【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレー#56】「南インドキッチン」
昔はインド料理といえば、“ナン、バターチキン”というくらいに、日本のインド料理界では北インド料理が主流でした。今でも全国的に見ればまだまだそうなのかもしれませんが、東京においてはかなりの数で南インド料理店が増えています。
そのきっかけはいくつかありますが、最初はやはり「ダバインディア」の成功があったからといえるのではないでしょうか。その後、ダバインディアで料理長を務めていたシェフが独立して出した「アーンドラキッチン」も同じく成功し、「エリックサウス」が日本人にわかりやすい南インド料理を提供し、一気に広まっていったように感じています。
そして、昨年あたりからまた急に南インド料理店の数が増えてきています。以前は物珍しさでマニアもこぞってかけつけていましたが、最近は店舗数が増えたこともあってか、期待されながらも残念ながら閉店してしまうお店も出てきましたし、正直にいえばイマイチなお店もちらほら見かけるようになってきました。
そんな中、個人的に最も期待している出来たてほやほやのお店を見つけました。2019年3月末にできたばかりの「南インドキッチン」です。
場所は月島駅から徒歩5分程度。このエリアは2020年開催予定の東京オリンピックの会場からも近く、この先に外国人客が増えることが見込まれているエリアでもあることから、ベジタリアンでも食べられる南インド料理店が生まれたのかもしれません。
初訪問時にいただいたのは「サウスインディアンミール」1,600円。いわゆるノンベジミールスです。※メニュー改定により、現在は「ノンベジミール」1,400円となっています。
サウスインディアンミール(※現、ノンベジミール)
スパイスがしっかりときいて華やかな印象のマトンとチキン。それに対して、南インドの野菜カレー「サンバル」と、南インドの酸味系スープ「ラッサム」、南インドの野菜スパイス炒め「ポリヤル」は逆に素朴な美味しさであり、混ぜることによって美味しさが完成するタイプでミールスの醍醐味を味わえます。
初訪問で気に入り、すぐにまた二度目の訪問。今度は「ドーサセット」1,300円をいただきました。こちらはカレーをひとつセレクトできるということで、マトンカリフラワーに。これがまた美味しい!
ドーサセット
ドーサとは南インドのクレープのようなものですが、こちらのセットのドーサはマサラドーサ。カレー味のじゃがいもが入ったドーサです。これだけ食べても美味しいのですが、マトンカリフラワーが最高!
カレーは3種日替わり。この日のマトンはカリフラワー入り。これが遠慮ないスパイス感で最高! 優しいドーサと刺激的なマトン。最高のバランスだなぁ。そう思ってキッチンを見てみると、見慣れたシェフがいるじゃないですか!
こちらのシェフ、先述した日本の南インド料理隆盛のきっかけとなった「ダバインディア」で働き、その後「アーンドラキッチン」の姉妹店である「アーンドラダバ」でも働いていたシェフなのです。つまりは名店を渡り歩いたシェフ。彼が作る料理ですから美味しいわけです。
「ダバインディア」や「アーンドラダバ」のような華やかな肉系のカレーと、それとは違って毎日食べても飽きのこないシンプルに美味しい野菜系。この組み合わせはありそうでなかったですよ。
と、この記事を書いていたらまた食べたくなってきてしまい三度目の訪問(笑)。今回は「チーズナンセット」1,200円で。カレーは、インド南部・ハイデラバディ地方のマトンカレー「ハイデラバディマトン」をセレクト。サイドに「チキンティッカ」(ランチ時は350円)もつけました。
チーズナンセット
これまた最高! 通常南インド料理の主食としてはチーズナンをつけないのですが、シェフが以前いたダバインディアの看板メニューが「チーズクルチャ」(チーズナンの仲間のようなもの)であり、アーンドラダバのチーズクルチャもまた美味しいので頼んでみたわけです。
チキンティッカ
ちょうどダバインディアとアーンドラダバの間くらいの方向性で、これも重すぎない美味しさがカレーに合わせるのにもちょうど良いです。チキンティッカの火入れ具合も完璧で、ぷりっぷりのジューシーさでした。
月島といえばもんじゃ。そして焼肉でも有名な街ですが、カレーも見逃せなくなってきました。南インド料理好きの方なら、このお店の為だけに電車を乗り継いで行く価値がありますよ。
※価格は全て税込