〈2025 食通が惚れた店〉

前年に引き続きインバウンド需要は高まりましたが、飲食業界も物価高騰の波に押され、それでも負けずに踏ん張った大荒れの1年でした。

そんな2025年に、グルメ情報を熟知した有識者が惚れ込んだお店や料理についてアンケートを実施。「最も印象に残った店」「3,000円以下のお手軽グルメ」「おすすめのお取り寄せ」をうかがいました。

今回は、フードパブリシストの高橋綾子さんにお答えいただきます。

教えてくれる人

高橋綾子

フードパブリシスト。国内外ファッションブランドのプレスとして従事した中で肥えた“食”へのこだわりは、その後の素晴らしい人々との出会いと相まっていつしか人生そのものに。その間に培った食のデータと人脈を武器に“喜ばれるレストラン”の発掘に勤しむ日々。おいしいものしか喉を通らない不思議体質。

2025年のベストスイーツ

Q. 2025年、最も印象に残った飲食店と料理を教えてください

A. 「Firmamento」の「スッポン 白トリュフ タヤリン」です

「スッポン 白トリュフ タヤリン」 撮影:木村雅章

こちらで供されるのはイタリアの伝統料理を日本料理の精神と技で革新する料理というコンセプトですが、群を抜いています。大佐古シェフは、伝統料理はベストな食材と調理法が決まっているからこそ永く愛され継承していることをリスペクトされています。伝統的な調理法の手順にはすべて意味があり無駄なことはないと、決して何かを省いたり手を抜いたりすることがありません。その上で修業先である名シェフたちから学んだ真摯に食材に向き合う精神と自らの感性が融合されるのですから、味わったことのない革新的な料理が並ぶわけです。革新と見えても伝統と繋がっている、古くて新しい味、そういう大佐古シェフの料理が感動を与えてくれるのです。

アンダー3,000円のお手軽グルメ

Q. 2025年に食べた〈3,000円以内の感動の味〉を教えてください

A. 「p.i stand」の「サーモンレアカツ グリーンカレーライス 1,800円」

サーモンレアカツ グリーンカレーライス
サーモンレアカツ グリーンカレーライス   写真:お店から

紹介されて訪れたのがきっかけでしたが、こんなアジア料理があるのかと驚きました。感動したのがランチメニューにもある「サーモンレアカツ グリーンカレーライス」で、分厚く切ったサーモンの身はレアとろ、衣はカリサクッでこれだけでも専門店レベル。さらにこぶみかんの葉と現地のスパイスを数種類使ったグリーンカレーが辛みは程よく、不思議と爽やかさを感じるたまらんレベル。森脇シェフはバランス感覚に長けているので、香りと食感と五味の繊細なバランスが一皿に完成されて舌に響くのです。それとぜひ食べてもらいたいのが自家製の「カヌレ」(350円)。大きくて表面はカリカリ、生地はぎっしりむっちりで私史上最高の食感です。おまけに「台湾ジャスミン」「キャロットケーキ」などフレーバーもおもしろい。行くたびに買って帰ります。

2025年のお取り寄せ

Q. 2025年に出会った、人におすすめしたいお取り寄せを教えてください

A. 「ラトリエ ラルケスト」の「ラフィネ」です

aki_me(東海グルメ)
Raffiné   出典:aki_me(東海グルメ)さん

神楽坂「レテール」のデザートで食べたチーズケーキが驚愕のおいしさで「買って帰りたい」とお願いしたら、通販で購入できると教えてもらいました。数量限定のため抽選販売なのですが、今のところ外れたことはありません。コクと深み、ふわりとしているのになめらかな食感はさすがの仕事ぶり。酸味と甘みが絶妙な「石垣島ピーチパイン」が特にお気に入りです。

オンラインショップ:https://larcheste.official.ec/

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

※価格は税込です。
※アンケート内容と「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。

文:高橋綾子、食べログマガジン編集部