「基本コース」にお好みでアラカルトを追加

同店ではまず「基本コース」4,800円を頼み、他にも食べたいものがあれば、そこにアラカルトで焼鳥や一品料理を追加していくスタイルである。「基本コース」は焼鳥を中心に13種の料理で組み立てられ、これだけでも十分に満足できる内容だ。だが、入店までのハードルが高い分、いろいろ追加して楽しむ客が多いという。特に追加の焼鳥は限定品ばかりなので、早いもの勝ち。

焼鳥は、世界最高峰とも謳われる紀州備長炭のほどよい遠赤で焼き上げている。焼き台に並べた焼鳥の脂がポタリと備長炭に落ち、そこから立ち上る煙が串を包んで、まるで燻したかのような香りのよい焼鳥が完成する。何と驚きなのが、同店では備長炭を最高の“調味料”と考え、その香りを焼鳥にまとわせるために、すぐに提供する焼鳥とは別に、香りづけ用にわざわざ良質な脂が出る“首皮”を必ず一緒に焼くこだわりよう。「このこだわりは日本のどこを探してもない」と同店では自認している。

香りづけ用に、脂の多い“首皮”の焼鳥も一緒に焼く。

1本、また1本と期待感が高まっていく

焼鳥以外の鶏料理も含め、同店ではこだわりの大山鶏を使用する。コースは、まず「ももねぎ(塩)」からスタート。 いわゆる“ねぎま”だが、同店で一番自信のある焼鳥のため、あえて「ももねぎ」と命名し、差別化を図っている。火が入りすぎない絶妙なタイミングで焼き台からおろすので、ふっくら、ジューシーなおいしさを堪能できる。

「ももねぎ(塩)」のように、商品名の後に「塩」と付くのはすべて塩焼きで、4種のブレンド塩をかけて香ばしく焼き、最後に藻塩をかけて風味よく仕上げている。焼鳥は、すし店のゲタのような品のある木の台に、熱々のものを1本ずつ提供。1本、また1本と焼きたての焼鳥が登場するたびに、客の期待感も高まっていく。

コースの1品目は「ももねぎ(塩)」。同店一番のおすすめの焼鳥だ。