〈ニュースなランチ〉

毎日食べる「ランチ」にどれだけ情熱を注げるか。それが人生の幸福度を左右すると信じて疑わない、編集部員や食いしん坊ライターによるランチ連載。話題の新店から老舗まで、おすすめのデイリーランチをご紹介!

ヒットメーカー「肉山」創業者が仕掛ける、インパクト大な海老かつ丼の店

山が動いた。肉好きの聖地「肉山」。その創業者であり、斬新なアイデアで人気店を次々に開業してきたヒットメーカー、光山 英明さんが渋谷に新たにプロデュースする店をオープンした。今度はエビ好きの心をがっちりとつかんでくる。海老かつ丼の店「海老山」だ。

シンプルな外観に粋なのれんが映える

渋谷と恵比寿のちょうど真ん中あたり。少し歩くが、明治通り沿いにあるので、どちらからも行きやすい。白地に「海老かつ丼」の文字が躍るのれんをくぐると、パチパチとかつを揚げる音が店内に響き、一気に気分が上がる。

写真では3席だが、4席となる予定。奥に立ち席も作る予定だとか

席数はテーブル席4席、カウンター4席、立ち席とこぢんまり。店内は余計な飾りなどなく、すっきりとシンプルな空間ながら、木のカウンターや椅子に温もりを感じる。

遊び心を感じる蓋裏の「海老山」のロゴ

「とにかくエビが好きだったんですよ」と語る光山さん。「海老山」のオーナーとどんな店を作ろうかという話になったとき、まず二人とも好きな食材、エビがテーマとなったという。

エビフライ、エビかつ重などさまざまにエビを使ったメニューを試行錯誤したという。決め手となったのは、スタッフが提案した秘伝の自家製タレ。このタレを生かし、海老かつ、卵、ご飯の三位一体でおいしさが増す、今までにない「海老かつ丼」が生まれた。

プリプリ海老かつ、トロトロ卵と白ご飯が三位一体となる至福の味わい

メニューは「海老かつ丼」と「かつ丼」の二つで勝負。どちらもみそ汁がセットでつく。有料で卵を追加したり、ご飯を大盛りにしたりできる。また、とんかつ追加も可能だ。

「海老かつ丼」1,200円。卵追加 100円、ご飯大盛り100円

まずは「海老かつ丼」をオーダー。現れたのは、7~8匹のエビがあふれんばかりにてんこ盛りされた丼。卵もご飯も見えない! この海老かつの山に、食べる前から心が躍る。

かつはオーダーを受けてから衣をつけ、揚げたてが供される

「海老山」の丼にのるのはエビフライならぬ“海老かつ”。アジフライのようにエビの身を開いてから衣をつけ、揚げている。弾力のある身と香ばしいフライ衣の一体感がたまらない。

海老かつに覆われ、下の卵もご飯も見えない

この海老かつをタレと卵でとじず、卵を下に敷き、甘辛のタレをかけるのが「海老山」の丼のスタイルだ。

「衣が剥がれづらく、よりサクサクッと食べられるようにこの形になりました」と光山さん。食べ進めても最後までフライ衣のサックリ感が楽しめる。

エビのしっぽが香ばしく、おいしい

てっぺんの海老かつをさっそくガブリとほおばる。サクリとした衣からプリッとエビの身がはじけ、特有のうまみが口いっぱいに広がる。カラリと揚がったエビはしっぽまでおいしくいただける。

自慢の甘辛タレは醤油の尖った塩味がなく、甘さも程よくまろやか。決して薄味ではないのだが、かつにかける量のバランスが絶妙で、素材の味を邪魔することなく、エビのうまみを引き立てている。

やっと卵とご飯が見えてきたら、ここからは海老かつの香ばしさと旨み、ご飯が進む甘辛タレ、トロリとマイルドな卵、ふっくら炊かれた白ご飯の絶妙なハーモニーを存分に楽しみたい。衣薄めで軽い食べ心地の海老かつと、くどすぎないタレであっという間に完食。サクサク、プリプリのエビをたっぷりと堪能し、エビ好きなら多幸感に包まれること間違いなしだ。