〈食通の昼メシ〉

日々新しいトレンドが生まれるグルメ業界。流行りのメニューを試すのも楽しいが、毎日食べたいのは昔ながらの定番メニューだったりする。業界きっての美食家「食べログ グルメ著名人」の6名に、毎月、一番好きな定番昼メニューの名店を教えてもらう連載。今日のランチはこれで決まり!

教えてくれる人


川井 潤
料理の鉄人ブレーン(1993年~99年)。(株)博報堂DYメディアパートナーズを退職後、現在は食品メーカー、新聞社、IT関連企業、テレビ制作会社等のアドバイザーを務める。ここ数年は、地域や食のため、料理人の地位向上のために、日本中のみならず海外にも赴き活動している。

今月のメニュー:「そば」

気がつけば12月。年の瀬になると、今年はどこのそばで1年を締めくくろうかと思いを巡らす。毎年決まった店のそばを手繰るような大人に憧れつつ、ついついもっとおいしいそばがあるんじゃないかと浮気してしまう。大晦日に自宅で食べるそばも旨いが、やはり店で食べる「三たて」には敵わない。だから12月の後半くらいから、ちょいちょい気になるそば屋を訪ねてはフライング年越しそばで一献というのが正解かもしれない。

川井 潤、昼に最高の「そば」

「仁べえ荘」のもりそば 1,000円(税込)

rotton
写真は大盛り   出典:rottonさん

東京の小料理屋さんで2回ミシュランの星を取ったそば打ち名人の石井仁さんが作る加水率の高い(50〜60%程度)麺を「水腰そば」と石井さんご本人がネーミング。その麺は細くて繊細、喉越し良く、腰のある矛盾する概念を成立させているおそば。これがやや辛めのそばツユと出会うとさらに絶品となっていく。

 

茨城まで行けない人はお弟子さんの西田恭子さんがそばを打つ「やっ古」(学芸大)でもほぼ同じおそばが食べられる。

※「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額を掲載しております。最新の情報はお店の方にご確認ください。

「そば」のココが重要

一番好きな具

小海老入りかき揚げ
何も具は入れずそばを楽しむことが多いが、食べるときはできれば、冷たいそばに冷たいツユもしくは温かいツユの中に熱々の小海老入りかき揚げをジュっと音のする感じで入れて食べるのが好き。

こだわりの食べ方

ツユは辛めが好み。なので結果として江戸っ子の食べ方に近いちょっと付けて食べる食べ方となる。決して粋な人を目指している訳でなく、付けすぎたら辛くて食べられないので。

 

文:川井 潤・食べログマガジン編集部