ファッション誌『mina』や『SPRiNG』などで活躍するモデルでありながら、豪快な飲み方がなんとも男らしい! お酒好きを公言するモデル・村田倫子が、気になる飲み屋をパトロールする連載。「同世代の人にもっと外食、外飲みを楽しんで欲しい!」と願いを込めてお送りする連載20回目は、東京・幡ヶ谷に2019年7月にオープンしたばかりの日本初のハラミ専門店「ハラミが主役」をパトロール。

呑み屋パトロール vol.20「ハラミにまみれて満腹ナイトの巻」

はぁ……今週も頑張ったなあ……。そんな毎日が続いた自分へのご褒美ターンに、私の脳内を埋め尽くすのは「肉」だ。燃料切れのとき、「ここからやるぞ!」と奮起するとき、身体が求める私の味方、お肉さま。今夜は、心もお腹もぱんぱんに満たしてあげようと思う。(ご褒美だもん)

 

今宵訪れたのは、京王新線・幡ヶ谷駅から徒歩数分、見るからにパワーが湧いてくる黄色い装飾が目印の「ハラミが主役」。

今年7月にオープンしたばかりのニューカマー、日本初のハラミ専門店。何を隠そう、私はハラミが大好きだ。このネーミングを見たからには「行かねばならぬ」と、勝手な使命感すら湧いていた。

広々とした店内で迎えてくれたのは、気持ちの良い掛け声、そしてチャーミングなハラミTを纏った、オーナーであり芸人として活動されている、サタデーナイトシューゾーさん。

そんなこともあって、店内には、今テレビでよく拝見する有名な芸人の方々のサインも。

芸人業のかたわら、以前から様々なジャンルの飲食店で経験を積んできたというサタデーナイトシューゾーさん。少し前は焼肉屋でも働いていたという……。そんな経験を活かし、満を持して、ここ幡ヶ谷でハラミ専門店をオープンさせた。ハラミ専門店といえども、メニューの品数は豊富すぎるほど充実している。そして驚くのは、牛、豚、鶏のハラミが“250円”から楽しめるという、破格の値段設定!

 

「余計なことを考えずに、好きなだけ頼んで、お腹いっぱいになるまで堪能してもらいたいんです」と、サタデーナイトシューゾーさん。何よりもお客さんの笑顔を考えた、素敵すぎるおもてなし。お肉って単価が高いから、つい数字を気にしちゃうもんね……思わず「ありがとう!」と叫びたくなってしまうよ!!

さあ、ここぞとばかりに今夜は食べるぞぅ! と意気込み、ドリンクをオーダーしようとメニューを探せど見当たらない……。

 

するとサタデーナイトシューゾーさんから、「あ、うち飲み放題のみで、100分1,000円でセルフでお願いしているんです」と、神の声!

 

え!? 安い……。フードに続きこの良心的すぎるシステム……そろそろお店の利益が心配になってきたよ。(余計なお世話)

お言葉に甘えて、ドリンクも思いのままに。スパークリングワイン、ハイボール、サワー、果実酒……と文句なしの品揃え。

「刺し合盛り」

まず先付けに頼んだ「刺し合盛り」。ハチノスとコブクロがこんなに山盛り。これで600円はかなりうれしい。生きのよいぷりっとした食感、にんにく風味の利いた艶やかな身は、お酒のアテに申し分なし。

これだけで2杯は飲めるぞ……。

 

続いて、定番の「旨塩ハラミ」250円、プラス50円で黄身をのせた「ハラミつくねバーグ チーズ風味」250円、トッピングシリーズの「ハラミきざみ生姜のせ」350円がずらりとテーブルに並ぶ。

プラス50円で黄身をのせた「ハラミつくねバーグ チーズ風味」(写真奥)、「旨塩ハラミ」(写真手前)
「ハラミきざみ生姜のせ」

思った以上にハラミが皿をでっぷりと占領している。「安いからどうせお洒落サイズなんでしょ?」と疑ってかかっていた注文前の自分を戒めたい。

そして、なにより肝心のハラミはジューシーで柔らかく、噛みしめると旨味が溢れてたまらない。

私は困惑した。もうここの経営のカラクリがわからない。もしやハラミの天国なのではないか!?

「ウニハラミ」

困惑しながらもオーダーしたのは、お客さんからの人気も絶大な「ウニハラミ」350円。実はこちらグランドメニューには載っておらず、店内のPOPにしか書かれていない裏メニューだそう。

「人気すぎて、こればっかりみんなオーダーしちゃうから少し隠してるんです」と、サタデーナイトシューゾーさん。……そう聞くと余計に気になる。もう、頼むしかないよね。

濃厚なエキスが染み込んだハラミは、まったりと贅沢な余韻を残す。なるほどみんながぞっこんになるわけだ。

この旨味エキスたっぷりの汁、残すなんてもったいない……と喉を鳴らす。そんな食いしん坊には、秘技「団子飯」50円がある。

お団子サイズのお米ボールを旨味エキスに浸して、ぱくり。持て余すことなくウニハラミを満喫できる。

「秘伝のデミグラ煮込み」250円に「ガーリックトースト」を追加

煮込みにも余念がない。濃厚なデミソースに、ほろほろくずれるハラミの身。カリッと焼かれた「ガーリックトースト」150円に浸してどうぞ。

 

そして、私が「ここは楽園!」と、確信したのはこの子がきっかけ。オーナーのオススメNo.1の「極上和牛ハラミ」950円。

「極上和牛ハラミ」

柔らかでしなやかな身。触れると優しく溢れる肉汁。芳ばしいネギの香りと食感が合わされば、また表情が変わり、口内は幸せにどっぷりと浸る。ハラミって本当に主役なのかもしれない。

こんなに食べて、飲んで……、私のお腹は満足に膨れあがり、お財布は涼しい顔で来店時のフォルムをキープしている。ありがとう、ハラミの楽園……。

 

サタデーナイトシューゾーさん、2号店をオープンするなら、うちの近所にどうですか?

 

※価格はすべて税抜

 

文:村田倫子