Everyday Curry!カレーラバーの男女がガチンコで語り合う!

いまうまいものを食べるなら、このお店。食べログが各ジャンルの中でオススメの100店をまとめた「百名店」。今回のテーマは「カレー」。毎日カレーを食べるという、カレーをこよなく愛するお二人に「カレー」について、インドカレーの老舗有名店「アジャンタ 麹町」で語っていただきました。

 

前編に引き続き、後編もディープなカレートークが炸裂です!

座談会メンバーの紹介

カレーおじさん\(^o^)/(左)

2006年から毎日カレーを食べ続けているカレーヲタク。今までに世界各地3,500以上の店舗で様々なカレーを食べ歩いてきた。ここ5年間の年間平均カレー食数は約900で、生涯通算カレー食数は優に10,000を超える。NHK Eテレ「オイコノミア」やTBS「櫻井・有吉THE夜会」など、メディア出演の他、小学館「しごとなでしこ」やイープラス「SPICE」などでカレー記事を連載中。

さと2さん(右)

弱冠23歳で、800店舗(日本/インド)のカレーを食べ歩く生粋のカレー女子。管理栄養士の資格を持っているため、不定期で間借りカレー屋も行っている。本職はエンジニアという意外な一面も。Instagramアカウントで日々食べ歩いたカレーを発信中。

食べ歩きの中で見つけたとっておきの名店

カレーおじさん(以下・カ)錦糸町の風俗街にある「アジアカレーハウス」かな。異様に美味しくて、今流行のバングラデシュカレーの火付け役と言っても過言ではないかもしれません。

出典:しばいぬ あずさん

近くを通りかかって怪しげな雰囲気が気になったので中に入ってみると、そもそも日本語が通じなくて、常連のお客さんが通訳してくれました(笑)。当時は本当にどこにも情報が載っていなくて、食べログを検索しても全然出てこなくて。だから最初に食べログに投稿したのは僕なんです。そのエリアはバングラデシュ人の方が多く働かれているみたいで、食べログユーザーがいなかったからじゃないかな(笑)。

出典:アゲモノガカリさん

さと2(以下・さ):「アジアカレーハウス」の開拓者はカレーおじさんだったんですね! あそこはもはや、”プチ・バングラデシュ”ですよね! 私は夏に行ったのですが、食材が無造作に積まれたカオスな空間で、冷房もなく汗だくで食べた記憶があります(笑)。

 

さ:でも味は本当に抜群ですよね。特にビリヤニが美味しい。チキンの足がバコンって丸々一本出てきてビックリしました。メニューが曜日替わりなのも嬉しいですよね。

 

カ:あの“現地感”は最高ですね。カレーは現地の気候に近い環境で食べると美味しさが倍増するんですよね。

カ:あとは最近、下落合から高田馬場に移転して間もない「ブラザー」かな。もしかして既に行ったことある?

 

さ:、はい……。

 

カ:早いね〜(笑)。まだオープンしたばかりで出せていなかった伝説の「鯖キーマカレー」が近々出る予定という噂。キーマの上には三つ葉とミョウガを刻んだものがあしらわれ、それがまた全体をサッパリとさせていて絶妙なバランスなんですよね。(8月末より数量限定で提供中。9月一杯までの予定。)

出典:blacktaraさん

さ:コリアンダーの使い方も面白いし独特の香草も使っていて、カレーの掟破りとも言えますよね。でも「ぎゅっ」と甘くて濃い鯖の香りがたまらなく美味しい。私も大好きな味です。

全世界・全国カレー行脚

さ:私は、国内外の旅行もほとんどカレーを食べるために行っているみたいなもので(笑)。

 

カ:それ、僕もです(笑)。さと2さんは九州地方などよく行かれているみたいですがオススメのお店ありますか?

出典:ropefishさん

さ:福岡にあるパキスタン料理の「ハラールフードマルハバ」ですね。味はシンプルなのですが、一つ一つの工程が丁寧にしっかり作られていて食べた時は衝撃を受けました。チキンの使い方が本当に上手で、グレービーが染みるんですよね。

さ:カレーおじさんは海外もよく行かれてますか?

 

カ:よく行きますよ。インド、東南アジア、今年はネパールも行ってきました。でもインドでよくある悩み事は、実はレストランのカレーがあんまり美味しくないことが多いんですよね。観光客向けに味が変えられてたりして、現地の味を食べたいのに中々ありつけない。

 

さ:分かります! ムンバイに行った時に知り合いの現地のお母さんが作ったカレーを食べたのですが、その家庭の味がすごく美味しくて感動しました。今年はシンガポールに行く予定で、今後は毎年インドにカレーを食べに行きたいなぁと思っています。

美味しいカレー屋さんの探し方

カ:さと2さんのインスタを見ると、僕も知らないところに行かれているので「すごいな」って思ってました。結構事前に探してから行かれます?

