〈2020 食通が惚れた店〉

新型コロナウイルスの流行により、飲食店にとっては大きな危機を迎えた2020年。でも、外食シーンの火は消えない! こんなときこそ、おいしいものを食べて元気になり、飲食店を応援したいものです。

そこで、グルメ情報を熟知した有識者に、2020年に惚れ込んだお店や料理についてアンケートを実施。「最も印象に残った店」「2,000円以下のお手軽グルメ」「おすすめお取り寄せ」をうかがいました。

今回は、食べロググルメ著名人の柏原光太郎さんにお答えいただきます。

教えてくれる人

柏原光太郎
日本ガストロノミー協会会長。大学卒業後、出版社に勤務し、グルメ本を手がけたことで食の奥深さに目覚める。料理は作ることも食べることも大好きで、中学生の娘の毎日の弁当と朝ごはん、週末の家ごはんを作っている。料理好きのための食の発信基地としての役割を担うべく2017年12月社団法人「日本ガストロノミー協会」を設立。「文春マルシェ」のチーフディレクターも担う。

今年のベストレストラン

Q. 2020年、最も印象に残った飲食店を教えてください

A. 「車力門 おの澤」です

新型コロナによる打撃が一番厳しい5月にオープンした日本料理店。この状況のなかでも、実力あるシェフの料理を正当な価格で出し続けることで今や予約の取れない店となった。〆のそばが秀逸。

せいろそば 撮影:松村宇洋

アンダー2,000円のお手軽グルメ

Q. 今年食べた〈2,000円以内の感動の味〉を教えてください

A. 「TRIPPERIA IL MACAONE」の「ランプレドットのスープ煮」(税抜1,400円)です

ランプレドットとは、フィレンツェのモツ煮のこと。洋風のモツ煮込みというとトマト味が多いが、ランプレドットは香味野菜と水、白ワインで煮込んでいるので、モツの味がダイレクトに伝わる。深夜にこの値段で食べられるから、ワインと一緒につい頼みたくなり、帰宅前に寄ってしまう中毒性のある食べ物。  

ランプレドットのスープ煮 撮影:柏原光太郎

2020年のお取り寄せ

Q. 今年出会った、人におすすめしたいお取り寄せを教えてください

A. 「つきじ治作」の水炊きです

都内で最も広い料亭の名物料理で、ひとりしかいない「水炊き番」がつきっきりで作る、門外不出のレシピのスープを使った水炊きがお取り寄せになった。そのスープがことのほかうまく、最後の雑炊もすばらしい。

水炊き 写真:お店から

※アンケート内容と「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。
※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。
※外出される際は、感染症対策の実施と人混みの多い場所は避けるなど、十分にご留意ください。

文:柏原光太郎・食べログマガジン編集部