〈芸人ごはん〉

おいしいごはんは、芸の糧。下積み時代の支えとなったあの味、ハレの日に奮発した贅沢メニュー、先輩に連れられ後輩を連れて行ったお店……。人気芸人が教えてくれた、“ここぞ”というお店を思い出とともに紹介。

第2回 ガレッジセール

ガレッジセールといえば“沖縄”。ということで、今回の取材場所は行きつけの沖縄料理店。来るとつい頼んでしまうという、大好物メニューもオーダーしてもらいました。食スタイルはまったく違うけど、「お酒が大好き!」な二人の、“でーじ”おいしい芸人ごはんをご紹介!

食スタイルの違う“酒好き”。そんな二人のグルメ嗜好を拝見

ゴリさんは短期集中派、川田さんは持久戦派。酒飲みスタイルは異なれど、「好きなものを食べながら、おいしいお酒をたくさん飲みたい!」という気持ちは一緒。

夜ごはんとお酒を楽しむため、健康生活を継続中!(ゴリさん)

 

食べログマガジン編集部

ゴリさんにとって、おいしいお酒を飲むための最高のシチュエーションとは?

 

ゴリさん

人生の楽しみは酒(笑)。飲まない日はありません。だからこそ、おいしいお酒を飲むために健康には気をつけています。朝はトマトジュースとプレーンヨーグルト250gだけ。“医者が食べる朝ごはん”を紹介するテレビ番組を見て得た情報で、4年以上続けています。昼ごはんも豆腐だけなどであっさりとすませる。で、待ちに待った晩酌となるわけです!

 

食べログマガジン編集部

空腹状態になったところに、待ちわびた最初の一杯。たまりませんね!

 

ゴリさん

クーッと体に染み込んでいくのが、もう! 最初は爽快感が欲しいのでビール。そのあとはハイボール、泡盛、フィアローゼズ(バーボン)、最近は日本酒もと、もうなんでもOK。そして夜は、大好きな肉を我慢せずに好きなだけ食べます。夕食はお酒を飲みながらゆっくりとるので、2時間以上かけて楽しみます。食後も、大好きなチーズをツマミに、強めのお酒をちびちび飲んだりして。

 

食べログマガジン編集部

ゴリさんにとって、夕食はとても大切な時間なんですね。

 

ゴリさん

24時間の中でも、幸せが詰まっている2時間ですね。でも僕は、飲むペースが早いので23時には切り上げて、0時前には寝ます。よく食べてよく眠る。これも健康の秘訣です。

僕にとって、お酒は「命の薬=ぬちぐすい(笑)」(川田さん)

 

食べログマガジン編集部

川田さんはどんなお酒が好きですか?

 

川田さん

まずはハイボール。そのあとは泡盛の古酒、芋焼酎とか。この数年はプリン体を取らないようにしているので、ビールも大好きですが控えています。

 

ゴリさん

あ、彼は、痛風持ちです(笑)。

 

川田さん

そうなんですよ(笑)。なので、ビール以外のお酒をちょびちょびとゆっくり楽しんでますね。朝まで飲み続けちゃうから、最後は気がつけば一人になってる。

 

食べログマガジン編集部

ゆっくりたくさん飲むタイプなんですね。ちなみに、食事はどのようなものが好みですか?

 

川田さん

仕事でいろいろな土地に行くので、そこで一番の旬のものを調べるのが好きですね。あとは釣りをするので、特に魚を食べることが多いな。釣った魚を自分で調理して、食べて飲む。この流れも楽しいな。

 

ゴリさん

僕は魚をさばくのが下手ですが、川田は本当に上手なんですよ!

 

川田さん

釣りにハマってからは10年くらいたつかな。今では、家で魚料理を作るときは全部僕がやります。旬によって刺身、塩焼き、煮物などベストな調理法が変わるので、それにあった料理を作ります。子どもからは「パパが作った魚料理が一番おいしい!」と言われていますね(笑)。

 

食べログマガジン編集部

旬の魚をベストな調理法で料理し、それをアテに酒を飲む。最高のひとときですね。

 

川田さん

沖縄に「命の薬」=「ぬちすぐい」という言葉があるんですが、僕にとって酒はまさにそんな存在です。いろいろな幸せを増やしてくれる、なくてはならないものですね。

沖縄と東京で通っている、お気に入りの「沖縄の味」

東京で食べるならココ! 新宿の「海森 1号店」

新宿三丁目にある老舗の沖縄料理店。料理の味ももちろん、お酒大好きな二人の行きつけだけあり、沖縄の地ビールや泡盛など、アルコール類も充実している。

 

食べログマガジン編集部

いい匂いがしてきましたね。これから出る料理は、このお店に来ると必ず頼むメニューなんですか?

