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素材の凝縮した旨みを味わえるシンプルな料理といえば「スープ」。胃にすうっと沁みこむ優しい味わいのものから料理の主役となるものまで、食べログマガジンが紹介した記事の中から手間暇かけた渾身の逸品を提供しているお店をピックアップ。あなたのお気に入りのスープがきっと見つかるはず。
1. おいしくデトックスできる「烏骨鶏とスッポンのスープ」
サウスラボ 南方|東京・錦糸町
今年6月、錦糸町にオープンしたのは「サウスラボ南方(みなかた)」。香港通の菊地和男さんがプロデュースし、高級中華の名店・旧「福臨門酒家」で腕をふるった香港出身の料理人・Cham Chi Kwong、通称トミーさんが料理長を務めているとあって、多くのグルマンたちの注目を集めているお店だ。
こちらでは香港・広東料理をベースにしながら、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシアなどの料理のエッセンスを積極的に取り入れたメニューを提供している。その中でも外せないのがスープ料理だ。「広東料理といったらスープ」と言われるほどで、とくにおすすめしたいのが「竹絲鶏炖野生水魚(烏骨鶏とスッポンのスープ)」5,500円(税抜)。烏骨鶏、スッポン、スペアリブ、ヤマイモ、クコの実などの具材に、上湯の一番ダシと二番ダシを加え、鍋ごと蒸篭(せいろ)に入れ、6時間かけて蒸し上げたスープは絶対に味わいたい逸品!
ダシそのものが味わい深く、具材たっぷりの栄養満点なスープ。発汗作用もあるのでおいしいスープを味わいながらデトックスができて、一石二鳥なのがうれしい。
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〈噂の新店〉食通が熱視線! パスポートいらずの香港がここに誕生
2. 心がほっとする、韓国のおふくろの味「テンジャンチゲ」
古家庵|東京・赤坂
韓国の家庭料理の定番として人気が高いスープといえば「テンジャンチゲ」。このテンジャン(韓国味噌)を手作りしオリジナルの味を提供しているのが、赤坂にある韓国家庭料理の店「古家庵」。
お店には「野菜テンジャンチゲ」1,700円(税抜)と「テンジャンチゲ定食」1,200円(税抜)、の2種類のテンジャンチゲがある。オーナーの安さんによると「“野菜テンジャンチゲ”は、アサリをベースにじゃがいもやエホバク(ズッキーニに似た韓国南瓜)、赤ピーマンや長ネギなど野菜がたっぷり入った、ややあっさりめの味噌汁仕立て。一方、“テンジャンチゲ定食”の方は、ごはんにかけて食べるスタイルなので、味噌を多めに入れて濃いめの味付けにしています。こちらの具は豚肉と豆腐が主体です」とのこと。取材をした森脇慶子さんはテンジャンチゲ定食のチゲに「味噌のコクがズンと来るボディのある旨さ。その濃密な味わいに豚肉の旨味や青唐辛子の辛味が渾然一体となり、箸ならぬスッカラが止まらない」とその味にすっかりはまってしまったよう。
これからの寒くなる季節に、心も身体もほっとあたたまる、満足度の高いスープを味わってみては?
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ビジネス街で出会った、野菜と愛情たっぷりの韓国版おふくろの味
3. 多くの美食家を唸らせる「磯魚の裏ごしスープ ニース風」
ヌキテパ|東京・五反田
シンプルな見た目からは想像つかないほど、一杯のスープに魚本来の旨みが凝縮された「磯魚の裏ごしスープ ニース風」を提供しているのは、五反田にあるフレンチレストラン「ヌキテパ」。
シェフ田辺年男氏の40年近く変わらぬスペシャリテだというから驚きだ! 田辺シェフによると「うちの磯魚のスープには、蟹や海老などの甲殻類は一切入れてないんだよね。文字通り磯魚のみ。そのかわり(魚の)内臓や鱗は全部入れている」という。取材をした森脇さんは「『美味しそう!』とは言えぬ、そのややざらつきのある液体をひと匙すくい、そっと鼻先に近づければ、芬芬たる磯の香気に包まれる。ひと呼吸おいて、まずは一口。静かに口へと流し込むや、一言では言い表せぬ豊かな味わいがじわりと味蕾に広がっていく。様々な魚の香りや旨みが凝縮された、まさに海のエキスの塊とでもいうべきこの一杯」と大絶賛。
田辺シェフが長年つくり続けてきた、グルマンを唸らせるスペシャリテのスープをぜひ一度ご賞味あれ!
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見た目とは裏腹に、一度食べたら忘れられない特別なスープ
4. あの文豪が愛した「オニオングラタンスープ」
カナユニ |東京・外苑前
熱々のオニオンスープにたっぷりトッピングされたチーズが食欲をそそる「オニオングラタンスープ」。このスープが開店以来、ベストセラーメニューとして人気を博しているのが外苑前に店を構える「カナユニ」だ。
お店を紹介した食べログマガジン連載陣の柏原光太郎さんの記事によると、「かなりユニークな」という言葉からついた「カナユニ」だが、もともとは赤坂見附にあったお店。周辺の再開発で一時閉店していたが、惜しむファンの期待に応え2017年に外苑前で再オープンしたのだそう。柏原さんは「開業は1966年、赤坂見附にあったサントリー本社の裏の雑居ビルの地下一階。ちょっと急で長い階段を下りると、使い込まれた木のカウンターと音楽フロア。深夜までジャズを楽しみながら、西洋料理を味わえるレストランだった。メインのお客は夜にしっかりとした料理を食べたい人々で、芸能人や文化人、マスコミ、銀座がはねたあとのアフターの客といった感じだろう。メニューには『三島由紀夫が愛したオニオングラタンスープ』も載っていた」と当時の様子を振り返る。
現在もメニューは変わらずそのまま! 名物のオニオングラタンスープを注文して、三島由紀夫が味わったスープに舌鼓を打ちたい。
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〈僕はこんな店で食べてきた〉名店の復活で振り返る、古きよき日本の西洋料理
文:食べログマガジン編集部