六本木と参宮橋、それぞれのエリアにぴったりのビストロとイタリアン

さまざまなシーンで使えるイタリアン

4月20日、参宮橋にイタリアン「LENOX HOUSE(レノックスハウス)」が登場しました。「THE GREAT BURGER」や「LUCKY ALEXANDER CHINA」など、センスのいい店を世に送り出してきた車田篤さんの新店です。

駅から商店街を下って徒歩1分。角地に大きく店名が刻まれたガラス張りのド派手なファサードにまず驚きます。一歩入ると、木を基調とした温かみある空間に天然の大理石の床。今までの店舗の傾向からてっきりトレンドに敏感な若者が多いかと思いきや、小さな子ども連れの家族も多く、活気があり、早くも街に溶け込んでいました。パスタは自家製サルシッチャと黒トリュフのノルチーナソースの手打ち・ウンブリケッリをオーダー。ピチのような太さで驚くほどコシがあり、ナイフで切って食べたほどです。濃厚なソースとぴったり合って、満足感の高い一皿でした。メインにはみかん鯛や薩摩牛ランプの石窯焼きも。カウンターでバー使いもできるので、さまざまなシーンで重宝されそうです。

自家製サルシッチャと黒トリュフのノルチーナソースの手打ち/ウンブリケッリ

人気フレンチの姉妹店が誕生

同じ4月20日、六本木に薪焼きビストロ「TORCH」も誕生しています。人気高級フレンチ「Metis 六本木」の姉妹店で、料理は同店の鈴木昌嗣シェフが監修しています。鈴木シェフはフレンチの一流店で活躍後、グローバルダイニングで執行役員総料理長を務め、薪焼きレストラン「L'IGNIS」の立ち上げにも携わった経歴の持ち主。その経験が料理のみならず店の空気に宿っているようで、客もスタッフも共に楽しもうというグローバルダイニング的なフレンドリーさが随所に感じられます。

料理はアラカルトで、看板メニューの赤い卵黄をのせたステックアッシェ、フランスの定番家庭料理であるカツレツ「コルドンブルー」、浅草開化楼の麺を使ったパスタなど、目をひく一皿がそろいます。カウンター、テーブル、個室と用途に合わせた席構成も含め、いかにも六本木らしいダイニングです。

スペシャリテ 黒毛和牛A5クリミ『ステックアッシェ』&漬け真っ赤卵

カジュアルに楽しむアジア料理と個性派居酒屋

マニアプロデュースの新業態

5月1日、渋谷アクシュ1階に「お粥マニア」が登場しました。「餃子マニア」「小籠包マニア」などを手掛けるマニアプロデュースの最新業態で、面白いことに朝・昼は「お粥マニア」ながら、夜は「餃子マニア」に店名ごと変わるスタイルです。

注文を受けてから生米を炊き上げていて、中国・東北地方のお米の粒が残ったお粥は食べ応え十分。セットには揚げパン、よだれ鶏、ザーサイが付き、揚げパンによだれ鶏やザーサイを挟んで食べても楽しい。朝は台湾で人気の「シェンドウジャン(鹹豆漿)」セットがおすすめで、ここのところ急増しているモーニングブームにもぴったりの一軒です。

帆立とアサリと海老の粥セット
帆立とアサリと海老の粥セット   写真:お店から

ヘルシー路線がうれしいアジア料理店

4月30日、三田にはカオマンガイ専門店「ONE GAI」が誕生しています。「罪悪感ゼロ」を掲げるヘルシー路線が特徴で、高タンパク・低糖質にこだわった一軒です。

ご飯はジャスミンライスのほか、カリフラワーを混ぜ込んだ「カリフラジャスミン」や十五穀米も選べ、肉の部位もカスタマイズ可能。国産むね肉×カリフラジャスミンの組み合わせをいただいたら、なんと388キロカロリーしかありませんでした。9種のソースがあるので、とっかえひっかえ楽しめるのもうれしい。個人的にはこれからの暑い季節には「おろしポン酢」がいいなと。ライバル店が多い中での明確なヘルシー路線、ニーズが高そうです。

カリフラジャスミン(中)+国産むね肉(中)+追いパクチー

ピザの人気店が中華をオープン

そして5月5日、恵比寿に居酒屋「CARAVAN 来民」がオープンしました。名古屋で人気店「CARAVAN」を展開し、虎ノ門横丁でも「CARAVAN TORANOMON」を構える株式会社 十七商店の東京2店舗目で、今回は中華をベースにした新業態への挑戦です。

メニューが面白く、例えば「ガリ豚炒め」は系列の焼き鳥店のまかないとして人気だった味付けをアレンジしたもので、生姜と豚肉、豆苗の組み合わせに「こってり系」か「あっさり系」かを選べます。春巻きはエビフィレオ味、大阪味、名古屋味など興味深いラインアップで、選ぶ楽しみとスタッフとの会話が自然と生まれます。お酒はジンが充実し、ワインはセラーから自分で選ぶスタイル。カウンター、テーブル、個室とそろい、早い時間から20〜30代を中心に席が埋まり、活気にあふれていました。

赤味噌麻婆豆腐(ハーフ)

※価格はすべて税込

教えてくれた人

大木淳夫
『東京最高のレストラン』編集長 
1965年東京生まれ。ぴあ株式会社入社後、日本初のプロによる唯一の実名評価本『東京最高のレストラン』編集長を2001年の創刊より務めている。その他の編集作品に『キャリア不要の時代 僕が飲食店で成功を続ける理由』(堀江貴文)、『新時代の江戸前鮨がわかる本』(早川光)、『にっぽん氷の図鑑』(原田泉)、『東京とんかつ会議』(山本益博、マッキー牧元、河田剛)、『一食入魂』(小山薫堂)、『いまどき真っ当な料理店』(田中康夫)など。 好きなジャンルは寿司とフレンチ。現在は、食べログ「グルメ著名人」としても活動中。2018年1月に発足した「日本ガストロノミー協会」理事、「料理レシピ本大賞」特別審査員も務める。『東京最高のレストラン2026』が2025年12月に発売。同年10月に初の著書『50歳からの美食入門』(中央公論新社・中公新書ラクレ)を出版。

文、写真:大木淳夫