【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#55】「洋飲食」
町中華という言葉は既にかなり認知されて使われており、最近では町洋食という言葉も聞くようになりました。どちらも本格的な料理ではなく、町中華なら中国料理が、町洋食ならフレンチやイタリアンが、それぞれ日本人の好みに合うようにローカライズされて独自の進化を遂げた料理のことです。
インド料理の世界で町印度という言葉を作るなら、きっとそれは「インネパ」と呼ばれるお店のこととなるでしょう。インネパとはインドネパールの略で、ネパール人によるインド風料理とその他アジア料理のお店のこと。日本にある多くのインド料理店(に見えるお店)は、実は高確率でこのインネパに当たります。インド料理マニアからは敬遠されることも多いインネパですが、ネパール人シェフは柔軟で器用な方が多く、だからこそお店それぞれのオリジナル料理もあってそれが楽しく、個人的には好きな形態です。
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今回ご紹介するのは町洋食のお店なのですが、その魂は町印度とも言えるお店。水道橋駅近くにある、その名も「洋飲食」です。
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階段を上って2階にあるお店。店内はネパール人男性2人で切り盛りしています。シェフは町洋食の名店である新橋「むさしや」出身。8年間勤めたそうで、むさしやでインド風カレーがメニューに加わったのもこちらのシェフの力によるところが大きいのでしょう。そのシェフの幼馴染みが主に接客担当。兄弟のような関係性だそうです。メニューはむさしやと同じようにオムライス、カレー、スパゲッティの三本柱。
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看板メニューのオムライスは中身がチキンライスのものもありますし、中身がドライカレーである「オムドライカレー」900円もあります。
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しっとりとしたドライカレーをふんわりとした卵が包みます。バターの香りも良く、卵の量もむさしやより多いのではないでしょうか。ナポリタンや味噌汁がつくのも町洋食ならではの魅力。
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カレーはチキンカレーとキーマカレーがありますが、今回は「キーマ茄子カレー」1,000円に「ミニハンバーグ」250円と「目玉焼き」100円をトッピング。キーマカレーにも色々ありますが、こちらのキーマは挽肉の割合がとても高く、スパイスで味付けした挽肉をそのまま味わっていると思えるほど。町印度的キーマが基本なのですが、それともちょっと違うのは洋食のエッセンスが加わっているからでしょうか。
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これにハンバーグを加えるとさらに少し洋食のカレーに寄ります。ハンバーグは懐かしいテイストのデミソースをまとっているので、それごとカレーに入れると深みが出るのです。さらに卓上のブラックペッパーをかけて食べるのが僕のおすすめ。他にありそうでない、個性あるおいしさのキーマとなります。
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これだけで十分ガッツリと満足できる一皿なのですが、食いしん坊の方にはメガ盛りメニューもあるのが楽しいです。
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朝10時半から営業しているというのも特筆すべき点。朝と昼兼用でガッツリ食べたいときにぴったりです。カウンター席のみなので誰かとゆっくり食べるというより、一人でガッツリ食べてすぐに出るというのが合うお店。通って飽きの来ないちょうど良いおいしさと、千円前後で食べられるお手軽さと、また行きたいと思える満足度。日本人の味覚にぴったりと合う洋食をネパール人が作っているという楽しいカオス。
時代の流行とはまるで違う立ち位置であり、本格的な現地料理が好きだという方には合わないお店かもしれませんが、町洋食が好きな方や、インドネパール系のお店が好きな方には確実に刺さるお店です。