ジェイアール名古屋タカシマヤには、名古屋を代表する銘菓がたくさん。和菓子から洋菓子まで、伝統を保ちながら独自に進化した個性的な顔ぶれは、立ち寄り必須。取材班が目を付けたマストバイ&イートを、前編・後編にわけてご紹介!

気鋭の名店が放つ、懐かしくて新しい和菓子

菓匠 花桔梗「フルーツあんみつ」

フルーツあんみつ 540円(税込)

 

おなじみの甘味や伝統の和菓子にも、ふとした“趣向”や“モダン”が隠れていて、いつも新しい驚きに出会えるのが、ここ。江戸時代、尾張藩の御用菓子屋をしていた「桔梗屋」の流れをくむ人気の和菓子店「菓匠 花桔梗」だ。このフルーツあんみつもしかり。フレッシュなフルーツを贅沢に使い、それを角切りではなく、ジュレのようにゆるめに固めた寒天で包んである。甘さを抑えたなめらかな粒あんと、フルーツがひとつになってうまれるみずみずしいおいしさは、できたてを味わっているかのよう。持ち運びしても汁がこぼれず、水っぽくならないのも、手みやげに格好。

菓匠 花桔梗「あんトースト最中」

名古屋喫茶メニューの代名詞、小倉トーストを和菓子屋が作るとこうなります、という遊び心あふれる一品。愛らしいトースト形に焼いた最中皮に、粒あんや、その粒あんをアレンジした粒あんバターをのせて楽しむスタイル。金沢の専門店による最中皮は香ばしくて厚みがあり、いわゆる最中とはまた違うカリっとした食感。あんをあらかじめ詰めていないから、皮もしんなりしない。好みで2種類塗ってもいいし、さらにバターを重ねるなど、いろいろアレンジできるのも楽しい。

あんトースト最中(1箱/あんカップ×2、最中皮×6)1,201円~(税込)

最中皮はプレーンと抹茶の2種入り。ペーストも、粒あんと粒あんバターの2種が入っている。木製のバターナイフもついているので、女性に喜ばれそう。

全国にその名をはせるわらび餅の名品

芳光「わらび餅」

「芳光」は、京都や名古屋の名店で腕を磨いたという先代が、1964年に創業した上生菓子を手がける御菓子所。そして、その名を全国に広めたのが、このわらび餅だ。中にあんが入った上生菓子のスタイルで、あんもわらび餅も口の中で一緒に溶けてしまうかのようなやわらかさ! この食感が多くの和菓子好きを虜にしてやまない。日持ちがせず、夏の間は販売を控えるため、10月から翌年6月末までの限定販売だ。

わらび餅/6個入り1,771円(税込)。4個入り 1,181円(税込)

 

ジェイアール名古屋タカシマヤでは、月曜と木曜の限定販売。大抵、開店と同時に売り切れてしまうほど入手困難なので、手に入れたいなら早めに行くのがおすすめ。

最中ひとすじ九十余年の完成されたおいしさを!

不朽園「菊最中」

菊最中(小)10個入り1,102円(税込)

 

江戸時代から続く名店「不老園」からの暖簾分けする形で、1927年創業。一時、戦火で店を焼失するも、戦後、再建。現在は、1955年から尾頭橋の一角に佇む風情ある本店で、4代目が創業から続く最中の味を守り続けている。中でも、美しい菊型で焼いた最中種に粒あんを詰めた菊最中は、代表作。薄すぎず、厚すぎず、パリッと焼き上げた最中種、キレのある味わいのあん、そしてふたつがひとつになって生まれるおいしさは、ロングセラーであることにもうなずける。

 

実は本店では、最中種を使った小倉トーストなど新しい商品も並んでいるが、「不朽園」の菓子をはじめて試すなら、やはり、これをおいてほかにない。

トーストだけじゃない、小倉とチーズタルトが出合ったら

ベイク チーズタルト「しるこチーズタルト」

しるこチーズタルト 1個291円(税込)

 

1号店は、東京・新宿。北海道産など、オリジナルブレンドのチーズを使ったタルトの、焼き立てのおいしさを知ってほしいと始まった「BAKE CHEESE TART」の思いは、いまや海外にも! そして、その土地の名産や食文化を反映した、そこならではのご当地ものが誕生している。名古屋といえば、やはり小倉トーストから発想を得た、しるこチーズタルト。タルト台の上にあんを敷き、チーズムースを流し込んだチーズタルトは、上にもあんのトッピング。あんの甘みもさることながら、食感も面白い。

 

2018年春にオープンしたジェイアール名古屋タカシマヤ店の限定品。まずは、その場で焼き立てをひとつ。手みやげには、プレーンと限定のしるこチーズタルトを取り混ぜても。

後編へ続く!

 

取材・文:齋藤優子
写真:山田英博