〈映画のあの味が食べたい！〉
『500ページの夢の束』
特別なシナモンを使った、焼きたてのシナモンロールは幸せの味。
(C)2016 PSB Film LLC
最近は個性的な生き方が日本でもよりリスペクトされるようになった気がします。
『500ページの夢の束』の主人公ウェンディは、まさにそんな個性的な女の子。自閉症を抱えるウェンディは、人付き合いはあまり得意でなく、自分だけの世界に閉じこもりがち。ワケあって唯一の肉親である姉のオードリーとも離れて暮らしています。
(C)2016 PSB Film LLC
そんな彼女が何よりも深く愛しているのが『スター・トレック』です。
『スター・トレック』とは、1960年代に放映され大ヒットした米国のTVドラマで、その後シリーズ化され現在は第６弾『スター・トレック：ディスカバリー』が放映中。
また映画化もされていて、2016年までに13作品が公開されています。
『スター・ウォーズ』シリーズと並んで多くの“オタク”的なファンがいることでも有名ですが、主人公ウェンディも『スター・トレック』についての知識は誰にも負けないオタク、俗にいう“トレッキー”なのです。愛用しているのは、スターフリート（軍人）の徽章（きしょう）がデザインされたバックパック、愛犬ピートに着せているベストもこの徽章付き。しかも、クリンゴン語（異星人のクリンゴン人の言語）まで話せます！
(C)2016 PSB Film LLC
で、そんなウェンディが目下、熱中しているのが、なんと『スター・トレック』の脚本執筆です。シリーズ誕生50周年を記念してハリウッドのパラマウント・スタジオが企画している脚本コンテストに応募する予定なのです。『スター・トレック』に対する愛と知識は誰にも負けない！
(C)2016 PSB Film LLC
なんとか脚本を書き上げたものの、期限までに郵送しそびれ、ウェンディは自ら届けに行くために旅に出るのでした……。
誰にも負けないものがあるって強いですね！
(C)2016 PSB Film LLC
そんなウェンディが働いているのが、あの「シナボン」！
米国ジョージア州アトランタ発のシナモンロールのショップです。日本にも1999年に初上陸し、一世風靡しましたが一時撤退。2012年より六本木にショップをオープン、再び人気を集めています。
パン生地を伸ばし、シナモンと砂糖を塗ってくるくると巻いて、ふっくらと焼き上げ、上からフロストシュガーをかけます。焼きたてのほんわかしたシナモンロールをひと口ほおばれば、なんともいえない幸福感に包まれます。口下手なウェンディでもみんなと仲良くなれそう。
「シナボン／シアトルズベストコーヒー 六本木店」より／出典：torochanさん
欧米では、どこでも見かけるポピュラーなシナモンロールですが、「シナボン」ではシナボンだけのために特別に栽培されたシナモン、マカラシナモンを使用し、お店で生地から焼き上げまで行っているそう。
そんな素材や製法に凝ったショップでウェンディが働いているのも納得ですね！
ボリュームたっぷりのシナモンロール、この映画を見たら無性に食べたくなってきました。
作品紹介
(C)2016 PSB Film LLC
『500ページの夢の束』
9月7日（金）より新宿ピカデリーほか全国ロードショー
趣味でオリジナル脚本を書いてしまうほど、『スター・トレック』の大ファンであるウェンディ。自閉症を抱える彼女は、とある理由から唯一の家族である姉のオードリーと離れて暮らし、ソーシャルワーカーのスコッティのサポートによりアルバイトも始めた。
そんなある日、『スター・トレック』脚本コンテストの開催を知ったウェンディ。入魂の作品で応募しようとするが、郵送では締切までに到着しないことに気づく。郵送が無理なら、自分で届けに行こうと思い立った彼女は、500ページの脚本と“ある願い”を携えて、愛犬とともにハリウッドへの旅に出た……。
