「The Tabelog Award 2023」 受賞店インタビュー

「おいしいを、讃えよう。」をキャッチコピーに、食べログユーザーによる評価をもとにした独自の年間レストランアワード「The Tabelog Award 2023」。対象期間にきわめて高い評価を獲得したお店がノミネートされ、ユーザーによる投票にて「Gold」「Silver」「Bronze」の各賞、部門賞として「Best New Entry」「Best Regional Restaurants」が決定した。

受賞店数は470店舗、その割合は日本の飲食店の中のわずか0.05%ほどという狭き門。そんなトップオブトップの飲食店の料理人たちは今、何を考えているのか?

Best New Entry受賞「末冨」末冨康雄氏

縁起がいい名前と言われ、自身の名前を店名にしたという「末冨」の末冨康雄氏。料理人になったきっかけは、高校生の時に割烹料理屋でアルバイトをしていた時、板前さんから「お前板前にならないか」と言われたことだ。そこから2年ほど福岡にいたが、思い立って福岡を飛び出す。人との出会いに恵まれ、怒られながらもいろいろ学ぶことができたという。

思い出の一皿でもある焼きすっぽん

焼きすっぽん

店を代表する料理は「焼きすっぽん」。「土楽窯の福森雅武さんに教えてもらいました。この料理のおかげで今の自分があるという思い出の一皿です」と末冨氏。

すっぽんのスープを濃くとって酒と濃口しょうゆで味付け。つけ焼きという技法だそう。これと同じようなものを自分でも作りたいと思っているが、いまだに難しいのだとか。

高級食材ではなくても、感動できる料理を作りたい

「福森さんには本当によく可愛がってもらいました。旅行へ行ったり、いろんなものを見せてくれたり、話を聞かせてくれたりして育ててもらって。あまり“料理”したらだめ、ということも教わりました」とのこと。どれだけ薄く、味をつけないでできるか。そのため、生産者さんとの付き合いは大事にしている。それは、良い材料が少ない中で、生産者さんにこの店に持って行こうと思ってもらえるように。

「当日食べ終わって、次の日になってからおいしかったな、と思ってもらいたい。高級食材じゃなくても、客に感動してもらえる料理を作りたい」と語る末冨氏。記念日に使ってもらえたり、何かお祝いごとに使ってもらえたりすることがうれしいのだそう。選んでくれてありがたい、という感謝の気持ちと、満足してもらわないといけないという使命感で、今日も真摯に料理と向き合っている。

詳しくは動画で

インタビュー動画では末冨氏が、料理に対する思いや、将来の展望などを語る。素晴らしい料理がどのようにできているのか、そのヒントが詰まっている。

■その他の受賞シェフインタビュー
https://award.tabelog.com/interview

■The Tabelog Award 2023
https://award.tabelog.com/

「The Tabelog Award」受賞店を一挙ご紹介

『The Tabelog Award 2023 公式本』(ぴあ)2,970円(税込)

日本のトップシェフの料理への情熱を徹底取材した、食べログアワード公式本が2023年3月下旬に発売。食べログアワードを受賞した全国の名店470軒を掲載しています。グルメ必携の一冊。

文:食べログマガジン編集部
撮影:米山典子