〈ニュースなランチ〉

毎日食べる「ランチ」にどれだけ情熱を注げるか。それが人生の幸福度を左右すると信じて疑わない、編集部員や食いしん坊ライターによるランチ連載。話題の新店から老舗まで、おすすめのデイリーランチをご紹介!

九段下駅から徒歩6分の場所に誕生した、森林公園と共存するカフェ

「CAFÉ 33」では屋根に設置された太陽光発電システムから供給される、グリーンエネルギーを活用

ビジネスパーソンにとってのランチタイムといえば、勤務中の楽しみであり、午後の仕事に向けて英気を養う時間だろう。ひとときの休息時間だからこそ、ランチはおいしくて、心地よい癒やしの空間が広がるお店で過ごしたいもの。2022年7月1日にオープンした「CAFÉ 33」は、まさにそんな人々の要望に応える都会のオアシス的スポットだ。

店内には公園のインフォメーションや資料、公園の歴史にも触れられる展示エリアもある 写真:お店から

「CAFÉ 33」が立地するのは、皇居外苑・北の丸公園内。元々園内にあった休憩施設を、森林公園と共存するカフェとしてリニューアルさせた。手がけるのは、茶園の経営・卸売として創業190年を超える老舗である「放香堂」と、レストランやカフェなど様々な業態の開発・運営を行う株式会社スティルフーズ、一般財団法人国民公園協会皇居外苑の3社だ。

復興と地方創生をスローガンに、全国の生産者の顔が見える食材を積極的に使用。SDGsをはじめ自然環境への配慮にも取り組み、公園と歴史ある地域を尊重し多くの人にとって憩いの場となる店舗運営を目指している。

写真:お店から

店内はホワイトとグリーンを基調とした、ナチュラルでモダンな雰囲気のインテリアで統一。店舗中央部分には木を囲む印象的なベンチを備え、森林の中で休憩しているような雰囲気を演出している。

公園の豊かな緑の中にたたずむCAFÉ 33にはパラソルが設置されたテラス席もあり、こちらはペットの同伴も可能だ。

ローマ発祥の四角い「ピッツァ アル タリオ」やパニーニなど、アツアツなイタリアンフードがラインアップ

大きな四角いピッツァは、1人前20×10cmにカットして提供される

同店の看板メニューは、毎日お店で焼き上げる​​ローマ発祥の四角い「ピッツァ アル タリオ」。「PIZZERIA 37」「PIZZERIA 32」など自社ブランドのレストランやカフェ業態を開発・運営しているスティルフーズが手がけているため、そのノウハウを生かした本格的なピッツァがいただける。

「ピッツァ アル タリオ」は、ナポリピッツァに比べ分厚く、生地にオリーブオイルをたっぷりと使用しているのが特徴。同店では国産の小麦粉、塩、水、イースト、イタリア産オリーブオイルを混ぜて発酵させた自家製のピッツァ生地を、200度をベースに温度を変えながら10〜12分程度オーブンでじっくりと焼き上げて作り上げる。

ピッツァは味がしっかりしているので、軽やかで甘さを感じるイタリアビール「ペローニ」770円と合わせたい

ピッツァは定番のマルゲリータから、各地の旬の食材を使った限定メニューまで常時5種類程度がラインアップ。ショーケースに並ぶピッツァの中から好みのものを選ぶと、注文後にアツアツの状態で提供してくれる。

現在のイチオシピッツァは、地産食材、被災地・熊本の食材を取り入れた「東京小松菜、ベーコン、熊本産プチトマト」980円。ベーコンの力強く香ばしい味わいに、セミドライ状になりつつもみずみずしい甘酸っぱさがアクセントになった熊本産プチトマト、シャキシャキとした食感で青さが残る東京小松菜が口の中で調和する。

すべてのピッツァには、イタリア産のモッツァレラチーズが使われており、しっかり噛みごたえがありつつ、オリーブオイルとチーズがたっぷり使われているからか揚げ焼きのようなジューシーな印象も覚える。時間や場所を問わずおいしく食べられるメニューとして「ピッツァ アル タリオ」を看板メニューに据えたそうだが、確かにこれなら冷めてもおいしく食べられそうだ。

