この手があったか!と唸らせる料理の数々

飲茶コースは前菜2種、蒸し点心、揚げ点心、野菜炒め、担々麺、デザートの7品。

「エビの紹興酒漬け」(左)、「牛肉のガーリックソース」(右)

本日の1品目は「エビの紹興酒漬け」。紹興酒に半日漬けたエビは目を見張るほどトロットロで、イクラも小粒ながらプチッと弾けます。紹興酒のアルコール分はほとんど感じず香りと風味だけが心地よく広がります。

2品目は四川の代表的な料理「牛肉のガーリックソース」。初めは辛味を感じませんが、喉を通るとピリピリッと「紅油(ラー油)」が効いてきます。タレの絶妙な甘辛さがやわらかな牛肉と絡んで、まさに夢見心地のおいしさ。前菜から期待が高まります。

「揚げ点心」(左)、「蒸し点心」(右)

次はお待ちかねの点心が登場です。「蒸し点心」は「海老餃子」「焼売」「五種野菜の海老餃子」「フカヒレ餃子」の4点。どれも具材がギュッと詰まって食べ応えがあります。特筆すべきは「焼売」。敢えて手切りした豚肉とエビを包み「とびっこ」をのせています。プリプリ、プチプチと食感が楽しくてたまりません。

「揚げ点心」は「大根餅」と「海老春巻き」の2点。「大根餅」は、表面はカリッとして中が流れ出るほどトロトロで、自家製叉焼と腸詰の香りが鼻腔をくすぐります。

「海老春巻き」は黄ニラとアスパラガスのシャキシャキ感にプリップリのエビ、アクセントにブラックペッパーを利かせた春巻きは細長で食べやすく、サクサクッとした揚げ具合が何とも言えず心地良いのです。馴染みのある点心が一工夫でこんなにも違うとは驚きです!

シメは「担々麺」

「担々麺」は色は赤いけれど辛味はそれほどでもなく、胡麻も風味を感じる程度。なのにクリーミーでコクがあるのは豆乳の仕業。そこに四川省の家庭料理である芽菜(ヤーツァイ)の漬物でうまみをプラスしたスープが、ツルッとした太麺と絡まるのです。もうこれはスープまで飲み干してしまうレベルです。

デザートは「プリン」

デザートは“只者ではない”プリンです。なめらかだけどどっしりとしたプリンに紹興酒と豆花(トウファ)に使う糖を煮詰めたソースをかけています。甘いけど甘くない、香りを楽しむ大人のプリンはマニアをも唸らせます。