【食を制す者、ビジネスを制す】
名古屋出張の際にはこれを食べよう!
トヨタ社員も通う名店とは
トヨタ自動車と言えば、日本の自動車メーカーの中でトップ企業であると同時に日本最大の売上高を誇る企業でもある。売上高は約28兆円、最終利益は2兆円にも達する。
そもそも自動車は一般消費者向けの商品のなかでも、高額な商品のうちのひとつに入るものだ。売上高は1台数百万円×数万台の積み重ねだから、売上高は家電メーカーなどを引き離して、メーカー全体のなかでもトップクラスとなる。
一見、重厚長大産業の日立製作所(約9兆円)や三菱重工(約4兆円)などが売上高のトップに挙がってきそうだが、じつはそうでもない。ちなみにトヨタに次ぐ第2位の企業はホンダで売上高は約14兆円。それでもトヨタとは売上高で2倍の差があることを考えれば、トヨタの飛び抜けた巨大さがわかるというものだろう。
しかも、1台の自動車にはさまざまな技術が集約されている。それに関わる企業、人数も膨大だ。もともと自動車産業は、すそ野が広い産業であり、部品、化学、鉄鋼などのメーカーから、石油、商社、広告、金融、保険、ディーラーまでさまざまな企業が関わる日本の基幹産業の1つだ。だからこそ、トヨタが風邪をひけば、日本経済も風邪をひくと言われるほど、その影響力には計り知れないものがある。
ピリ辛がクセになる「味仙」の台湾ラーメン
その意味で、ビジネスパーソンであれば、一度はトヨタのおひざ元である名古屋に出張したことがある人も少なくないだろう。
トヨタの本社は豊田市にあるが、名古屋市内にもトヨタの拠点が多数ある。グループ企業も合わせれば、その数は膨大だ。皆さんも知らず知らずのうちに何らかのかたちでトヨタにつながるような仕事をしたことがあるのではないだろうか。
東京から名古屋まで新幹線で約90分。出張では日帰りできる距離だけあって、名古屋市内を見物する暇もなく、出張先からとんぼ帰りすることも多いだろう。
そんなとき、せっかく名古屋に来たのだからと、新幹線上りホームの名物きしめん店「住よし JR名古屋駅・新幹線上りホーム店」で、立ち食いできしめんを食べて帰る人も多い。
ただ、名古屋の人によっては、「きしめんは年に1回食べるかどうか」というから、何度も出張で食べていると、ときには違うものが食べたくなってくる。
そんなときは、同じ名古屋駅構内にある「味仙(みせん)」の台湾ラーメンをお薦めしたい。ひき肉とニラと、たっぷりの唐辛子が入ったピリ辛ラーメンは、辛いがクセになる味だ。台湾ラーメンは名古屋名物としてここ数年で東京でも有名になったもので、店内は結構混んでいるから、並ぶ可能性もある。
だが、もっと時間のあるときは、この味仙の本店に行ってほしい。10年くらい前に名古屋の人に教えてもらってから、ときどき食べにいくようになった。「味仙 今池本店」は会館のような建物で、店内も広い。「餃子の王将」に近い雰囲気で、シジミ炒めなどつまみも充実している。深夜2時まで営業しているので、泊まりの場合はお酒でも飲んだ後に、地元の人の中に混ざって食べていると、なんだか楽しくなってくる。
ちょっと贅沢するなら「宮鍵」の味噌すき
出張は意外と楽しいものだ。仕事が終わった後、会社に連絡するにせよ、知らない土地で空いた時間を目的もなく過ごすのは、何だか楽しい。ときには、繁華街を歩いていると、その雰囲気に飲まれてしまって、ちょっとだけ贅沢をしてみようという気分にもなってくる。
そんなとき寄ってほしいのは、名古屋駅から歩いて約15分。名古屋市中村区の納屋橋近くにある、かしわ・うなぎ料理の名店「宮鍵(みやかぎ)」だ。こちらでは、鍋料理の「鶏の味噌すき」を食べてみてほしい。値段は意外とリーズナブルで、鶏と八丁味噌と名古屋名物を一度に楽しむことができる。
店内は落ち着きのある昔ながらの和風の雰囲気で、冷えた瓶ビールを飲みながら、鍋が煮立つのを待って、一気に口に運ぶと本当に幸福な気分になる。鍋料理でなくとも、鰻料理もあるし、もっと気軽に焼き鳥や親子丼もメニューにあるから、一人でも楽しめる。
こちらの店はトヨタ関係者に教わったのだが、さすがトヨタの人はおいしい店を知っていると思ったものだ。ちなみに作家の池波正太郎も名古屋来訪の折りに足を運んだと言われる。名古屋出張の際は、ぜひ寄ってみてほしい。