 

川田さん

ずるっずるっ(無言でそばをすする)。

 

ゴリさん

お前……、普通に飯食いに来たみたいだぞ!

 

川田さん

いやー。うますぎて(笑)。

 

ゴリさん

ここ「海森 1号店」は、プライベートだけでなく、ライブのポスター撮影、打ち上げなどでも使わせてもらっています。会社(吉本興行 東京本部)から近いので、空き時間があって、ちょっと沖縄料理が食べたいなーと思ったときもすぐ来られる。いろんな意味で使えるお店なんですよね。

互いの定番メニューをオーダー。取材中ですが、出来たてを「いただきます!!」

一皿ペロリといけるクセになる味、「いかすみやきそば」(ゴリさん)

「いかすみやきそば」920円(税込)
 

ゴリさん

イカ墨のうまみが上手に出ているこの焼きそばは、来ると必ず頼みます。口の中に広がるまろやかなコクが、酒にも合うんです!

やさしいダシがたまらない「沖縄そば」(川田さん)

「沖縄そば」760円(税込)
 

川田さん

ここの沖縄そばは昔からよく食べている味を思い出して、ホッとしますね。このままでも十分おいしいのですが、僕は半分くらいまでオリジナルの味を楽しんだ後に、コーレーグス(島唐辛子を泡盛に漬け込んだ沖縄県の調味料)を入れて、味に変化をつけるのが好きです。お酒の後のシメにもいいんですよ。また、この店のソーキは、ラフティー(骨を取った角煮)になっていて食べやすい。ドカンと大きいのに、口に入れると自然にほぐれていくほど柔らかくて、うまいですね〜。

塩加減が最高! 二人の定番「にんじんシリシリ」

「にんじんシリシリ」670円(税込)
 

ゴリさん

二人とも、これ大好きだよな。この店のにんじんシリシリは塩加減が絶妙なんです。にんじんの甘みが引き立ってるんですよ。もちろん、お酒にもぴったり❤️

 

川田さん

スパムの量も、卵の煎り&和え加減もちょうどいい。スパムは店によって多すぎることもあるんですけど、ここはベストバランスです。

沖縄で食べるならココ! 老舗ステーキ店「エメラルド」

tomotomo
「エメラルド特製ジャンボプライムリブステーキ」3,700円(税込)   出典:tomotomoさん
 

食べログマガジン編集部

ふと思い出して食べたくなる、地元の料理はなんですか?

 

ゴリさん

沖縄といえば赤身のステーキ! あちこちのステーキ屋さんを巡りましたが、ここが一番ですね。頼むのは、「エメラルド特製ジャンボプレミアムリブステーキ」450gを、ミディアムレアで。「ワンポンドなんて無理!」と思うでしょ? いやいや、大丈夫(笑)。赤身肉でさっぱりしてるので、女性でもペロっといけますよ。

 

食べログマガジン編集部

お肉が鉄板からはみ出しそうです!

 

川田さん

実は僕、昨日行きました(笑)。たまらないおいしさ!

 

ゴリさん

え〜、マジかよ〜〜! すげー、食べたくなってきた!!

ハレの日に食べたい、ご褒美ごはん

「沖縄の味」に続いて、ゴリさん、川田さんそれぞれが記念日やいいことがあったときに行くご褒美ごはんを教えてくれた。

「鮓 村瀬」(川田さん)

写真:お店から
 

食べログマガジン編集部

川田さんが自分にご褒美をあげるなら、何を食べに行きますか?

 

川田さん

一人で高級な寿司を食べに行きます。昔は、寿司屋のカウンターに座るなんてできなかったから、特別な日には思い切ってと。魚も好きですしね。まず、大将におまかせで握ってもらって、その後に好きな青物系を注文します。最近行ったのは、西麻布の「鮓 村瀬」。食べログで見つけました。

「そま莉」 (ゴリさん)

写真:お店から
 

食べログマガジン編集部

ゴリさんの贅沢ごはんは、やはり肉でしょうか?

 

ゴリさん

そうですね。でも、お世話になった人との食事会などの特別な席の場合は、ちょっと変化をつけて、肉の中でも桜肉を選びます。割烹「そま莉」は、何年か前に沖縄の同級生が連れて行ってくれて、それからずっと通わせていただいているお気に入りの店です。馬刺しもいいけど、おすすめはしゃぶしゃぶ。スープの中に入れた大量のネギと一緒に桜肉を食べるのですが、さっぱりしているけど、脂の甘みが舌の上に乗ってきて、噛めば噛むほどめっちゃおいしい!

