恵比寿に知る人ぞ知る楽しいお店がオープンしたとの情報をキャッチしたので調べてみると、そこは「ta.bacco」という看板もメニューもないワイン酒場。しかも、学芸大学「リ・カーリカ」「あつあつリ・カーリカ」「リ・カーリカランド」、都立大学「カンティーナカーリカ・リ」の姉妹店と判明しました。それならば間違いなくおいしいはず。これは予約困難になる前に訪れなければ!
え? ここ? 扉を開けると楽しい!が待っている
恵比寿駅から徒歩5分ほど、恵比寿公園を取り巻くように飲食店が立ち並ぶ一角に「ta.bacco」がオープンしました。隠れ家の中の隠れ家、とでも言いましょうか。誰も入らないようなビルの2階へ上がると、まったく飾り気のない鉄扉の取っ手のそばに「ta.」と書かれたシールが貼ってあるだけ。知らなければここがお店だとわかるはずもありません。はっきり言って入りづらい!
お店はアルファベット「P」の形をした10席のカウンターとスタンディングのテーブルが1つという程よい大きさで、ひとりでも気軽に来られそう。
「おひとりさま、大歓迎です。スタッフを含めた、“いまここに居合わせた人たち”で、この瞬間の『ta.bacco』を作っている、そんな店なので多くても4名まででお願いしています」と話すのはシェフの松本和久さん。
つまり、お店の中にいる誰かひとりでも変われば雰囲気もメニューすら変わるかもしれない。常連の居心地の良さがありながら、いつも違った「ta.bacco」を楽しめるというわけ。
お店は松本さんと本間太陽さんが中心となって切り盛りします。おふたりとも系列店「あつあつリ・カーリカ」から一緒に働いているとのことで息もぴったり。こちらのお店、メニューやレシピは運営会社の「料理研究開発部」で作られているのですが、松本さんは4名いるメンバーのひとり。さいたま市「アルピーノ」や外苑前「リストランテ・ホンダ」などで修業した後、学芸大学「リ・カーリカ」へ転職すると系列全店の立ち上げとメニュー開発に携わることになった凄腕シェフです。
「料理研究開発部」が「ta.bacco」のために考えたメニューは常に30品ほど用意され、その中からおまかせで12品をコース仕立てにします。もちろんその日の食材や集った人によって変えていますし、“あの時のあの料理”なんてリクエストにもできる限り対応してくれるそう。
ワインはイタリアのナチュールを中心にカジュアルに飲めるものをそろえており、ほとんどの料理がそれらを1杯飲みたくなる小皿サイズで提供しています。
そう、ここはワインがメインであり、そしてワインに合う料理を楽しむための店なのです!