六本木駅から10分ほど歩き六本木通りから少し奥へ入ると、喧騒から離れた住宅街になります。その一角にオープンしたのがここ「笄³」。

看板には漢字の“笄”に3乗を表す“³”を組み合わせた一文字のみ。その下に英字で“Ji-Cube(ジーキューブ)”と書かれています。以前、この辺りは笄町(こうがいちょう)と呼ばれており、「笄」の中国語読み「ジー」と、「四角い建物=キューブ」から発想して3乗を表す「³」を組み合わせた造語だそう。

予約時間にはスタッフが外で出迎えてくれ、個室のある2階、または1階のカウンターとテラス席に案内してくれるので安心ですが、たとえ名前はわかっても外見からは何のお店なのかまったくわからない、何やら不思議な佇まい。

2階にある個室は正面の扉から、1Fのカウンター席とテラスは奥へと入口が分かれています

オープンは6月1日予定でしたが、緊急事態宣言が延長されたため、解除されるまではプレオープン中だそう。それにもかかわらず、口コミだけで連日満席という盛況ぶり。それもそのはず、ここはあの中国料理の名シェフ、菰田欣也さんの新店舗なのです。

菰田さんは中国料理の巨匠、陳建一さんのもとで約30年に渡りグループ店を支え、満を持して独立してからは火鍋専門店「ファイヤーホール4000」「4000 Chinese Restaurant南青山」を大人気店にし、今度はここ「笄³」を誕生させました。

カウンター、個室、ペットOKのテラスまで、使い方は自由自在!

カウンターのなんとも言えない美しい朱色は、なんと本物の唐辛子を吹き付けてできた色

一軒家なだけに個室もカウンターもテラスもあり、ペットと一緒、小さなお子さま連れ、バースデーや記念日など、どんなシチュエーションにも対応できます。しかも2階の個室はエントランスから入口が分かれるので、“お忍び”にはもってこい!なのです。

3室ある個室の一番広いタイプはソファーとホームシアターを完備

個室料金はかかりませんが、こちらで提供するのは、1階のカウンターで食べられる12,100円のコースより1品少なく食材をグレードアップさせた16,500円のコース。17時または19時からのスタートになります。

「カウンターは料理を楽しみ、個室は人や空間を楽しんでほしい」と言う、料理長の佐々さん。

オープンキッチンで腕をふるう佐々友和料理長

料理長を任されたのは「赤坂四川飯店」「スーツァンレストラン陳」「ファイヤーホール4000」「4000 Chinese Restaurant南青山」と、長きに渡って菰田さんと共に歩んできた佐々友和さんです。

王道の四川料理をしっかり叩き込まれましたが、こちらでは「本格的な料理が1万円くらいで肩肘張らずに食べられたら」というコンセプトのもと、2ヶ月ごとにメニューを変え、香りを大切にし、四川料理にこだわらず、食材や盛り付けで季節感を生かす料理を提供していくとのこと。

そして注目したいのは、土日祝日のランチ限定「飲茶コース」(4,400円)! このお値段で一流シェフの味を楽しめるなんて、見逃すわけにはいきません。