日本1号店が恵比寿にオープン!ニューヨーク発の人気カフェ CAFE GITANE(カフェ・ジタン)

ニューヨークのノリータ(North of Little Italy)にある「カフェ・ジタン」はただのカフェではない。レストランでもない。「カフェ・ジタン」は文化である。その場に集う人々がそこで化学反応を起こし、何かを生み出し、そしてそれが世界の潮流になっていく。

そのときどきの旬を纏ったひとたちが、そんな瞬間の人間に特有の圧倒的なオーラと目をみはるほどの幸運を相棒に、「カフェ・ジタン」から世界を相手に飛び出していく。「カフェ・ジタン」はそういう場所だ。そして2017年8月1日、日本初の1号店がここ恵比寿に上陸した。

NY本店のオーナー Mr.Luc Levy インタビュー

そもそも「カフェ・ジタン」のオーナーがそういう人間なのであるから、オーナーのすべてが詰まったカフェそれ自体が文化になるのは、至極当然のような気もしてくる。

ルーツは記憶の中に

「カフェ・ジタン」オーナーであるモロッコ系移民のリュック・レヴィ(Luc Levy)は、1978年のある晩、ニューヨークの伝説的なクラブ「スタジオ54」(後に映画化もされた)のバーにいた。

 

 

「スタジオ54」はその当時まさに世界の中心で、時代の寵児であるマイケル・ジャクソンやアンディー・ウォーホル、ミック・ジャガーやエルトン・ジョン、そしてダイアナ・ロスが集い、スティーヴィー・ワンダーがライブを行い、まだ学生だったマーク・ジェイコブスが背伸びをして通っていた場所である。しかも共同オーナーであるスティーブ・ルベル(Steve Rubell)が入場客を選んでいたというのだから、恐ろしい話だ。

ともかく、リュックはそこでいつものようにお酒を飲んでいた。するとオーナーのオリビエ・コックリン(Olivier Coquelin)から突然、この「スタジオ54」のドアマンにならないかと言われる。

 

 

彼のカフェ・ジタンのオーナーへの道は、この瞬間から始まっていた。ドアマンになってからは毎晩、 NYのエネルギー溢れるディープなナイトライフを目の当たりにしてきた。そこで見たもの、聴いたもの、感じたもの、全てが今の彼を形作っている。

発展途上の街と共に成長するカフェ

ノリータ地区を含むソーホーエリアは、現在は、ラグジュアリーブランドの路面店や個性的なセレクトショップが集中するファッションエリアだが、以前は寂れた倉庫街だった。その時代である1993年からリュック氏はこの土地に店を構え、街と共に変貌を遂げて来た歴史がある。

大切な人が集まる場所

当初、カフェ・ジタンがNYでスタートした頃は、現在のセレブなどが利用する「スタイリッシュなカフェ」というよりは、地元の人がデイリーで利用する「気軽な街のカフェ」だった。気の置けない家族や友人、恋人など様々な「大切な人との憩いの場」としてカフェ・ジタンは利用され、愛されてきた。

「私自身、カフェ・ジタンを通じて出会った人は、家族のような存在であり、お店はもう一つのホームでもあります。だからこそ、大切な人同士が自宅に招き合うような感覚で、カフェ・ジタンに集まってくる。今回出店した日本のカフェ ・ジタンもそういった、“大切な人同士が集う場”となってくれたら光栄です」。そう笑顔で語るリュック氏。

 

表面的なオシャレさやカッコよさだけではなく、心からホッとできる温かい雰囲気に包まれた空間。それがカフェ・ジタンが醸し出す唯一無二の優しい香りや活気となって、人々の心を引きつけていくのだろう。

変わらないことが新しいこと

流行に敏感なニューヨーカーたちからも20年以上変わらず愛され続ける所以。それは、“変わらないことが新しいこと”という歴史と文化をリスペクトする、ニューヨークならではの価値観とマッチしているからかもしれない。

しなやかに変化しつつも、ジタンらしく

そして、日本初出店の場所として「恵比寿」を選んだ理由もそこにあると彼は言う。次々と新しいものが生み出され、流行となり、それが文化となっていく……そんなエネルギッシュかつユニークな街「恵比寿」。この場所でも「カフェ・ジタン」は、街の進化や流行に寄り添いつつ、変わらない独自のスタイルを築いていくことだろう。

エキゾ・フォトジェニックなフード

東京・恵比寿で味わえるカフェ・ジタンのメニューをチェック!

カフェでありながら、フレンチをエキゾチックにアレンジした“モロッカンフレンチ”と呼ばれる美しい料理は、テーブルの上に並べるだけでフォトジェニック。

なかでも人気の「アボカドトースト 1,100円」は、鮮やかなアボカドのグリーンに、トッピングでのせたチリパウダーの赤が効いたインパクトのある一品。他にも「チキンと野菜の全粒粉のクスクス 1,400円」や「ヘルシーベジタブルバーガー 1,500円」など、NY本場の味が日本でも楽しめる。

タジン鍋を開けた瞬間のビビットカラーが印象的な「グラスフェッドビーフのモロッカンミートボール ポーチドエッグ添え 2,200円」もオススメ。放牧牛のミートボールに、スープにはクミンとコリアンダーを使用し、モロッコ風味に仕上げた一品だ。

以上、オーナーのリュック氏のインタビューを交えながら注目の新店「カフェ・ジタン」をご紹介した。まだ行ったことのない方は、一度足を運んでみてはいかがだろうか?

写真:島津 明