【定食王が今日も行く!】

 

仕事に疲れた僕が、定食に恋した理由。

もともと自分は出版社で雑誌の編集者をしていた。毎日の不規則な生活と、乱れた食生活に疲れた僕は、次第に定食というバランスミールに心惹かれ、インスタグラムを始めるように。定食の魅力は何かというと、

 

1.仕事が不規則で、飯友が捕まらなくても、一人でバランスよいご飯が食べられる。

2.一人で何品も頼まなくても、バランスよい食事がとれる。

3.だからこそ、外食でも、夜遅くても、一人ご飯でも、罪悪感がない。流行りの“ギルトフリー”ミール。

4.ご飯+みそ汁はやっぱり心にしみる! あぁ日本人に生まれてよかった!

5.俯瞰からの写真がウケるインスタグラムでの写真映えも間違いない。

6.ヘルシーで丁寧な暮らしをしているように見える。

7.家では作りづらい揚げ物や、炭火焼きの焼き魚も、旬の食材を食べることで季節を感じられる。

 

つまり、現代の忙しいサラリーマン・ウーマン、特に一人暮らしには強い味方というわけだ。

 

今食べるべきは、アジフライ定食!

実は定食にも旬がある。今の時期外せないのは鯵フライだ。

鯵の旬はまさにいま。「アジは鯵なり その美なるをいう」という新井白石の言葉がある。縄文時代から日本人に愛されてきた魚は、「その美味さに参った!」ということから「鯵」と呼ばれているそうだ(諸説あり)。

 

行列ができる京橋のアジフライの名店

そんなアジフライの名店といえば、京橋にある「三浦半島地魚料理店 京ばし松輪」。

ランチは「アジフライ定食」のみ。しかも限定70食。一品だけで勝負しているにもかかわらず、いつもランチになると行列ができる超人気店。開店の11:30に到着したときにはすでに行列が!

 

店名の「松輪」の通り、神奈川県三浦市の松輪漁港から、当日水揚げされた魚を調理提供しているそうだ。ただ、ランチで使われるアジに関しては、1日前に生きたまま素早く開いて余分な水を抜いて仕上げている。そうすることで身が引き締まり、旨味が凝縮、肉厚に仕上がるのだとか。それが70食限定の理由だ。

 

 

ほぼ刺身!? 究極のアジフライの食感とは?

いただいてみると、これまで食べたアジフライとは一線を画した味わいに衝撃を受ける。青魚が持つ特有な臭みがいっさいなく、上品な白身魚を食べているようだ。

細かいパン粉で丁寧に挙げられた衣は、薄くてサクサク。中はふわふわ。以前聞いた話では1分だけ揚げて、レアのまま油から出し、余熱で火を通すため、極限まで刺身に近いフライなのだ。

この店の特徴は、アジフライの食べ方にもある。醤油やタルタルではなく、大根おろしにわさびを合わせたものをフライに乗せ、醤油をかけていただくのだ。辛いものが好きな方には、追加注文できる柚子胡椒がおすすめ。わさびや柚子胡椒の辛味が、白身魚のような上品な味わいのアクセントになり、ご飯がパクパクすすむ。

 

定食の価値は小鉢が決める!

心躍る海鮮小鉢

 

定食王的には、定食の小鉢で決まると思っている。アジフライ2尾に加え、骨せんべいが1枚。小鉢には厚揚げの煮込み、香の物、赤だしの味噌汁。さっぱり爽やかなフライに、赤だしは最高の相性だ。

 

そして特筆すべきは、数量限定の「海鮮漬け小鉢」(300円)。とれたての数種類の海鮮漬けは、爽やかでピリッと辛味を効かせたフライとは対極で、ぷりぷりの食感に漬けのこっくりとした旨味と甘みに、ご飯がまたパクパク進む。この時点ですでにご飯のお代わり3杯目。最近では悪役にされがちな白飯だが、自然とご飯が進む定食こそが、最強の定食なのだ。

 

12:30ごろには売り切れてしまうというアジフライ。アジの旬は7月くらいまでと言われているので、ぜひ一度試してみていただきたい。