〈2024 食通が惚れた店〉

みんなが再び日常的に外食を楽しめるようになった2024年。インバウンドの盛り上がりもあり、飲食業界も新しいチャレンジに目を向けた一年だったのではないでしょうか。

そんな2024年に、グルメ情報を熟知した有識者が惚れ込んだお店や料理についてアンケートを実施。「最も印象に残った店」「3,000円以下のお手軽グルメ」「おすすめのお取り寄せ」をうかがいました。

今回は、年間100店以上の焼肉店に通う焼肉作家、小関尚紀さんにお答えいただきます。

教えてくれる人

小関尚紀
焼肉作家。通称:YAKINIQ。お肉博士1級。MBA(経営学修士)。焼肉店には年間100店舗以上通い、焼き方を研究している。海外渡航60カ国。 焼肉好き伝説の番組 BS朝日『美女と焼肉』(2022年3月終了)の初期レギュラー。著書に『焼肉の達人』(ダイヤモンド社)、『世界一わかりやすい「ゲーム理論」の教科書』(KADOKAWA)、『「即判断」する人は、なぜ成功するのか?』(サンマーク出版)。

2024年のベストレストラン

Q. 2024年、最も印象に残った店とイチ押しのメニューを教えてください

A. 「ロース松葉」の「万葉牛五種盛り」「卵黄醤油麹」「ご飯」です

はらぺっこりん
万葉牛の盛り合わせ   出典:はらぺっこりんさん

鳥取県の希少銘柄牛「鳥取いなば万葉牛」都内唯一の専門店にして、その万葉牛をおいしく仕上げる白飯泥棒たちに脱帽です。お店に派手さはないですが、なんといっても万葉牛の中でもサシが細かく、脂質の口当たりが良い、雌牛のみを仕入れるこだわりようです。肉本来のおいしさはもちろん、ぜひ、上質なバターのようにゆっくり溶け出す脂質のキレの良さ、軽さを味わってください。さらに「卵黄醤油麹」を付けると、発酵による旨みとしっとり感、卵黄によるまろやかさも加わり、夢中になって白飯を無限にかっこんでしまうでしょう。特に「ハネシタ」×「卵黄醤油麹」がおすすめです。
万葉牛の中でも、さらに特定生産者しか生産していない“純血但馬血統万葉牛”の仕入れがある場合は即オーダーしたい! また、“純血但馬血統万葉牛”のホルモンがある場合も然り、即オーダーです。

「卵黄醤油麹」を付けるとさらにご飯もすすむ 撮影:ジェイムス・オザワ

アンダー3,000円のお手軽グルメ

Q. 2024年に食べた〈3,000円以内の感動の味〉を教えてください

A. 「ホルモン コウ」の「テールだしのお粥」1,078円です

優しい味のお粥 撮影:ジェイムス・オザワ

焼肉店の〆メニューでは珍しいお粥。私は毎回食べています。牛骨とテールを組み合わせた出汁は、ゼラチン質が溶け出した優しい味。テールを5時間炊き、ほろほろに解けたテール肉も投入されることで、出汁の優しさと肉の旨みも味わうことができます。お粥のラストに向けて付属の韓国のりとごま油を数滴加えれば、風味も増してスプーンが止まりません。〆にテール出汁のお粥を頼んだはずが、胃がゆっくりとあたたまり食欲が増し、再びオーダーしたこともあります(笑)。

2024年のお取り寄せ

Q. 2024年に出会った、人におすすめしたいお取り寄せを教えてください

A. 「ゆうき農園」の「八尾えだまめ」です

販売期間はだいたい6〜8月 写真:お店から

大阪府八尾市は全国的にはまだまだ知名度は低いですが、隠れた枝豆の産地です。茶豆ではなく青豆系統ですが、大粒で甘みがあります。その中でも名人と言われる結城拓也さんが代表を務める「ゆうき農園」の「八尾えだまめ」はぷっくり大粒で完熟の甘さ、しかも粒の大きさもそろっています。ゆうき農園の八尾えだまめは堆肥研究に余念がなく、良い土を作りあげ、完熟ギリギリまで出荷を待つそう。出荷時期は6~8月ですが、初夏を告げる風物詩として毎回オーダーしています。枝豆作りに余念のない名人が作り上げる「八尾えだまめ」。シンプルに旨い!

購入方法:安心堂にて

※価格は税込です。
※アンケート内容と「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。

文:小関尚紀、食べログマガジン編集部