いただけるお料理はこちら!

夜のアラカルトメニューは約20品が揃う。カウンター上には料理名が書かれた短冊がずらりと並び、どれを選ぶか迷ってしまいそう。

看板メニューのサイウアは、コロナ禍のとき開発したメニュー。豚の腕肉のミンチ、レモングラスやコブミカンの葉などのハーブ、唐辛子、タイカレーのペースト、ネギなどの香味野菜を使用。「タイでは生の唐辛子を使っていて、本当に辛い。なので、生の唐辛子は使わず、辛さは控えめ。ハーブの香りを楽しんでほしいです」

「サイウア(タイ北部のソーセージ)」1,300円、「シンハービール」850円。ビールのほかに、ワインや焼酎、日本酒などもスタンバイ
 

門上さん

ソーセージの肉感がすごい! 小さく切り、野菜と一緒に食べるのがおすすめです。

豚ロース、キャベツ、マリネしたニンジン、ニラ、パクチー、大葉、キュウリを巻いた生春巻き。ソースにはニンニク、味噌、砂糖、酢、唐辛子を使用。「現地ではピーナッツをソースに使うことが多いですが、アレルギーを考慮して、酢味噌風のソースにしました」

鮮やかな断面の「生春巻き」410円
 

門上さん

野菜たっぷりで、ソースとの相性が最高!

ベトナムで定番の角煮は、砂糖を焦がしながら豚の表面を焼いたのち煮込むそう。「砂糖を焦がすフレンチのテクニックは、ベトナムがフランス領だったころの名残と聞いています」

「ベトナム風豚の角煮」1,220円
 

門上さん

豚の脂の甘さとコク、砂糖の香ばしさを味わいたい。

干し海老、ニラ、もやしの焼そばは、広東風の焼きそばをアレンジ。小麦麺はから焼きにして焦げ目をつける。味の決め手は干し海老。ショウガとタイの醤油も一緒に炒める。

「干し海老、ニラ、もやしの焼そば」920円
 

門上さん

もやしのシャキシャキ感と干し海老の旨みを感じられます。

祇園を散歩がてら訪れてみて

お店の今後については「ゆくゆくはフォーだけ、焼きそばだけなどの専門店をしたいなと思っています」と武田さん。「ただ、今は祇園で店を構えたので、少しでも祇園の伝統のプラスになればうれしいですね。花街の生き生きとした雰囲気は残ってほしいので。地元の人はもちろん、観光客や若い人にも祇園を端っこまで歩いて『たけふさ』を見つけていただいて、ほっとするアジアの料理を楽しんでほしいです」

 

門上さん

アジアンテイストの好きな人はハマるはず!

店名は店主の名前が由来。ランチはフォーなどのセットが人気

教えてくれた人

門上武司

1952年大阪生まれ。関西中のフランス料理店を片っ端から食べ歩くももの足らず、毎年のようにフランスを旅する。39歳で独立し「株式会社ジオード」設立後はフードコラムニストというポジションにとどまらず、編集者、プロデューサー、コーディネーターとマルチに活躍。関西の食雑誌「あまから手帖」編集顧問であり、全日本・食学会副理事長、関西食文化研究会コアメンバー。著書には「食べる仕事 門上武司」「門上武司の僕を呼ぶ料理店」(クリエテ関西)、「京料理、おあがりやす」(廣済堂出版)、「スローフードな宿1・2」(木楽舎)、など。年間外食は1,000食に及ぶ。

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

※価格は税込です。

文:木佐貫久代
撮影:福森公博