〈教えて! 祇園の宏美ママ〉

生粋の京都人に普段使いのお店を教えてもらいたい! そんな企画を叶えるべく、ナビゲーターをお願いしたのは、なんと祇園のお茶屋が母方の実家だったという宏美ママ。幼少期から京都のど真ん中で呼吸してきたホンモノの京都通に、とっておきのお店をおすすめしてもらいましょう。

教えてくれる人

古川宏美(宏美ママ)

1969年京都生まれ。平安女学院高校、追手門学院大学卒業。会社員3年の後、母方の家業、祇園甲部のお茶屋を継ぐ(4代目の現在は紹介制のお座敷バー)。子供の頃から食いしん坊話が親族内にいくつもあり。お酒も大好き。店の周年に来てもらうほど、ポンキッキ時代からガチャピン偏愛。趣味は長唄三味線、華道、観劇(歌舞伎、古典芸能、歌劇、ミュージカル、新喜劇等々)。

わらび餅を買うなら?

暑い日につめたく冷やしたわらび餅を食べると、よりおいしく感じますよね。京都には老舗から新規オープンのお店までおいしいわらび餅がたくさんあります。お土産にしても喜ばれること間違いなし!

「近くに好きなお店があると、やっぱり買いに行く回数も多くて、今回は2軒とも祇園、ほぼお向かいさんどす」と宏美ママが愛用する2軒を教えてもらいました。

祇園饅頭(祇園)

1軒目は祇園の「祇園饅頭」。定番から季節ごとの餅菓子まで、和菓子が充実しています。赤提灯が目印の外観も風情があります。

ゴッカム
わらび餅   出典:ゴッカムさん
 

宏美ママ

南座の西隣、文政2(1819)年創業、創業文政年間の赤い提灯が目印。 代表銘菓は米の粉(真粉)でできた「志んこ」どすけど、私はこちらのわらび餅も好きで、時期の春夏は特によく伺います(ゴールデンウィーク明けごろから9月のお彼岸ごろまでの販売)。

 nao4.
外観   出典: nao4.さん
 

宏美ママ

配合は少し変えながら基本レシピは変わらないとの、素朴なぷるんぷるんのわらび餅。日持ちは当日中、5個入り280円、10個入り550円。 季節もの、定番、たくさん並んでるので、毎日小銭を持っておやつを買いに行きたいお店どす! 三条白川沿いの工場でも買えます。

十六五(祇園)

京都土産にピッタリなお菓子がそろう「十六五」。きな粉を自分でかけるスタイルの「京・わらび餅」は1箱780円という価格も良心的です。

※青蓮院前店もあり。

写真:宏美ママ
kinako-anko
お皿に盛り付けて   出典:kinako-ankoさん
 

宏美ママ

祇園饅頭さんのほぼお向かい、80年ほど営業されていて、祖母も母も好きなお店で、うちによう紙袋がありました。 専門の甘納豆、五色豆と合わせ、通年販売されてる3日間日持ちの上品な甘さのわらび餅もおいしくて!

ゆっきょし
外観   出典:ゆっきょしさん
 

宏美ママ

このわらび餅の正式名「振りかぶせ」は舞台用語で、進行途中で舞台上からぱっと幕をおろしての場面転換のこと。初めはそのまま、次は付属のきな粉を振りかぶせてどうぞとの意だそう。

※「十六五 神宮道店」は「十六五 青蓮院前店」が正しい表記になります。

文:古川宏美・食べログマガジン編集部

※価格は税込