【カレーおじさん\(^o^)/の今月のカレーとスパイス】2022年11月を振り返る

今月のカレーとスパイスも多種多様なカレーとスパイスのお店をご紹介。

  1. 九州ランカの人気店が激戦区神保町に進出!
  2. ビストロで修業したミュージシャンがスパイスバルのランチタイムにカレー店をスタート
  3. お寺の中でカレーを食べられる!? テイクアウトメインのスリランカカレー店
  4. ネパール料理をわかりやすく上品に伝えるお店の姉妹店

以上4店舗です。

どのお店も一皿で肉も野菜もしっかり食べられるバランスの良いカレー。食欲の秋も終わりに向かい、散々食べて疲れた胃袋と体には、健康的なバランスの良い食事が重要です。栄養バランスの良いカレーで体調を整えて、冬に備えましょう!

【第1週のカレーとスパイス】九州ランカって知ってる? 福岡の行列店が、カレー激戦区・神保町にやってきた!「RスリランカTOKYO」

カレーを食べる国にも色々とありますが、国のみならず地域によってスタイルの差があったり、ある国で生まれた料理が他の国で違う形で発展したものだったりと様々で、カレーは知れば知る程その奥深さにはまっていくものだなと常々感じています。

日本においては特にカレーのジャンルが多種多様となっているのですが、その中で「九州ランカ」と呼ばれるカレーをご存じでしょうか? 九州ランカとは、スリランカ料理のキリホディをベースに、それを辛くアレンジしたものが九州地方のカレー好きの間で人気となり、一つのジャンルとして認知されるようになったものです。

九州ランカと言えば「東方遊酒菜ヌワラエリヤ」や「不思議香菜 ツナパハ」が有名ですが、そんなお店の直系のみならず、九州在住のスリランカ人達の間でレシピが一部共有されたことにより、違う出所から生まれた九州ランカの人気店もあります。

前置きが長くなりましたが今回ご紹介するのは福岡県でも日々行列を作っている人気店が東京初進出となったお店。「RスリランカTOKYO」です。カレー激戦区である神保町にお店を出したということからして気合の入り方が違います。

Rスリランカの特徴としては、熱々の鉄板で九州ランカカレーを提供するという形。福岡でも同様のスタイルのお店がいくつかありますが、この形の元祖は「R Sri Lanka」だろうと言われています。

看板メニューの「豚肩ロースステーキカレー」は肉の大きさによって値段が変わり、フルサイズ1,300円、ハーフサイズ1,000円となります。こちらのフルサイズにほうれん草&きのこ(200円)をトッピングしていただきました。

ほうれん草&きのこをトッピングした「豚肩ロースステーキカレー」

豚のステーキで焼き具合は中がほんのりピンク色なのですが、提供時に「赤っぽい部分は鉄板につけて焼いてお召し上がりください」と説明がありました。つまり、ベストの焼き具合になった瞬間に食べることができるというわけです。

ココナッツの甘味とスパイスの辛さで程よい甘辛具合のカレーに豚肉を浸して食べてみれば、確かにこれぞ九州ランカと呼べる味であり、九州ランカの中でも個性的なスタイルなのが良いです。都内にも九州ランカカレーを味わえるお店はいくつかあるのですが、わかりやすくカレー専門店としてそれが食べられるお店はまだほとんど無い状態ですから貴重な存在です。

追いカレー

Rスリランカの魅力はその熱々の鉄板のみならず、追いカレーができるということ。一口ライスとカレーのグレイビーのおかわりが1回サービスで可能なのです。もう少し食べたい時にうれしいサービスですね。

ディナータイムにはおつまみもあります。

「デビルチキン」

「デビルチキン」をハーフサイズ(600円)でいただきました。こちら、ハーフサイズといえどもかなりの大きさ。デビルとはスリランカ料理の中でも中国料理に影響を受けたもので、わかりやすく言うとスパイシーな酢豚のような料理です。

デビルチキンのタレをカレーに投入して味変を楽しむのも◎

デビルチキンだと酢豚ならぬ酢鶏というわけですが、こちらのデビルチキンは隠し味に桜海老がたっぷりと使われていて独特の味わい。辛いだけでなく甲殻類のうま味もまとったチキンはおつまみに良し、カレーのトッピングにも良しです。デビルのソースをカレーに混ぜるとまた違う表情を見せますから、ちょっと変化を出したい時におすすめです。

カレー激戦区に登場した九州ランカ。九州では認知度がそれなりにあるものの、全国的にはまだマニア以外にはそれほど知られていないカレーです。気になった方は是非食べに行ってみてください。

【第2週のカレーとスパイス】彩り豊かなカレーで午後の活力チャージ! 高田馬場にスパイシーなランチスポットが誕生「SpiceCurryToca」

ミャンマー料理店はじめアジア各国の料理店が多く、通好みのお店も多数存在することで知られる高田馬場。駅前からはじまるさかえ通りという商店街もカレーを出すお店がひしめき合う激戦区なのですが、その中にある「Table Ino」というダイニングバーが、ランチタイムに「SpiceCurryToca」として二毛作的にカレー営業をスタートさせました。

お昼のカレーを担当するのは若きシェフ。音楽活動を続けながらビストロで修行し、間借りカレーを経てこちらのランチタイムのカレーシェフとなったそうです。音楽とカレーの関係の深さは知る人ぞ知るところ。人気カレー店のシェフには元ミュージシャンが数多く存在し、楽曲の作り方とカレーの作り方は似ているという話もよく聞かれますが、こちらのカレーもアーティスティックな雰囲気を感じるものなのです。

オープンした9月当初はチキンカレーと山椒キーマの2種でメニューを固定。10月から違うメニューも登場し、既に常連を掴んでいる穴場店であり、僕も既に何度か通っている最近のお気に入りとなっています。

「チキンカレーと山椒キーマのあいがけ副菜付き」

最初に訪問した時にいただいたのは「チキンカレーと山椒キーマのあいがけ副菜付き」1,200円に「レモンアチャール」100円を追加したもの。

チキンもキーマも程よくスパイスが利いていてスタイリッシュにまとまったおいしさ。特にキーマはひき肉をハンバーグのような形にして焼きを入れてから崩していくという作り方で、メイラード反応がしっかり感じられる奥深いうま味に。ティムールというネパールの山椒が利いていて爽やかさもあり、バランスがとても良くて気に入りました。

「レモンアチャール」

副菜の彩りも良く、レモンアチャールも心地よい酸味とほろ苦さがおいしさにつながっているもので、カレーと合わせるのにプラスワンとしてとても良いものとなっていました。

また、ある日のメニューは「ポークビンダルー&キノコとチキンのキーマのあいがけ副菜付き」1,200円。

「ポークビンダルー&キノコとチキンのキーマのあいがけ副菜付き」

ビネガーでマリネした豚肉を使ったポークビンダルーはやはりうま味と酸味のバランスが良く、食べ応えはしっかりとありながら重すぎないという仕上がり。キノコとチキンキーマは優しい仕上がりで、ポークビンダルーとの相性良好。

全体的に味のバランスを取るのが非常に上手だなと感じる一皿となっていました。

他のメニューが生まれるのも楽しみですし、以前出していたメニューをまた出していたりすることもあるので、SNSをチェックしてみて、自分が好きそうなものだったら行ってみて損はありません。

Table Inoのスパイス酒

ちなみに夜のTable Inoもスパイス酒を楽しめるお店となっており、昼も夜もスパイスラバーにはたまらないお店となっています。飲食店レベルの高い高田馬場においても注目のお店ですよ!