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京のおやつは何にする? Vol.1
京都のことを知りたい! もっと楽しく巡りたい! そんな京都好きな方にお届けする、心ときめく京都の旅とおやつのお話。
案内人は、京都在住の和菓子ライフデザイナーの小倉 夢桜-Yume-さんです。
古都・京都も、ハロウィン色に染まる10月

10月に入ると鮮やかなハロウィンのディスプレイが目に飛び込んでくるようになってきました。古都のイメージが強い京都ですが、多くの学生たちが暮らす街であったりもします。

そのため10月末になると、あちらこちらで仮装をした気の合う仲間たちでのハロウィンパーティーに向かう様子を見かけます。
ハロウィンの市場規模がバレンタインを追い抜いたといわれる近年、京都の和菓子店でも様々なハロウィン向けの和菓子が販売されています。
そこで、この時期は京都を観光しながら、ハロウィンにちなんだ和菓子を探してみてはいかがでしょうか? 今回は、店内でいただけるお店に注目してご紹介させていただきます。
まずは、北山ハロウィンでパレードを満喫!

京都でハロウィンといえば、真っ先に思い浮かぶのが「北山ハロウィン」です。今年で22回目。日本でハロウィンにそれほど注目が集まっていなかった、1998年より始まった歴史あるイベントです。
2019年は10月26日(土)・27日(日)の2日間、北山にある「陶板名画の庭」を中心とした北山界隈で行われます。
北山通りを進む仮装パレードをはじめ、かぼちゃを使ったジャックオーランタン作り。その他にも、ハロウィンにちなんだ手づくりマーケットや屋台村など。年々、内容が充実してきています。今ではこの時期になくてはならないイベントです。
和菓子のイメージを覆す、ハロウィンスタイルのお菓子
「長久堂」Jack-o’- Lantern
その北山ハロウィン会場の近くには、天保二年創業の老舗和菓子店「長久堂」があります。
こちらのお店では、毎年ハロウィンにちなんだお菓子が販売されており、店内に併設されている喫茶でお抹茶などと一緒にいただくことができます。

こちらが「Jack-o’-Lantern(ジャックオーランタン)」と名付けられたお菓子です。
あの世からやってきた悪霊たちをよせつけない効果があるとされている、ハロウィンの象徴のジャックオーランタン。
こちらのお店のジャックオーランタンは、カボチャの種があしらわれていて、とても特徴的。
つい食べるのが勿体なくなり、いつまでも眺めてしまいそうになるお菓子です。
「二條若狭屋」ハロウィン
世界遺産・元離宮二条城からほど近い場所に店を構える和菓子店「二條若狭屋(本店)」。
現代の方々に和菓子を受け入れてもらうために、可愛らしさと趣を意識したお菓子作りをされているお店です。

ハロウィンにちなんだお菓子の一つが、こちらの「おばけ」をかたどった和菓子。おばけを題材にすることなんて、一昔前まで京菓子では考えることができませんでした。
新しい風が吹き、京菓子の世界は伝統と革新の調和がとれているように感じます。ひょっこりと愛くるしいお化けの意匠。こんなお化けだったら、すぐにお友達になれそうです。
あまり知られていませんが、店内にはお抹茶とお菓子を一緒に楽しむことができるスペースが用意されています。
また寺町店では、10月末にハロウィンにちなみ、ハロウィン限定氷としてカボチャのシロップを使用したかき氷などが販売されます。
「亀屋良長」MOON
阪急大宮駅より四条通りを東へ向かって徒歩約5分。創業200年以上の老舗和菓子店「亀屋良長(かめやよしなが)」があります。
和菓子のあり方を提唱して、挑戦を続けるお店のハロウィンにちなんだお菓子の一つがこちらのお菓子。

夜空に浮かぶ月。
そしてコウモリ。
あえてハロウィン色を避けて、できるだけシンプルな意匠に仕上げることを心がけたそうです。
餡には、とっても珍しいキャラメル餡が使用されています。
キャラメル餡がおいしいという理由と、ハロウィンは西洋のイベントであることから洋の要素を取り入れたいと考えたそうです。
皆さんの和菓子のイメージが変わること間違いなしのお菓子です。
店内には茶房が併設されていますので、ゆっくりとお菓子を食べながら過ごしてみてはいかがでしょうか。
写真・文:小倉 夢桜-Yume-