食堂的。さすがクマールダバ。

「マトンビリヤニ」

そしてマトンビリヤニ。通常ビリヤニにはライタというヨーグルトサラダが付くことが多いのですが、こちらのビリヤニにはサンバルという南インドの野菜カレーが付いてきました。これはなぜかと聞いてみると、クマールシェフによればビリヤニにライタを合わせるのはパキスタンが多く、インドではスープを合わせることもポピュラー。こちらのビリヤニの味との相性を考え、スープ的な意味でサンバルにしたとのことでした。

食べてみれば納得。サンバルとしてはかなりさっぱりとした爽やかな仕上がりであり、しっかり味がついたマトンとの相性がとても良いです。ビリヤニ自体も軽やかで引き算のおいしさなのですが、サンバルが合わさると完成するような、他ではなかなかないタイプのビリヤニでした。

シェフが腕をふるってきたお店の味というよりは、それをどこか感じさせつつもシェフのオリジナルの料理の数々。どれを食べてもおいしいです。食べて良し飲んで良しの、インド料理好きならチェックしておくべきお店ですよ!

※価格はすべて税込

写真・取材:カレーおじさん\(^o^)/

文:カレーおじさん\(^o^)/、食べログマガジン編集部