丸のまま串打ちするハツが秀逸

2品目に「雲丹ムネ」がきて、3品目に登場するのが「丸ハツ(塩)」。ハツといえば開いて串打ちする店も多いが、同店ではプリッとした食感を生かすため、丸のまま串に刺しているので独自のおいしさを楽しめる。この後は、「お口の恋人」と名づけた、刻んだ柴漬けを加えた鬼おろしが口直しに出て、さらにごりごりの食感の焼鳥 「ひざなんこつ」へ続く。

「丸ハツ(塩)」。ハツは開かずに丸のまま串打ちしているので、独特の食感を味わえる。

味も食感も、“1本で2度おいしい”

焼鳥の中でも店独自の魅力を打ち出しやすいのが“つくね”で、同店の「つくね(塩・たれ・たれ)」が、まさにそう。その商品名を耳にするや、「塩なのか、たれなのか、はっきりしろ!」と思わず突っ込みたくなる。実は、このつくね。商品名のとおり、1口目が“塩”で、2口目と3口目が“たれ”という、1本で2度おいしい何とも贅沢な焼鳥なのだ。

つくねは、モモ肉とヤゲン軟骨の挽き肉に木綿豆腐、トロロを加え、生姜と醤油をプラスして丸く形を整え、ボイルしておく。香ばしく焼き上げ、表面はカリッと、中はふっくらした状態に仕上げる。食感の面でも、“1本で2度おいしい”。何とも欲張りな焼鳥だ。店側ではこのつくねを「自称日本一やわらかいつくね!」とアピールしている。

「つくね(塩・たれ・たれ)」は、ある程度焼いて先端のものを外し、たれ焼きにする。そして、外したつくねを串に戻し、塩をふって軽く焼き上げる。