定食王が今日も行く!Vol.64
行列の先にあるのは、魚と肉の宝石!?輝くほど旨い焼きさば定食
西新宿の路地裏に出現する
炭火天国への行列
秋が深まると美味しい鮭やさばなどをおかずに、カーッとご飯をかきこみたくなる。そんなとき訪れる店の一つが、西新宿の「白銀屋」だ。焼き場から漂う煙の匂いさえ香ばしく、炭火焼き天国に召される気分になる。自分が西新宿で働いていたときもかなり通った店の一つだ。
炭火焼き専門店だけあり、干物、魚だけでなく、肉やハンバーグの炭火焼きまで常時20種類のメニューを揃え、しかも値段はほぼ1,000円以下!
夜は野菜焼きや、炭火で焼いた干物の混ぜご飯などを肴に、お酒が進む、クオリティの高い炭火焼き居酒屋だ。そして写真左端の札にもあるように夜でも定食が食べられる、独身の忙しいサラリーマンには夜のオアシスなのだ。
名物さばのハーフ&ハーフ
ダブルで楽しめる旬の味
名物はメニューの劈頭を飾るさばだ。しかもさば塩とさばみりんの2種類の味が楽しめるハーフ&ハーフがオススメだ。これで780円。
しかもWサイズで980円と、1,000円以下で極上のさばの干物2種を楽しめる贅沢な定食だ。
この艶をご覧あれ! そしてパリパリの皮と、ふっくらほかほかな身の食感。熱で焼くガス火の4倍もの赤外線を発する炭火焼きは、魚の旨味成分であるイノシン酸をがっつり閉じ込めてくれる。また炭火焼き独特の食感や歯ざわりは、干物を何十倍も美味しく感じさせる!
さば塩のツヤ感! 琥珀のように穏やかな輝き。
さばみりんは、トパーズのような輝きが内側からも感じられる。これぞさばの宝石箱。
定食のメニューは単品でも追加することが可能だ。今であれば鮭の塩焼きや鮭ハラスはマストだ!
とても庶民的なのに「皇帝の宝石」シトリンのような気高さを感じる輝きを見せる塩鮭。パリッパリの皮、ご飯と一緒に頬張ると口の中で旨味が増していくのがわかるはずだ。
炭火焼き天国は肉も絶品!
大山どりの刺身ステーキにうっとり
魚や干物はどれも絶品なのだが、実は食べ逃し厳禁なのは“大山どりの香味刺身ステーキ”だ。
ハサミと一緒に提供され、こんがりと焼けた表面を自分でチョキチョキと切り開くと、ローズクオーツのようなピンクの断面が顔を出す。
細かく刻んで柚子胡椒と醤油でいただく。香ばしい表面に、ムチムチした弾力ある食感が最高のコンビネーション。そして鶏胸肉のさっぱり感と柚子胡椒の辛味の効いた和風の味付けがよく合う。
ちなみにこのお店は濃口、薄口2種類の醤油を提供している。香川県小豆島町で製造された風味豊かなお醤油は、薄口でも塩気が効いているので、大根おろしにかけてご飯と一緒に食べるのもオススメだ。
2008年にオープンした1号店だけでなく、溜池山王や大手町など、オフィス街に店舗を続々と展開しているようだ。個人的に愛読しているマニアックな業界誌『月間食堂』の11月号にも、成功している人気店として取り上げられている。炭火焼きで味わう宝石のような定食を味わってみてはいかがだろう。
※価格は税込