TOKYO HIP BAR vol.53

無印良品のコンセプトをカクテルで味わえるバー

昨年中国深セン・北京でオープンし、話題となったMUJI HOTEL。今年4月銀座にオープンしてから、国内外のゲストが押し寄せるMUJI HOTEL GINZAですが、宿泊しない人にもうれしい「Salon」が、ホテルとゆるやかにつながったATELIER MUJI GINZAに登場しました。

MUJI HOTELのコンセプトは、アンチゴージャス、アンチチープ。旅先であってもいつもの生活の延長の感覚で心地よく過ごせる空間と、宿泊客と土地をつなげるサービスを提供するというMUJI HOTEL GINZAは、銀座を深く味わい、楽しみ、旅の拠点となることを目指しているといいます。

そのホテルの入り口とゆるやかにつながったATELIER MUJI GINZAにあるのが、樹齢400年の楠から切り出された10mのカウンターテーブルからなるSalonと呼ばれるバースペースです。カウンターのまわりには書棚が並び、ギャラリーも2箇所あるなど、複合的なデザイン文化を発信する場所として機能しています。創業以来、「感じ良いくらし」への想いから、いまや約7,000品目を展開するという無印良品。カクテルにおいてもそのコンセプトが反映されています。シグネチャーとなるのは、無印良品の基本理念とされる「素(そ)」「手(しゅ)」「時(じ)」「然(ねん)」に紐づく4つのカクテルです。

“飾らないこと、まっすぐなこと”を示す「素」は、あんペースト、黒蜜とウイスキーの素材を生かしたもの。“手触り、手作り”を表す「手」は、手でちぎった大葉とジンとグレープフルーツを合わせたカクテル。“過ぎてきた時間とこれからの時間”を表す「時」には長く山形で愛されてきたさくらんぼと桃のリキュールを使ったカクテル。“自然のまま、あるがまま”の「然」は大分県産のかぼすの果汁と京都のジンを合わせたジントニックという具合に、季節に応じた「素」「手」「時」「然」が組み立てられます。

デザインや文化を発信する場としての役割を持つSalonのため、メニュー表の後半には空間に置かれている名作の椅子もメニューとして掲載されていたり、また、手元に配られるコースターは同フロアのギャラリーでの展示と連動したデザインであったりと、訪れた方すべてに何かを感じてもらえるような仕掛けがあります。デザインに満ちた空間ながら、押し付ける形ではなく、馴染みの場所のリビングスペースのようにリラックスして過ごせる空間となっているのは、気取らない心地良さを提供している無印良品ならではです。

 

銀座で過ごす人にいつでもふらっと寄ってもらえたらいいという思いから、Salonの営業は深夜2時まで。お酒を手に語らうため、またデザインに触れる場として、ATELIER MUJI GINZAは銀座で暮らす人々皆のラウンジとなりそうです。

文:美人広報・M