目次
「The Tabelog Award 2023」 受賞店インタビュー
「おいしいを、讃えよう。」をキャッチコピーに、食べログユーザーによる評価をもとにした独自の年間レストランアワード「The Tabelog Award 2023」。対象期間にきわめて高い評価を獲得したお店がノミネートされ、ユーザーによる投票にて「Gold」「Silver」「Bronze」の各賞、部門賞として「Best New Entry」「Best Regional Restaurants」が決定した。
受賞店数は470店舗、その割合は日本の飲食店の中のわずか0.05%ほどという狭き門。そんなトップオブトップの飲食店の料理人たちは今、何を考えているのか?
Best New Entry受賞「湖里庵」左嵜 謙祐氏
滋賀県は奥琵琶湖の港町海津にあるオーベルジュ「湖里庵」。1日1組限定の宿泊所と、伝統の鮒寿しや琵琶湖の幸を使った料理が味わえる割烹という二つの顔を持つ。2018年の台風21号により被災し全壊するも、約2年半の月日を経て、2021年4月に新生「湖里庵」として再建された。
「The Tabelog Award」は今年度初めてノミネートされ、Best New Entryを受賞。7代目当主である左嵜氏が抱く信念とは?
琵琶湖の幸の魅力を伝えたい
再建を機に、オーベルジュとしては訪れた人によりくつろいでもらえる空間を作ることに注力すると同時に、料理についても、琵琶湖の幸を感じて楽しんでもらうことに焦点を当てた構成に組み直したという。「琵琶湖のすぐそばで、食材が育つ環境を見ていただきながら料理を提供することにこだわっている」と左嵜氏は語る。
「一般的に、淡水魚はよいイメージばかりを持たれている魚ではない」と言う左嵜氏だが、琵琶湖のすぐそばというこの場所だからこそ伝えられる食材の素晴らしさがあり、そのイメージを覆すことができるはずだと考えている。だからこそ、訪れた人に食材が持つ本来の力、おいしさを伝えられた時の喜びはとても大きいのだという。
遠藤周作も愛した伝統の鮒寿しに新しい表情を
同店の代名詞であり、「湖里庵」の名付け親でもある作家・遠藤周作からも愛されたという鮒寿しは、パスタにアレンジして提供。今の食文化にフィットさせることで、伝統的な食品である鮒寿しが持つ魅力を先入観なしに受け止めてもらいたいという思いから、左嵜氏が考案したメニューだ。
「伝統は、その時々の今を積み重ねて長い時間が経ったもの。この時代の今を積み重ねないことには、次の時代には残れない」と左嵜氏は言う。この場所では、長い伝統と新しさが織りなす、出会ったことのない味と体験に出会うことができるはずだ。
詳しくは動画で
インタビュー動画では左嵜氏が、料理に対する思いや、将来の展望などを語る。素晴らしい料理がどのようにできているのか、そのヒントが詰まっている。
■その他の受賞シェフインタビュー
https://award.tabelog.com/interview
■The Tabelog Award 2023
https://award.tabelog.com/