「チョリソーとコーン、ミックスリーフ、リコッタチーズ」1,050円は、コーンのプチッと弾ける優しい甘さと、ミックスリーフのフレッシュな苦味、リコッタチーズのまったりとしたコクに、チョリソーのスパイシーな肉の味わいがベストマッチ。こちらはベースに、イタリア産のトマトピューレを使った自家製トマトソースも使用している。

写真:お店から

ワンハンドフードはピッツァのほか、毎朝店舗で作るパニーニや自家製サンドウィッチも揃う。パニーニとフォカッチャサンドも、提供直前にホットプレスし、温かい状態で提供される。

「ナスとミートソースのパニーニ」

「ナスとミートソースのパニーニ」750円は、全粒粉小麦を使用した生地で、外側がサックリと香ばしく、内側は食材の油分や水分を吸ってしっとりとした食感だ。モッツァレラチーズのフレッシュな味わいとミートソースのコクをナスが受け止め、ルッコラが清涼感をプラスしてくれる。

「チキンとモッツァレラ、バジルソースのフォカッチャサンド」

「チキンとモッツァレラ、バジルソースのフォカッチャサンド」900円は、バジルソースの爽やかな味わいにセミドライトマトの甘酸っぱさ、スライスされた蒸し鶏とモッツァレラチーズが合わさったヘルシーな一品。ホットプレスされることでとろけだす、チーズの濃厚な味わいがたまらない。

「チキンたっぷりアジアントマトカレー」1,250円

その他宮城県産「コシヒカリ」を使ったカレーやロコモコ、無添加の食材を使用したメニューもある。

フルーツたっぷりのノンアルカクテルや、グルテンフリースイーツでカフェタイムも充実

朝から夕方までどの時間帯でも気兼ねなく利用できるよう、CAFÉ 33ではドリンクも充実のラインアップ。コーヒーや紅茶などの定番から、チョコレートドリンクやフローズンドリンク、イタリアビール「ペローニ」やワインやハイボール、シードルなどのアルコールまで揃う。

「パイナップル キウィ ソーダ」

注目はCAFÉ 33オリジナルのノンアルコールカクテル「ブルーハワイ レモネード」660円と「パイナップル キウィ ソーダ」770円。夏季限定のパイナップル キウィ ソーダは、フレッシュパイナップルとキウィをたっぷり入れ、パイナップルシロップとレモンシロップでほのかな甘さを加えソーダで割った食べるドリンクだ。

ドリンクと合わせ、店内の大きなショーケースに並べられたスイーツも一緒に楽しみたい。季節のフルーツを使ったケーキやカップスイーツのほか、テイクアウトにもぴったりなソフトクリームも北海道バニラ、宇治抹茶、ミックスと3種類揃う。

「カプリ風チョコレートケーキ トルタ カプレーゼ」

CAFÉ 33定番スイーツの一つが「カプリ風チョコレートケーキ トルタ カプレーゼ」650円。トルタ カプレーゼとは、イタリア・カプリ島の郷土菓子であるアーモンドとくるみがたっぷり入ったチョコレートケーキで、小麦粉ではなくアーモンドプードルを使用しているためグルテンフリースイーツとしても知られている。ガトーショコラのようにチョコレートの味わいがしっかり感じられつつしっとりした味わいで、グルテンフリーながらしっかりと満足感がある。

「季節のフルーツタルト」

もう一つの定番が「季節のフルーツタルト」650円。この時期はシャインマスカットのタルトを味わえるが、今後メロンや洋梨を使ったタルトも登場する予定だ。

さらに今後「放香堂」とコラボレーションした、こだわりのコーヒーの販売も予定。植物性飼料を中心に与えられた福島県石川郡の鶏の卵「いきいき花たまご」など、東北エリアの食材を使用したフード・スイーツメニューも登場するそうだ。

九段下駅から徒歩6分、竹橋駅から徒歩12分ほどに立地するカフェということで、オフィス街からも近くビジネスパーソンのランチやカフェスポットとしても重宝されそうなCAFÉ 33。自然に囲まれたカフェでランチタイムやティータイムをのんびり過ごすだけでなく、商品をテイクアウトして森林公園を散策するのもおすすめだ。

※価格はすべて税込

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

※営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

取材・文・撮影:中森りほ