ワインがあるから料理がある!

「秋刀魚の赤ワイン煮」

それでは自慢の料理をいくつかご紹介しましょう。

まずは「秋刀魚の赤ワイン煮」です。頭を落として肝ごと通常の倍量の赤ワインで3時間ほどじっくりと煮た秋刀魚は身だけでなく骨までタンニンのうまさが沁み込み、信じ難いくらいやわらかい。酢漬けにした生胡椒もしっかり利いて、ワインのアテにちびちびやるのに最高です。

「鹿のもも肉のポルペッティ」

「ポルケッティ」は卵やパン粉などのつなぎを一切入れずに肉と塩だけでボール状に丸めて、オリーブオイル、水、ニンニク、ハーブで3〜4時間炊いたもの。北海道のじゃがいも農家「村上農場」の「福白金時豆」で作ったスープとともにいただきます。

十勝「ELEZO」の鹿肉と「村上農場」の福白金時の“北海道コラボレーション”

余計なものを入れないということはこんなにも食材の強みが表れるものなのでしょうか。鹿肉は力強く大地の香りを纏い、福白金時豆の甘みを最大限に引き出したソースの感動的な味は、ひと口ごとに“引き算の美学”を思い知らされます。

「豚なれ鮓のアニョロッティ」

お寿司の原点と呼ばれる「なれ鮓」。魚を使うことが多いのですが、こちらは栃木の無農薬の二分づき玄米で発酵させた生の蝦夷豚を使います。じゃがいもとなれ鮓のペーストとともにアニョロッティで包み、バターとチーズのソースで仕上げました。予想したよりも酸はやわらかで、コクのあるソースがベストマッチ! これはクセになります。

「発酵野菜のリボリータ」

たくさんの野菜をクタクタになるまで煮込んだイタリア・トスカーナ地方の郷土料理である「リボリータ」。発酵させたタマネギ、にんじん、セロリ、山東菜でアレンジし、酸味とうまみを引き上げました。腸内環境を整えるのに役立つ発酵、おいしくてカラダにも良いなんて幸せ!

開発したレンチンパスタがおいしすぎる!

「ピチ アリオーネ」

こちらのパスタはなんと“レンチン”! 松本さんが所属する「料理研究開発部」がその名の如く、研究に研究を重ね開発したEC向けの商品です。真空冷凍パックの中でキューブ状のパスタとソースが同じタイミングで均一に溶けるように配置され、レンチンして軽く混ぜれば「リ・カーリカ」の味ができあがるという画期的な商品です。発売後すぐに完売し、リピーターで生産が追いつかないという事態にまでなったヒット商品です。

仕上げにオリーブオイルを回しかけチーズを削ればより店の味に!

「ピチの食感はモチモチじゃなくムチッなんです。グルテンを出したらその食感にはなりません。機械でグルテンを出さないというのは不可能に近いのですが粉の配合と茹で時間でその問題を突破しました」

「ムチッとしてコシのあるピチ独特の食感」「添加物ゼロで安心安全な食材」「店の味の再現」が、たったひとつの袋をレンチンすればできあがるのですから、そりゃ人気が出るはずです。

下からの光がステンドグラスを美しく映します

店のパスタを冷凍商品にしたのには訳があります。ひとつは「ネットで購入する前に食べてみたい」という声、もうひとつは若いスタッフの育成です。

大人たちがワインを楽しむために誕生した「ta.bacco」。ワインにちなんだ空間で、ワインに合う小皿料理をつまみながら、ワイン好きな人が繋がり、スタッフと一体となって店が進化していく。それがこの店の醍醐味であり通いたくなるワケなのです。

※価格は税込。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

※営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

文:高橋綾子
撮影:溝口智彦