その節はご馳走様でした! 忘れられない“おごられごはん”

次に教えてくれたのは、“ゴチ”の思い出。ゴリさんは吉本興業の社員さんから、川田さんは先輩である田村亮さんから、それぞれおごられエピソードを紹介してくれた。

初心に戻してくれる、ハンバーグピラフ(ゴリさん)「モガ カフェ 宇田川町店」

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出典:xxx-d765さん
 

ゴリさん

ガレッジセールの名付け親でもある吉本の社員のOさんに、渋谷の劇場にいた頃にご馳走してもらいました。千円ちょっとしたと思うのですが、当時は一食にそんなに使えなかったから、もううれしくて。あの味は忘れられません。今も時々食べに行くのですが、変わらずおいしいし当時の気持ちを思い出せる。特別な料理でもあり、店でもあります。そうそう、ビーカーみたいなグラスに入ったバナナジュースもおすすめなので一緒にオーダーしてみてください。

介護の後に待っていたのは、人生初のフォアグラ(川田さん)

 

川田さん

僕は、昔、(田村)亮さんの自宅に居候していた時期があるんですが、19年ほど前、亮さんがバイクで事故をして両腕骨折した際、身の回りのこと一切合切お世話をしました。なんならトイレとかも1 〜2週間は手伝ってた。で、その後、亮さんが「何でも好きなものをご馳走するから」と言ってくれたので、すかさず「フォアグラを食べたことがないです!」と(笑)。連れて行ってくれたのは、カウンター席の前に鉄板があり、目の前でフォアグラを焼いてくれる高級な感じのレストランでした。僕は「こんな食べ物が世の中にあったんだ」と、衝撃で。あの驚きは今も鮮明に覚えています。と感動しておきながら、お店の名前が思い出せないんですよね(笑)。何はともあれ、ありがとう、亮さん!

INFORMATION

第6回おきなわ新喜劇ツアー「オジー オズ お盆~ん!」が開催中!

吉本新喜劇と沖縄の方言・音楽・風習がチャンプルーした、沖縄独特の文化・歴史を「笑いながら学べる」エンタテインメントショー。2014年に第1回全国ツアーを実施し、過去5回開催している人気公演。

 

「沖縄新喜劇は、沖縄をテーマに、沖縄の役者が舞台を作ります。芝居や空間全体に沖縄らしい雰囲気が流れているので、どこの会場で見ても、その場所・その時間で沖縄を感じてもらえると思います。本公演のテーマは「沖縄のお盆」。沖縄の独特の文化・風習を感じながらたくさん笑って、気分も上げて、また明日から頑張るエネルギーを吸収してください」(川田さん)

 

「沖縄の文化・風習、歴史は独特です。僕ですら、台本を見て、“こんな歴史があったんだ”と知ることもあるくらいです。そして、今の僕たちがいるんだと考えさせられたりもします。そんな真面目な一面がある一方、会場では、お客さんから指笛が飛んできたりしてかなり盛り上がるし、笑えます(笑)。この独特の雰囲気を、ぜひ体験しにきてくださいね」(ゴリさん)

 

●会場:

【那覇公演】会場:琉球新報ホール 11月6日(水)・7日(木)各18:30開場/19:00開演
【宮古公演】会場:マティダ市民劇場 11月28日(木)18:30開場/19:00開演

 

●料金:

前売3,500円/当日3,900円 中学生以下 前売3,000円/当日3,400円※宮古公演のみ自由席

 

●出演者:

ガレッジセール、普久原明、玉城敦子、田仲メリアン、宝眞榮日也美、ありんくりん、カシスオレンジ、A16、宮川たま子 ゲスト:平川美香

 

●問い合わせ:

ピーエムエージェンシ―(098-898-1331)

 

PROFILE

ガレッジセール

ゴリ(1972年5月22日生まれ。沖縄県出身)、川田(1973年2月1日生まれ。沖縄県出身)で、1995年5月にコンビ結成。現在、「にじいろジーン」(関西テレビ)、「秘密のケンミンSHOW」(読売テレビ)、「ガレッジセールのオリタラドコ旅」(チバテレ)、「ラフピー!」(琉球放送)などのテレビ番組に出演中。

 

撮影:kobayashi world
取材・文:神山典子