【最旬ヘルシーアドレス】

vol.4 東京・中目黒「野菜畑 土田」

都心にいながら、産地直送の野菜を使った、“野菜三昧”の料理が楽しめるお店がニューオープン

 

“畑で食する大地の喜び”をコンセプトに、今年の7月にオープンした「野菜畑 土田(やさいばたけ つちだ)」は、採れたての野菜を使ったおいしい料理が自慢の料理店。

農業トラックをイメージしたという店内に期待がふくらむ。

 

 

お店は、榊原夫婦が切り盛りする“アットファーム”な雰囲気。野菜は、野菜ソムリエの資格を持つ裕子さんのおめがねにかなったもの。日本全国の農家を訪ねて、食材のバックグラウンドを知り尽くした上で仕入れたそれらは、生産者から直接仕入れる安心・安全なのはもちろん、旬の旨み、大地のエネルギーに満ちた、生命力あふれるラインナップ。

「南のカラフルでみずみずしい野菜、北は大地の力強さがしっかり伝わる骨太野菜と、育った場所によってよりどりみどり。野菜の持つ、個性と旬をひきたてる料理を提供したいですね」と、お店の“野菜監督”というべき裕子さんがいうように、野菜が一番輝く“瞬間”を味わえる魅力的なメニューの数々。

 

「生産者への敬意と、野菜への感謝の気持ちを忘れたくない」
そんな、榊原夫妻の思いがかたちになった、看板メニュー2品を紹介。

旬の旨みを直球で味わえる、野菜の玉手箱

お店に取り揃えられた実力派野菜たちの、おいしい実力をストレートに味わうなら、こちら。季節ごとに旬を迎えた野菜が、なんと、12〜15種類もぎっしり詰まった、まるで野菜の玉手箱。この日は、うずまきビーツ、黄色と緑のズッキーニ、コリンキー(生で食べられるかぼちゃ)と、香川県産の野菜がスタメン入り。ほかにも、小さなロメインレタスであるシュクリーヌ、県外へほとんど出荷されないゼブラ茄子といった希少性のある“ゲスト野菜”が彩りを添える。これから秋を迎え、レンコン、キノコ類も秋色の野菜が加わるのだそう。野菜を通して四季を感じられる、そんな一品。

やさしい味わいのバーニャカウダーソースをまとって

旬を迎えた野菜にぴったりなのは、野菜のおいしさを引き立てるソース。こちらのバーニャカウダーソースは、アンチョビではなくミンチ状の鶏肉でダシをとったやさしい味わいのホワイトソースを使用。まろやかな風味は、まるでレースのヴェールのよう。グラマラスな野菜にからめて召し上がれ。

 

野菜畑の箱庭バーニャ・サラダ 2,300円

野菜と鶏の旨みでここまでおいしい!

寒くなるこれからの季節のヘルシーメニューとして一押しなのは、1日限定20食の野菜鍋。碑文谷でお店をかまえていたときからの人気メニューが、さらにパワーアップしたと、常連客もよろこぶ一品に。野菜本来のおいしさを引き立てるために、スープは野菜、鶏肉、自家製つくねのみでダシをとる。12〜15種類にも及ぶ野菜が生み出す滋味あふれるダシの味わいは、いままでのベジブロスの概念が覆るよう。そこに、徳島県産の阿派すだち鶏のコクがあいまって、飲み干したくなるほどのおいしさ。

 

この日は、紫キャべつ、長芋、コリンキー、シュクリーヌ、トマト、グリーンアスパラガスといった野菜と、鶏肉、自家製のつくね、豆腐がIN。おいしい出汁の、立役者は大分県産のしいたけ。シメは、雑穀玄米の雑炊でヘルシーに。

 

1日限定20食 野菜畑の美人鍋(2〜3人分)2,600円

スペシャリストが育んだチーズも必食


おいしい野菜を求めて全国行脚をする榊原夫妻が、同じくおいしいチーズを探し求めて見つけたのが、千葉県 高秀牧場で作られた、1日30個限定のプレミアムなチーズ。フランスで行われた国際チーズコンテストでもスーパーゴールドを受賞したこちらを牧場か直送。フレッシュなチーズに合わせるのは、イタリアのオーガニックワイン。野菜と一緒にぜひ堪能したい。

 

高秀牧場直送チーズ盛り合わせ 1,300円

取材・文:吉村セイラ
撮影:安彦幸枝