【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#92】「Spice Bar モンカリー」
「エリックサウス」「アチャカナ」「アジャンタ」といえばどれもカレー好きなら誰もが知る名店。そんな名だたるお店で働いてきた経歴を持ち、特にアチャカナではその場所で間借りカレー営業もされていた方が、大久保でお店を開きました。平常時であればすぐに人気店となりそうなところですが、やはりまだまだコロナ禍の影響はあり、スタートダッシュを切れずにいるというもったいなさを感じる良いお店です。その名は「Spice Bar モンカリー」。
大久保駅からも西武新宿駅からも近いものの、大通りから一本裏に入った場所にあるのでここに行く目的で地図を見ながら行かないと気づかないかもしれません。ということはつまり、隠れ家感もあるということ。店内の灯りが温かくもれ出すファサードには手書き字体の「Spice Bar モンカリー」の文字。シンプルで趣があります。
スパイスバーということですがメインはミールス。実は間借り時代は「モンミールス」という屋号で営業していたのですが、独立と共にもっと気軽に入れるようにミールスからカリーに変えたそうです。確かにミールスと言ってもカレーマニアならすぐわかるもののカレーに特に興味がない方には馴染みのない言葉でしょうから。
看板メニューの「モンカリープレート」1,650円はまさしくミールス。念のためミールスを説明しておくと、南インドの定食で、様々なカレーをご飯にかけて混ぜながら食べていくものです。モンカリープレートはベジとノンベジのカレーが日替わりで、その他にサンバルやラッサムなどミールス定番のカトゥーリ(小皿)が付きます。
この日のカレーはノンベジがチキンウプカリー、ベジが春菊のダルでした。チキンはウプ(塩という意味)の名の通りしっかりと塩味が感じられながらしょっぱいの手前でちょうどよく止めた味付けのわかりやすいおいしさ。春菊ダルは春菊のほろ苦さがスパイスのような役割を果たし、優しさの中に個性を感じる味わい。
サンバルは優しく、ラッサムは攻めていて、カレーによって尖らせ方がそれぞれ違うので単体で食べて良し、混ぜて食べて良しのナイスミールス。ミールスを食べたことのない人でもわかりやすさがあるのが良いです。
食後に「チャイ」550円もいただいたのですが、こちらもモンカリーのミールスに合うテイスト。確かに甘いのですが、甘すぎないというチャイ。どちらも味が強めでありながら強すぎず、その塩梅の決め方がこちらのお店の特徴だと言えるでしょう。
スパイスバーの名の通り、夜はおつまみとお酒という楽しみ方も可能。「ブナチキン」550円は手羽先のおつまみ仕様。濃厚な味でお酒がすすみます。
「たまごのアチャール」275円は絶妙な火入れでとろっとろの黄身が幸せな気持ちにさせてくれます。これはミールスのトッピングとしても機能しそう。
メニューには無かったのですが「他にもおつまみできますよ」と声をかけてくれ、ミールスの中にあったサブジを頼むと「カリフラワーのサブジ」220円も出してくれたりとサービスも良いです。
人気店に引けを取らないおいしさの料理でありながら、まだまだ空いていることも多い穴場店。一人カウンターでミールス、あるいはお酒とインド料理のおつまみを楽しむも良し、テーブル席で仲間達と料理を楽しむも良し。認知度さえ高まれば人気店となるポテンシャルを大いに秘めたお店です。
気になった方は穴場なうちに是非一度行ってみてください。
※価格はすべて税込