還暦の親方による最高の町寿司と、麻布十番のカジュアル寿司

“お好み”でこそ真価を発揮する町寿司

12月9日、月島に「すし春」が暖簾を掲げました。長く「寿司田」で腕を振るってきた斎藤親方が、60歳にして独立開業。思わず“最高の町寿司”と言いたくなる一軒です。

1万円からのコースもありますが、ほとんどのお客さんはお好みで、自分のペースで飲んでつまんでいました。まぐろは気鋭の仲卸・結乃花からですが、親方とは長い付き合いだとか。開店は午後3時。随分早いと思ったら、場所柄、豊洲帰りの職人、ご近所の年配客、ゴルフ帰りの人など需要が多いようです。ガラスケースに寿司種が並ぶ懐かしい光景、酒を進ませる肴、安定感のある握りにベテランの矜持がにじみます。席はカウンター7席と2階個室。“おまかせ”より、お好みでこそ真価が出る店です。

赤身

SNSでも人気の寿司居酒屋

12月10日、麻布十番に「日本橋 すし処 二ノ宮 麻布十番店」が開店しました。上野で人気の“お好み寿司”の姉妹店で、同じフロアには少し高級路線の「麻布十番 鮨 天万」も同時オープン。

カウンター8席に加え、掘りごたつ式の座敷32席を備え、昨今出店が目立つ“寿司居酒屋”業態で、お好み1貫80円から楽しめます。日本酒は紀土など有名銘柄もあり、全て1合980円。海苔やガリといった“脇役”のクオリティが高いのも好印象でした。麻布十番では昨年「築地すし好匠」「鮨 酒 肴 杉玉」もオープンして盛況なので、カジュアル寿司人気はまだ続きそうです。

お好み握り

広尾と新橋に誕生した気鋭の焼鳥店

“東京で勝負したい”という主人の思い

1月15日、広尾に「焼鳥 空」が誕生しました。元「肉匠堀越」の物件を全面改装し、カウンター奥にはまるで舞台のような焼き台が据えられ、ご主人・須﨑淳吏さんの所作が浮かび上がる設えです。この店をプロデュースするのは「薪鳥 新神戸」「鈴田式」など、予約の取れない高級店を次々生み出す末富信さん。名古屋で「焼鳥 空」と出会い感銘を受け、須﨑さんの“東京で勝負したい”という思いと共鳴してのオープンだといいます。

扱う鳥は稲垣種鶏場の名古屋コーチン・雌のみ。独自のカットと刺しで供される串は大ぶりで火入れも素晴らしく、弾力があり、噛むほどにうまみが広がります。締めは末富系列ではおなじみの味変ご飯、食後は焼鳥では珍しいティラミス。器の美しさ、ホスピタリティの高さも相まって、ファインダイニングとしての満足度が非常に高い一軒です。

つくね

目利きが選ぶ、最高の鶏

12月15日、新橋には「鳥おろし 天鳥」がオープンしました。明治10年創業の老舗鶏肉・鶏卵問屋「加賀屋」によるストップ制の一軒で、焼鳥の名店などで修業後「もっと鶏を知りたい」と加賀屋に飛び込んだ坂元あきひろさんが、ついに形にした店でもあります。

問屋が仕入れる中から“最高の鶏”を自ら選び抜き、店で供する——その理想を叶えられるのは、仕入れと目利きの腕を磨いたからこそ。主に使うのは新鮮な比内地鶏と青森シャモロック。大ぶりな焼鳥はしっかり火入れしながらもジューシーで、一本ごとに細かな工夫があり飽きさせません。長ナス、椎茸、ネギなど野菜も美味。締めの鶏そぼろ丼は鶏出汁をかけてお茶漬けにもでき、最後まで充実の焼鳥店です。

手羽先

若者向けと大人向け、人気店の姉妹店が恵比寿と西麻布に

「繁邦」の姉妹店は、より気軽な雰囲気

12月20日、恵比寿にイタリアン「akao」がオープンしました。同エリアの人気店「繁邦」の姉妹店で、朝昼はカフェとして営業。

Kabi」「RODEO」「PATH」「CHOWCHOW」「リベルタン」など人気店出身の若いスタッフが生む活気が心地よく、訪れた日は繁邦の青木虎太郎オーナーも厨房に立っていました。料理はアラカルト、ワインはナチュラル。オープンキッチンのカウンターとテーブルで構成された店内はほどよいカジュアルさで、30代前後のお客さんが思い思いに楽しんでいました。繁邦のよさを受け継ぎつつ、より気軽に利用できる空間で、満席が続きそうです。

メヒカリのフリット青唐辛子のタルタル

「akao」の紹介動画はこちら!
https://www.instagram.com/p/DTxB6F7kdhF/

遊び心あふれる、ネオイタリアン

12月18日、西麻布にはイタリアン「トレモラーレ」がオープンです。白金台「TATSUMI」の姉妹店で、こちらも料理はアラカルトのみ。渡辺辰実オーナーシェフが目指したのは創作ではなく、“イタリアンの解釈で純粋においしさを追求する”というネオイタリアンです。

メニュー名は「手羽先餃子 小悪魔風」「ミラノ風ドリア サ〇ゼ」など遊び心満点。興味をひかれてオーダーした「伝統 明太子のスパゲッティー」は、シェフが「カゲロウプリュス」時代に最も試作を重ねたという自信作で、パスタと明太子の絡みが見事でした。高い天井にカウンター、テーブル、個室が揃い、まさに大人の隠れ家として重宝されそうです。

伝統 明太子のスパゲッティー