衰えるどころかヒートアップし続ける“肉食”ブーム。ステーキに焼肉、ありとあらゆる肉メニューがあるけれど、日本が世界に誇る肉料理「すき焼き」はきちんと押さえておきたい。そこで日本における和牛の求道者であり伝道師、小池克臣さんをお招きし、すき焼きと牛肉にまつわるおいしい歴史から、肉解説、小池さんが愛してやまないすき焼き屋までをお届けした特集に続き、今回は食べログマガジンで人気の連載陣4人に、お気に入りのすき焼き屋、好みの食べ方などについてインタビュー。第1回は、「食を制す者、ビジネスを制す」でおなじみの経済ジャーナリスト・國貞文隆さんが登場。

 

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〈國貞 文隆さんに4問4答〉

すき焼きは「幸福感」に溢れるという國貞さん。その思いを叶えてくれる、3つのシチュエーションから選ぶマイベストすき焼き屋をご紹介。

 

Q1. お気に入りのすき焼き屋、また誰かを連れて行くならココ!と決めているお店は?

A1. 仕事や接待で行くなら「人形町今半 本店」、デートやプライベートで行くなら「ざくろTBS店」、一人で行くなら「しゃぶせん銀座B2店」です。

Q2. それぞれのお店のお気に入りポイントは?

A2-1. 人形町今半 本店


出典:YamaNe79さん

 

本店の和風な造りと設えは豪華で行くだけでも気分が盛り上がります。お店の味はもちろんのことサービスも抜群の安定感があり、ビジネスに使うには最適です。また西日本育ちの私には関東の割り下が「濃い」と感じていましたが、20年以上東京で生活しその濃さに慣れると、今半の割り下は適度なバランスで洗練されていると感じます。

 

A2-2. ざくろTBS店


出典:orange blossom.さん

 

かつてアメリカ大使館の前の日本自転車会館の地下にあったざくろ赤坂店は、政治家やマスコミ御用達の店で高級感と秘密めいた雰囲気が素敵でした。ビルの取り壊しにより閉店してしまいましたが、今はTBS店を利用しています。味、サービスともに良くお店は全体的に民芸調の設えであるところが、民芸好みの私としては居心地よく感じるお店でもあります。赤坂にはたくさんの飲食店があるので、すき焼きの後のバーやスナックなどの2軒目に行きやすい立地の良さも魅力的です。

 

A2-3. しゃぶせん銀座B2店


出典:ぽこぺんさん

 

こちらのお店もざくろのグループ店ですが、値段が安く通いやすいと思います。同ビルの2階にもお店がありますが、一人で行くならカウンターがあるB2店がおすすめです。まさに孤独のグルメを体感できます。京都のイノダコーヒーの円形カウンターのようにこちらも楕円形のカウンターで、店員さんやお店を訪れる様々なお客さんを時折観察しながら食べる雰囲気が好きなんです。お酒を飲む前の腹ごしらえやランチでの利用が多いですね。

 

Q3. 好みの食べ方は?

A3. 全てオーソドックスに調理してくださるスタッフの方にお任せします。自宅ですき焼きをする際にはシメにうどんを食べることもありますが、外食ではすき焼きを食べるときは必ず日本酒を飲みますので、ご飯ものは少しにして食べ過ぎないようにしています。なぜなら、必ず2軒目はバーに行き、その後お腹が空いてラーメンを食べることも想定していますので。

 

Q4.國貞さんにとって、すき焼きを一言で表すと?

A4. 「幸福感」

 

選者:國貞 文隆
経済ジャーナリスト。明治、大正、昭和の実業家や企業の歴史にも詳しく、現代ベンチャー経営者の内実にも通じている。著書に『慶應の人脈力』『やはり、肉好きな男は出世する ニッポンの社長生態学』『社長の勉強法』『カリスマ社長の大失敗』がある。お酒大好きで、名バーに行くことが趣味。

 

第2回は、グルメ界を代表するタベアルキスト・マッキー牧元さんが登場!