正月休みに合わせて連休をとる人もいるのでは? ほっと一息つき、「さて何をしようか」と考えている人へ一押ししたいのが、パン屋めぐり。人気連載「おいしいパンのある町へ」の取材班が、休みの日を利用して訪れたい、町のパン屋をピックアップ。取材時のエピソードやこぼれ話を交えてお届けします。行列のできる名店から、手土産にぴったりなボリュームパン、疲れた心を癒やしてくれるキュートな動物パンまで。絶品パンが加われば、休日がさらに充実!

「それどこの!?」と質問が続出! 一口で違いがわかる“幻の角食”

東京・仙川「AOSAN(アオサン)」

京王線の仙川駅から徒歩で約5分の場所にある、「AOSAN(アオサン)」。パン好きの間で知らぬ人はいないという名店らしく店の前には連日、行列が。撮影日にも開店1時間前から15人以上が列を連ねていた光景が印象深い。

こちらの名物と言えば、“幻の食パン”との呼び名が高い「角食」。オーナーの奥田まきさんいわく平日は100斤、週末には120斤を焼き上げるそうで、棚にずらりと並んだ光景はまさに「圧巻!」の一言。そのすべてがオープンから30分ほどで売り切れてしまうのだから、おいしさは言わずもがな。

 

国産小麦粉、ナチュラルイースト、甜菜糖、自然塩、バターのみというシンプルな食材で深い味わいに仕上げる秘訣は、3日間にも及ぶ長時間熟成。液だねを作ってから焼き上げるまでじっくりと寝かせて発酵させることで、素材そのものの風味が引き出されるのだそう。

朝一で撮影した商品を購入し、次の現場へ。カメラマンがパン好きだったことを思い出し、半斤をおすそ分けしたところ、その夜「あの食パン、どこの!?」というメッセージを受信。後日聞くと、一口食べた瞬間、あまりのおいしさに絶句したのだとか! 「おいしい」という前評判を伝えずとも人々をうならせる味わいこそが、幻となる所以なのだろう。普段は行列に並ぶ時間がない……という人ほど、休日を使って訪れてみてほしい。(一斤260円)

 

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パン好きをとりこにする“幻の角食”が生まれるまでと、これから

大人数の集いにもぴったり! シェアして食べたいボリューム満点ベーグル

東京・下赤塚「パン工房 BOULANGERIE KEN(ブランジェリー ケン)」

パン連載を通して数あるパンに出会ってきたが、なかでも抜群のインパクトを誇っていたのが、下赤塚駅が最寄りの「パン工房 BOULANGERIE KEN(ブーランジェリー ケン)」。役者志望だったというオーナー田崎健一郎さんの生い立ちから、素材の組み合わせ、彩り、デコレーションまで、どれも規格外!

群を抜いて衝撃的だったのが、そのサイズ感。棚に並ぶ約60種のパンはどれも、通常の1.5倍ほどの大きさ! 生地そのものも大きいが、トッピングの具材もたっぷり。ネットのコメント欄では“ジャンクなパン”と表現されることが多いという田崎さんの証言にも、深く納得する。

 

帰りに撮影した商品6種類が入った袋を持って、あまりの重量感にまたもビックリ! 試食の際には切り分けて食べたが、ひとつひとつが大きいため、ゆうに4日間は持ったほど。ボリューム満点、目にも口にも楽しいとなれば、まさに究極のパーティフード! カジュアルな集いの手土産として、うってつけだ。

なかでもおすすめは、看板のベーグルでダントツ人気を誇る「ずんだ味噌ナッツ」(200円)。クレーム・ダマンドを混ぜ込んだ白味噌ソースと、枝豆を練り込んでほんのり塩気をつけたもっちり生地が絶妙にマッチ。団子とパンの中間のような新感覚の味わいで、みんなをアッと驚かせて。

 

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男性支持率も高し!ボリューム満点の“男前パン”を求めて下赤塚へ

何度見てもほっこり。日々の疲れた心を癒やしてくれる動物パン

東京・根津「Bonjour mojo2(ボンジュール・モジョモジョ)」

パンの専門誌で一目惚れし、取材へ向かったのが、根津にある「Bonjour mojo2(ボンジュール・モジョモジョ)」。こちらの看板商品は、20種類もの動物パン。取材先を選ぶ際には口コミをヒントにネットで検索するため、パンの写真は山ほど見てきたが、パンに一目惚れするというのは生まれてこのかた初めて!

 

上野からほど近い根津エリアの、自転車がギリギリすれ違えるほどの細道にある店舗。アフロヘアがチャームポイントのオーナー、大平由美さんを描いたイラストの看板から、路地の雰囲気に至るまで、まるで絵本のような世界観。パンを拝見する前から、ワクワクが止まらなかったことを覚えている。

昔からもの作りをこよなく愛し、趣味として動物パンを作っては、アート作品として展示していたという大平さん。芸術のセンスを生かして生み出した動物パンは、驚きの20種類。定番のカニやうさぎに加え、亀、コアラ、ゾウなど、珍しい動物たちがずらり。

あまりの愛らしさに、カメラマンが撮影する横で、思わずスマホでもパシャり。それらの写真は今でも大切に保存しており、疲れた日に見返しては、ほっこり。ベースのコッペパンは大平さんのご実家のパン屋直伝というだけあって、見た目だけでなく、味わいも本格的。ドッとたまった疲れを癒やしたい!という人は、ぜひとも足を運んでみて。

 

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愛らしい見た目で味は本格派。噂の動物パンを求めて根津へ

 

 

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