〈New Open News〉

毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。

サハスラーラ(東京・曳舟)

カレー2種 

東向島駅の人気カレー店「サハスラーラ」が、2022年11月に京成曳舟駅から徒歩7分ほどの場所に移転オープンしました。薬膳やスパイスを使った本格的なカレーが楽しめ、一度食べたら「また食べに来たい!」とリピーターに愛されるお店です。

店主の関 豪介氏は元日本フェザー級ランカーという、異色の経歴の持ち主。関氏とカレーとの出会いは、現役時代にアルバイトで働いた伝説のインド式カレー店「夢民」でした。ボクサーにとって大切な体作りを意識していた関氏は「夢民」のまかないでカレーを食べた後、自身の体の変化を感じたそうです。コンディションを整えるため、漢方も取り入れていましたが「夢民」のカレーによって活力がみなぎることに気が付き、独自で薬膳を取り入れたカレーの研究を始めました。現役引退後は、曳舟のバーの定休日に間借りカレー店を営業。その後、イタリアンで厨房の経験を積みました。そして自身の店を持つため、デリバリーの配達で独立資金を貯めたそうです。体を使って資金を稼ぐなんて、流石元ボクサーですね。

店名の「サハスラーラ」はヨガで頭頂部にあるとされる第7チャクラの名称から取ったそうです。名前の響きが気に入って決めたそうですが「サハスラーラチャクラ」は、エネルギーを注ぎ込む生命力そのものと言われていて、食べると元気になる同店のカレーにぴったりです。

店内 奥にはスパイスがずらり 写真:お店から

曳舟で知り合った方に古民家を紹介してもらったのがきっかけで、ここに出店を決めたそうです。古民家の良さを残し、落ち着きのある居心地の良い店舗を目指しリフォーム。

歴史が刻まれた柱 写真:お店から

もとからあった柱を活かした、温かみのある雰囲気です。店内にはキッチンの見えるカウンター4席と、壁向きのカウンター席が3席、2人用のテーブルが3卓あります。一人でも食事がしやすい造りになっています。

バナナリーフミールス 写真:お店から

同店のイチ押しメニューは土曜日と日曜日限定の「バナナリーフミールス」1,980円。南インドでよく見られる定食のことで、バナナの葉の上にご飯やカレー、総菜などが盛られます。同店のバナナリーフミールスは、バスマティライスにラッサムやサンバル、カレーの他、何種類もの総菜がのった豪華なセット。都内でもバナナリーフミールスを提供する店はありますが、他と比べても、内容に対してリーズナブルなのに驚かされます。

カレー3種 写真:お店から

通常メニューは「カレー1種」900円、「カレー2種」1,200円、「カレー3種」1,350円です。カレーは黒板に書かれた本日のカレーから選び、すべてに3種類の副菜が付きます。ある日のカレーは、トマトの酸味とギーのコクが合わさったまろやかな「バターチキンカレー」、バルサミコ酢の酸味が鼻に抜け、爽やかな後味を残す西インド・ゴアの名物「ポークとセロリのビンダルー」、きのこの香りが良く、合挽肉の旨みがギュッと凝縮された「きのこのキーマ」など。旬の食材を取り入れた本日のカレーは、だいたい週替わりだそうなので、訪れる度に新しいカレーと出会えます。カレーに添えられるのは、免疫向上が期待できる「茄子と銀耳のアチャール」や、冷え性改善の「人参、生姜、紅花のラペ」、疲労回復に良い「玉ねぎとハイビスカスのピクルス」と、体に優しい副菜を提供しています。

バターチキンカレー+スパイシー唐揚げ 

トッピングメニューはスパイスに漬け込んだ鶏の「スパイシー唐揚げ」220円や、豆のカレー「ダル」220円、豚バラ軟骨を柔らかく煮込んだ「ソーキ」220円、低温調理でしっとり仕上げたヘルシーな「鶏ハム」220円があります。

ビリヤニ 写真:お店から

火曜日の夜はカレーではなくビリヤニを提供。こちらも週替わりだそうです。ある日のビリヤニは「牡蠣と舞茸のビリヤニ」普通サイズ1,200円、少なめ800円。ビリヤニもおいしいと評判で、毎週食べに来るファンもいるそうです。

おつまみ3種盛り 

サイドメニューには「おつまみ3種盛り」660円や「鱈のエスカベッシュ」660円、「ポークのクミン焼き」660円、スパイスでとことん煮込んだ「牛テールのローガンジョシュ」990円などがあります。

ユニークなワインとの出会いも楽しい 写真:お店から

スパイスの利いた料理に合うワインやジンも取りそろえていて、特にワインはインドワインに力を入れています。スパイス料理とワインの相性はとても良いので、「グラスワイン」660円~で色々な種類を楽しんでみてください。

関氏の作るカレーは、季節に合った薬膳を組み合わせ、おいしいだけでなく体調が整うような体が喜ぶカレーです。現在提供している薬膳カレーには、消炎作用のある「甘草」や、体の冷えを取り除く「桂皮」、血液の流れを促す「当帰」、体を中から温める「乾姜」など数種類の生薬を配合しています。薬膳で言う「補陽温腎」(体を温め造血作用のある食べ物でエネルギーを高め、体のバランスを保つこと)に良い、冬を元気に過ごせる冬仕様のブレンドだそうです。毎週新しいカレーを作っているため、今まで作ったカレーはなんと150種類ほど! 関氏の独創的な唯一無二のカレーは、今後も変化し続けます。

※価格はすべて税込

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。
※「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額等を掲載しております。 営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

文・写真:佐藤明日香