 

さ:決め打ちが多いですね。私はOLで、自由に行ける時間もお金もある程度限られているので、かなり計画して行きます。特に遠方に行くときは事前に、休業日・営業時間・電話番号・場所などを調べて、無駄なく計画的に回れるようにエクセルの表にまとめちゃうくらい(笑)。

 

カ:それはすごいですね。僕の場合は、事前にリサーチするのと歩いていて不意に見つけるのと半々くらいですかね。美味しそうなカレー屋さんの前を通りがかったときは、満腹じゃなかったら取り敢えず入って食べてみます。

さ:入ってみて、美味しくないお店も結構ありませんか?

 

カ:たまたま見つけて行ったお店は、実際半分以上は「普通」です(笑)。美味しくないとさえ言えるお店もありますし(苦笑)。でもその中の残りの1、2割の可能性で時たま美味しいカレーに出会ったりする。期待していない分、感動がすごいんですよね。

 

さ:美味しいものばかり食べてると、有り難みもなくなってきますよね。

 

カ:まさに。美味しくないカレーがあるからこそ、美味しいものが尊く感じる。「カレーは確実に美味しくなくてはいけない」と僕は思っていないんですよね。

出典:辣油は飲み物さん

さ:そういう新しい美味しいお店を見つけた時の感動はより一層大きいですよね。私の地元の山形にある伝説のご主人が営んでいる「ジャイ」も、その一つかもしれません。万人ウケを狙った味ではなく、現地のカレーそのものを再現したマニアックな味がたまらないんです。

ふらっと立ち寄るスタイルに起こる喜劇と悲劇

出典:カレーおじさん

さ:カレーおじさんは、無計画で行って失敗されたこともありますか?

 

カ:何度も(笑)僕は、その時の出会いを大切にしたいので、事前にお店に電話をしないというのをポリシーにしているんです。その日の気分でカレー屋さんを選ぶので、臨時休業や貸切で結局食べられないことが多いのが悲劇ですね(笑)

 

さ:そうですよね。私はそれが嫌で事前準備をきちんとします(笑)。

 

カ:人気店ほどご主人がこだわってカレーを作ってるから、美味しく作れないと「今日は休んじゃえ」って結構あっさり臨時休業になっていたり、「疲れたから休んじゃおう」というのもよくある(笑)。それに、なぜかアポなしで凸したら、臨時休業のことが多いんですよ、僕。

さ:日本人の男性一人が店主で切り盛りしているお店もそのパターン多いですよね。わざわざ行ったのにショックじゃないですか?

 

カ:もう慣れましたね(笑)。一番ひどい時は5軒連続入れなかった時もあるくらいですから。鎌倉のとあるお店にカレーを食べに行った時は、お店にようやく着いたぞ! ってワクワクしてお店に入ろうとしたら、救急車の店の前に止まってたんです。このあたりに急病人が出たのかと思いながらお店に入ったら「すみません、いま店主、運ばれました」って。目の前で店主が救急車で運ばれる現場に遭遇するなんて、中々ないですよね。その後無事復帰されて、大事に至らなかったからこうやって話せますけど、そうしたこともあって、臨時休業を呼ぶ男ってTwitterでは呼ばれています(笑)

出典:お店から

さ:それは大変ですね! (気を取り直して)でもここのカレー美味しいですよね。新鮮でカラフルな鎌倉野菜が超モリモリなので女性におすすめです。

 

カ:色々ハプニングはありますが、でもそういうのもお店との縁なんだろうなって。そんなことでへこたれてたら「隠れた名店」は発見できないですからね。

二人にとってカレーとは?


さ:カレーは「哲学」だと思っています。カレーの定義は「その人がカレーといえばカレー」。例えば、お味噌汁、中華料理、中南米料理まで「カレーといえばカレー」になる料理って実はたくさんあるんですよね。その変幻自在さや可能性が魅力的。あと、私はカレーが無かったら自殺していたんじゃないかってくらい(笑)、カレーに人生を救われています。

 

カ:カレーは、スパイスの効果で「鬱にも効く」という説もありますよね。

カ:僕はカレーは「宗教」だと思っています。人それぞれ好みや信じるものは違えど、その人がカレーを食べた時に「幸せ」と感じたり、救われるかが、大切な気がするんですよね。

さ:本当にそうですよね。よく「カレー以外のジャンルを食べたくならないの?」って聞かれるのですが、やっぱりカレーが一番。

 

カ:カレーの可能性は無限大で、絶対に裏切らないですもんね。

さぁ、あなたも華麗なるカレーの世界へ!カレー百名店へ行こう!

以上、2回に渡ってお届けしたカレーマニアの二人が語る「食べログ カレー 百名店」。いかがでしたか? 魅惑的で唆られるお店が盛りだくさんの百名店リスト。ぜひチェックしてみてくださいね!

<撮影協力店>

出典:とうがらしちゃんさん

取材・執筆:アキレウス
写真:八木竜馬