〈食べログ3.5以下のうまい店〉

おいしいもの好きのあの人に「食べログ3.5以下のうまい店」を教えてもらう本企画。今回はフードコラムリストとして活躍する門上武司さんに京都・祇園の路地裏に潜む、現地さながらのアジア料理店を教えてもらった。
祇園にたたずむ、アジアを感じる一軒
巷では「おいしい店は食べログ3.5以上」なんて噂がまことしやかに流れているようだが、ちょっと待ったー!
食べログ3.5以上の店は全体の3%。つまり97%は3.5以下だ。
食べログでは口コミを独自の方法で集計して採点されるため、口コミ数が少なかったり、新しくオープンしたお店だったりすると「本当はおいしいのに点数は3.5に満たない」ことが十分あり得るのだ。
点数が上がってしまうと予約が取りにくくなることもあるので、むしろ食通こそ「3.5以下のうまい店」に注目し、今のうちにと楽しんでいるらしい。

京阪電車の祇園四条駅から徒歩10分程度。表通りから一本入った路地裏に、ひっそりたたずむ料理店がある。水色の木戸と大きなガラス窓が印象的な「アジアの料理 たけふさ」は、古い建物を活かした手作り感溢れる内装で、現地の雰囲気そのものだ。


門上さん
京都のライター・高橋マキさんに教えてもらい、一緒に食事をしました。ここは現地さながらの店だと感じました。
ほぼ一人で店を切り盛りするのは、武田芙紗子さん。大学生時代に、丸太町にあった多国籍料理の「吉田屋料理店」(現在は閉店)で料理を食べ「こんな料理があるのか」と驚いた。その後この店で働くこととなり、次第に自分のお店を持ちたいと思い始めたという。その後、京都のフランス料理店でも経験を重ね、2017年に自店をオープン。「現地の料理の再現ではなく、スパイスや香辛料を調整し、日本人が食べやすい料理をお出ししています」

料理は「アジアの料理」と掲げる通り、タイ、ベトナム、台湾などの料理が主軸だが「あえて言うなら、ベトナム料理が少々多いかな」とのこと。鶏ガラや香味野菜からとっただしにナンプラーを合わせた“フォーのだし”が味のベースになっている。「和え物にも炊き込みにも“フォーのだし”を使用しています。うま味調味料は使用していません」


門上さん
店作り自体がアジア色濃厚で、カジュアルな感じが素敵です!
