正統派から革新派まで、自分好みで使い分け

きゅいそん
肉ビストロ「IBAIA」   出典:きゅいそんさん

ビストロ料理のなかでもシャルキュトリや肉料理をがっつりと食べたくなったら、「ブラッスリーギョラン」や「マルディ・グラ」「IBAIA」「タツミ」がいい。牛や豚、子羊、鴨といった肉料理がずらりと並んで、選ぶのに苦労するほどだ。地方料理を攻めたければアルザス料理の「ジョンティ」、ランド地方料理の「コム・ア・ラ・メゾン」、リヨン料理の「ブション・ドール」、ブルゴーニュ地方の「メゾン・ド・ラ・ブルゴーニュ」に行けばいい。

北の界王
「ジョンティ」のアルザス地方のピザ「タルトフランベ」   出典:北の界王さん

ワインに興味を持ったら「Ata」や「アンテリブル」のカウンターに座って、シェフと話しながらワインと料理をつまむのもいいし「IZAKAYA VIN」は名前の通り洋風居酒屋だが、メニューを見ると本格的なビストロ料理が数々あってびっくりする。

サプレマシー
「Ata」のカウンターでワイン   出典:サプレマシーさん

一見混沌としているように見えるけれど、ビストロ 百名店のリストを解きほぐしていけば、今の東京の飲食シーンのさまざまなチャレンジが透けて見える。だから、このリストをもとに古典的なビストロ料理の楽しみをまず知って、そのなかから自分の好きなジャンルを探し、そして料理人たちが描いているイノベーティブな料理を見つけるところまで歩いてみたらどうか。

辣油は飲み物
「仏蘭西料理 やおら料理店」のシャルキュトリの盛り合わせ   出典:辣油は飲み物さん

2021年にも面白い店は続々できている。特に新型コロナという百年に一度の大事件を経験したことで、人はもう一度ビストロの本流に戻るのではないかと僕は思っている。店でいえば「ビストロ マ・キュイジーヌ」「ビストロ バー ア ヴァン コダマ」「仏蘭西料理 やおら料理店」などで、どれも現代的な意匠をまといながら、正統派の風格も持つ。
僕はビストロというジャンルの持つ懐の深さを、百名店のリストを読みながら改めて感じた。

紹介店舗一覧

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文:柏原光太郎、食べログマガジン編集部