【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレー#43】「アナスドーサ ビリヤニ」

カレーといえばインド。しかし、インドは非常に広い国です。同じインドでも北部と南部では料理もかなり違うということを、カレーがお好きな方ならご存じかと思います。

 

昭和時代のインドカレーといえば、ほぼ北インド料理、あるいはネパール人が北インド料理を模​して作ったカレーが多かったのですが、21世紀に入ってから南インド料理のお店もどんどん増えてきています。とはいえ、やはり一般的​にはインド料理といえば“バターチキンとナン”というイメージが強いのではないでしょうか。​

 

話は変わって、フードコートについて。フードコートといえば客層の多くは家族連れであることなどから、大衆受けする飲食店が入ってい​ることが多いですね。ところが八王子近くの豊田駅からすぐにあるイオンモールのフードコートには、完全にマニア​受けなインド料理店があるのです。

 

店名は「アナス ドーサ ビリヤニ」。品川や六本木などに展開している、通称「ケバブビリヤニ系列」​のお店です。​

 

フードコート内にあるアナス ドーサ ビリヤニ

 

豊田のお店はドーサビリヤニということで、看板メニューがドーサという南インドの甘くないクレープ的な軽食と、ビリヤニというス​パイシーな炊き込みご飯。ビリヤニに関しては、昨年大流行した映画『バーフバリ 王の凱旋』の主演俳優の好物としても話題となり、マニアじゃない方にも認知が高まって​きている料理ですが、ドーサというとまだまだ知る人ぞ知る存在でしょう。それをフードコートで出すとは驚きです。​

 

食べてみればさらなる驚き。フードコートとなると様々な制約があり、思うようなキッチンを準備できないことが多いため、料理のレベ​ルが多少なりとも下がってしまいがちな中、こちらのお店は他の系列店とほとんど変わらないハイクオリティの美味しさなのです。

 

「マサラドーサ」と「マライティッカ」(写真右上)

 

「マサラドーサ」850円は、スパイシーなポテトを豆や米の粉で作ったドーサで包んだ料理。これに、サンバルという南イン​ドの野菜カレーとココナッツチャトニを合わせていただきます。こちらのサンバルは豆豆しく、食べれば野菜の美味しさがじんわりと​身体に染みわたっていきます。​

 

「マライティッカ」100円もジューシーでこの値段にしてこの美味しさは凄い!​ 一般向けにバターチキンカレーとナンのセットもあるのですが、ここでは是非ともドーサとビリヤニを食べてみてほしいですね。食に​関して冒険をする人は少ないのかもしれませんが、冒険し甲斐のある美味しさです。​

 

 

「ラムビリヤニ」850円は、スパイスが羊肉の臭味を消して旨味だけを引き立て、パラパラのバスマティライスは香りも良く、食べ始め​るとスプーンが止まりません。ライタという甘くないヨーグルトサラダをかけて食べればさっぱりとした美味しさに変化。ヨーグルト​をご飯にかけるというと違和感を覚えるかもしれませんが、騙されたと思ってかけてみてください。本当に美味しいですから。​

 

フードコートで本格的な料理。これをきっかけにインド料理の奥深さに気づく人が増えていくと良いなと思います。

 

※価格はすべて税込

取材・文:カレーおじさん\(^o^)/