【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレー#98】「curry but curry」
東急池上線と東急大井町線が交差する旗の台駅。近隣に商店街も多く、五反田や蒲田、大井町や溝の口などへのアクセスも良いことから住みやすいと人気の街です。こちらに2019年12月にオープンしたカレーのお店があります。その名も「curry but curry(カリバカリー)」。
カレーしかしカレー。一体どういうことなのでしょう。お店の公式Instagramを見てみると「spice curry & sharing culture」と書いてあります。一体どういうことなのでしょう。気になったら行くのみ! というわけで行ってきたのですが、本当に素敵なお店だったので今週のカレーでご紹介せねばと思った次第です。
2階建てのお店は1階がカウンター、2階がテーブル席。若くておしゃれな雰囲気の3人の男性がお店を切り盛りしています。レギュラーメニューは「マトンキーマカレー」と「バターチキンカレー」。この日はスペシャルメニューとして「ポークカレー」もあり、それぞれあいがけも可能ということだったので、「マトンキーマとポークのあいがけ」1,200円をオーダーしました。
マトンは挽肉でありながらも肉の繊維質も感じるほぐしキーマ的な舌触り。肉の旨味と野菜の風味がスパイスと合わさり、渾然一体となって溶け合わさり、ひとつのおいしいカレーになったものとでも言いましょうか。
ポークは薄切りの豚肉と野菜を合わせた、日本のカレーの進化系的なもの。柔らかみのあるおいしさで、スパイスの尖った部分が苦手な方でももりもりと食べられそうなカレーです。
逆にスパイシーなものが好きな人の為には辛味調節ができます。スパイスオイルと、唐辛子をジンでつけたものの2種類があり、スパイスオイルは辛さのみならず香りも追加されてグっとスパイス感が上がります。
そして唐辛子ジン、これが面白かった。沖縄料理に使うコーレーグースのような味わいなのです。コーレーグースは島唐辛子を泡盛で漬けたものですが、それのジンバージョン的なもので、ポークカレーとの相性がドンピシャ。辛さのみならずおいしさのレベルも上がりました。
夢中になって食べつくしてしまい、もうちょっと何か欲しいけど流石にもう一皿というわけにも……と考えながら店内を見ていると、「ちょい飲みセット」1,000円と書かれた貼り紙を発見。スパイシーポテサラ、ショウガ唐揚げスイートチリソース、野菜のピクルスのおつまみ三点盛りに選べるドリンクがついたセットです。通常はディナーメニューなのですが、ダメ元で聞いてみると快く作ってくれました。
ドリンクはレモンサワーを選んだのですが、これが大当たり! レモンの果肉を漬け込んでシロップにし、レモンの皮を別でお酒に漬けて合わせたという自家製の手の込んだものでした。しっかりした酸味とほのかな苦味のバランス感が絶妙で、何杯も飲めてしまうようなレモンサワーです。
おつまみもそれぞれおいしいんですよ。特にショウガ唐揚げスイートチリソースが気に入りました。揚げ具合が良い感じでスイートチリソースによってエスニックな雰囲気が出て、レモンサワーと絶妙なペアリングになっていました。これが1,000円なのは非常にお得ですし、他のおつまみメニューもお酒もきっとおいしいだろうなと思える組み合わせに満足。
店員さんにお話を聞いてみると、3人は幼馴染だったり同じ職場で働いていたという仲間同士。それぞれ現役ミュージシャン、ファッション業界出身、そして飲食系に携わってきた方という、それぞれ違う文化背景を持つ方々が、カレーで手を取り合ったというわけです。カレーは本当に人を繋ぐ食べ物だなと常々感じているのですが、こちらのお店もまさにそれ。
そしてさらにこちらのお店は、2階スペースでライブをやることもあるそうです。他にも展示会だったり鑑賞会だったり、食べるだけではなく、様々な使い方をしてもらえる場所にしたいと語ってくれました。だからこその「spice curry & sharing culture」というわけですね。謎が解けました。
ヘルシーでおいしいカレー。そして3人とも本当に素敵な接客で雰囲気の良いお店。地元の方ともフレンドリーに会話されていて、開店してそれほどたっていないにもかかわらず既に地域に根差したお店になりつつあるのを感じました。素敵だなぁ。おいしかったなぁ。そう思いながら会計。お店を後にしたのですが、そういえば店名の由来を聞くのを忘れていました……それはまた飲みにでも行って聞くとしましょう。と、通いたくなるような素敵なお店なのでした。
※価格はすべて税込