大規模な再開発にともない、しばらくこの地を離れていた大人たちから再びの注目を集める街・渋谷。だけど、いざ来てみたら食事処に迷ってしまうというケースもしばしば。そんな、“シブヤお久しぶり組”の迷える大人たちのため、「食べログ グルメ著名人」で渋谷区初のCEO(Chief Eat Officer)を務める小宮山雄飛さんに渋谷の新&定番グルメスポットを両方教えてもらっちゃおう! というこの連載。
[定番]編14回目となる今回は、「スーツァン・レストラン陳 渋谷店」をご案内します。
【大人の渋谷メシ・定番編】第14回「スーツァン・レストラン陳 渋谷店」
たまにはちょっと贅沢して優雅なランチを楽しみたい、というときにおすすめなのが「スーツァン・レストラン陳」。ディナーは3万円超えのコースまである高級店ですが、ランチならそこまで奮発せずとも名店の味を楽しめます。
場所は、渋谷でもトップクラスのホテル「セルリアンタワー東急ホテル」の2階。
ゆったりとした店内は席の間隔が広く、アクリル板も完備され、感染症対策もばっちりです。
店頭には「The Tabelog Award 2020 Bronze」と「食べログ 中国料理 TOKYO 百名店」の盾が! 名店の証です。
数々のコンクールで受賞歴のある井上和豊シェフが料理長を務め、伝統の味に日々アップデートを加えているのが最大の魅力。
“ホテルの中華”の安定感と、ジャンルやスタイルにとらわれない攻めた味の両方が楽しめるのもうれしいところ。「サービスランチ」1,815円は常時3種類が月替わりで用意されているので、日々通っても飽きることがありません。
この日のランチの一つは「牛肉とレタスの黒胡椒チャーハン」。見ただけでおいしさが伝わってくる、見事な炒め加減!
とにかく、お米が輝いているんです! しかも、油をたっぷり使ってテカテカしているのではなく、お米自体の輝きと言いますか、一粒一粒が立っているのが分かります。
口の中でホロホロッと崩れる、見事なパラパラ感ですが、同時にお米のしっとり感も残っている、絶妙な炒め具合。
「せっかくの高級中華ランチなのにチャーハン?」と思う人もいるかもしれませんが、一般的なチャーハンのイメージを軽く超えていく一皿です!
さらに付いてくる醤油味のスープがまだ絶品。だしからしっかりとった中華スープは、これだけで一品料理として成立しているレベル。シンプルなメニューだからこそ、シェフの技術がしっかり感じられる最高の組み合わせです。
続いて、同じくサービスランチのメニューから「陳」のシグネチャーとも言える「麻婆豆腐」。
いかにも辛そうな色で、ご飯に合うこと間違いなし!
ということで、さっそくご飯にのせて麻婆丼状態にすると、ひき肉などの具材がたっぷりなのが分かります。
レンゲですくって、ご飯と一緒に食べると、まずは辛さよりも力強い肉の旨味がしっかり伝わってきます。その後、さまざまな香辛料の香りと唐辛子の辛さが現れ、最後には山椒の爽やかさが駆け抜ける、この味のグラデーションが完璧なのです。
最近はいわゆる「カラシビ」ばかり強調されがちな麻婆豆腐ですが、名店の味は辛さと痺れ以外の塩味・旨味・甘味など、味のバランスが絶妙で最後まで食べ飽きることがありません。
最後は夜の名物メニューですが、昼に一品料理として注文する人も多い、常識を覆す青椒肉絲を。
これが、想像のはるか上を行くおいしさの「和牛サーロインの真空仕立てのチンジャオロース」6,171円。低温調理でギリギリの熱入れをしたサーロイン肉の上に、炒めたピーマンをのせた一品。 頂上に金箔が降りかかった姿は、もはや芸術品のようです。
店員さんによく混ぜてもらいます。お肉の断面を見ればユッケのような見事なレア加減が分かります。
そして完成! これぞ究極の青椒肉絲。トロトロの牛サーロイン肉と、こちらも火入れが絶妙なピーマンが、旨味たっぷりのソースに絡んで、これはもう説明不可能なレベルのおいしさ。
一生に一度は食べたい、みんなが知っている定番メニューの最新のアップデート版がこちらです。新旧グルメが揃う渋谷の街のように、伝統の味と最先端の味が両立する「スーツァン・レストラン陳」のハイブリッドな一品を、みなさんもぜひ体験してみてください。
さらに、名物の「麻婆豆腐」の素はレトルトでも店頭販売中。
添付の説明書にあるQRコードを読み込むと、なんと動画で作り方を見ることができます! こんな所にも新しい技術を取り入れてアップデートを続ける「スーツァン・レストラン陳」、これからの進化もまた期待の名店です。
※価格はすべて税込