【噂の新店】Og

深夜2時まで営業しているのがうれしい

洗練された飲食店が多い表参道エリアだが、遅い時間帯にクオリティの高い食事とワインを楽しめる店は少ない。そんな中、深夜2時まで営業し、コースからアラカルトとワイン利用まで受け入れる懐の深い骨太イタリアンがオープンした。南青山の骨董通り沿い、ビルの8階に構える「Og(オージー)」だ。

店内はカウンター6席と最大4名まで利用可能な個室1室の合計10席 写真:お店から

オーナーシェフの小倉海斗氏は、調理師専門学校を卒業後、20歳で単身イタリアへ渡り「Italian Culinary Institute for Foreigners」で学びながら、ピエモンテ州やトスカーナ州の名店で約1年間修業。

店名「Og」は小倉シェフの名前に由来

帰国後は、サローネグループのレストランで副料理長として2年間腕を磨き、その後「K+」に入り3年間人気店を切り盛りしてきた。

日本の四季とイタリアンを融合させた、軽やかな料理たち

提供される料理は、おまかせコース(16,500円)とアラカルトのハイブリッド形式だ。コースの構成は、冷前菜から温前菜、パスタ2種、リゾット、メイン、デザートまでの計7品で組み立てられる。

自家製手打ちパスタは4〜5種類常備。写真はリコッタチーズとマスカルポーネを詰めたコイン形のラビオリ

料理の根底にある哲学は「食べ疲れしない料理」だ。実家が千葉の農家という小倉シェフは、幼少期から新鮮な素材そのもののおいしさに触れて育った。そのため、華美な演出や重厚なソースで飾るのではなく、素朴な食材のポテンシャルを引き出すことに心血を注ぐ。地中海文化の象徴であり、店のロゴにもあしらわれているオリーブオイルの生かし方、そして日本の四季折々の旬の食材をイタリアの伝統技法と融合させることで、軽さと、キレのよい後味を作り出している。

ねっとりとした甘エビに青柚子と穂紫蘇、オリーブの青さが香る冷製パスタ

この時期コースの序盤に登場するのが、シェフの大好物である甘エビを使った「冷製パスタ 甘エビ フルーツトマト」だ。使用するパスタは「ディチェコ」の0.9mmのカッペリーニ。茹でた後に氷水で締め、アメーラトマトを使ったトマトソース、オマール海老の旨みを凝縮したアメリケーヌソースと絡める。

シェフが感銘を受けた、新潟の寿司の名店からインスパイアされた「冷製パスタ 甘エビ フルーツトマト」2人分2,600円

甘エビは火入れせず、イタリア伝統のカタクチイワシの魚醤「コラトゥーラ」と、高級オリーブオイル「ロレンツォNo.5 エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル」とともに和えるだけ。カッペリーニの上に甘エビを3尾盛りつけ、仕上げにオリーブオイル、穂紫蘇、青柚子の皮を削りかけたら完成だ。

写真はコース1人分のサイズ

ツヤツヤと輝く甘エビは、口に運ぶとプリッとした食感とともに、青柚子や穂紫蘇の爽やかな香りが弾け、続いてねっとりとした甘エビの甘みが広がる。トマトの酸味とアメリケーヌソースのコクが細麺に絡み合いながらも、後味はサラリと軽い。「ロレンツォNo.5」特有の青くピリッとしたスパイシーさが全体を引き締め、キレのある後味を体現している。