冬でも食べたいかき氷と、冬ならではの人気おでん

神楽坂に、期待のかき氷の新店

10月15日、神楽坂・赤城神社のそばにかき氷店「お茶と果物 扇屋」がオープンしました。かつて『にっぽん氷の図鑑 かき氷ジャーニー』(原田泉 著)の編集を担当し、かき氷ブームを肌で感じたものとしては行かずにはいられません。

ゆったりと寛げる和モダンな店内で、かき氷は3種。季節によって変わります。訪れた日は「葡萄」(2,000円)、「無花果」(2,300円)、「栗」(2,400円)があり、熟考の末に栗をオーダー。美しく見事なクオリティでした。たっぷりの栗シロップ、ほんのり香る和紅茶ミルク、奥で出現するラムレーズン、底で出会う黒糖山椒ジュレ。最後まで夢中になります。かき氷は新潟の名店「季節のくだもの 団吉氷店」が監修しています。

淡路島のおでん

かき氷は大満足だったもののさすがにお腹が冷えたので、その足で向かったのが10月17日、二重橋前の丸の内ブリックスクエアにオープンした「島おでん MIKE 丸の内店」です。

特徴は淡路島の薪釜炊き「自凝雫塩(おのころしずくしお)」と鱧をベースにした澄んだ出汁。具材に応じて鍋を替えているので、とてもクリアな味で温まりました。日本酒と1対1の出汁割も人気のようです。「名物 季節のさつま揚げ」には旬の具を使っていて、この日は無花果。上にのせた生ハムの塩味との相性が抜群です。6〜7時間ほど煮込む「ミケ自慢の出汁が染みた大根」も、食感と出汁の染み込み方がよく、しみじみとおいしい味。横長カウンターとテーブルがあり、これからの季節に重宝しそうです。

名物 季節のさつま揚げ

活用できるフードコート「kaiwaii akasaka」に注目

ファン歓喜、あの店が移転して復活

10月29日、 赤坂のみすじ通りにオープンしたフードコート「kaiwaii akasaka」は、全体にほどよい混み具合で、ゆっくり飲食を楽しみたい人向きの施設です。私もついはまって通ってしまいました。

なによりうれしいのは、新大久保の裏通りで多くの著名人を魅了してきた名店「ホルモン船ホールちゃん」の移転でしょう。しかもこちらでは、あの上質な肉やホルモン、数々の料理をコースではなく、アラカルトで食べられます。もちろん腕を振るうのは、愛嬌のある毒舌で大人気の店主・鄭壽福さん。牛の希少部位のホルモンであるカッパと、野菜の蒸し焼きの鍋「カッパ肉鍋」は必食。盛り上がること間違いなしの生きダコの踊り食い「サンナッチ」やウニといくらをトッピングし、韓国のりで巻くカニチャーハン、さらに釜山おでんなど、魅力的なメニューも並びます。

釜山おでん

安定の宗達グループの寿司

そして同じ2階には「すし抱一」もオープンです。クオリティの高い寿司を安く、アラカルトで提供する渋谷「すし光琳」が大ヒットして、一躍その名を轟かせた新田真治さんの宗達グループの最新店。気まぐれ握り(2,200円)や大将おまかせ(4,880円)もありますが、ここはぜひお好みで、好きなネタを好きなだけ楽しんでみてください。ふらっと訪れてビールを飲んで、数貫つまむという使い方もいいでしょう。新田さんが愛する鯨は特におすすめです。

ニタリクジラ赤身の握り

福岡の人気餃子居酒屋

さらにカジュアルに楽しみたいなら、1階の「餃子 おそ松 東京赤坂」もおすすめです。福岡の人気餃子居酒屋が東京に初出店しました。皮がもっちりした焼き餃子は、添えてある高菜や辛子との相性もよく、いくらでも食べられそうな味。なにより、黒板メニューにあった九州産のさわらのフライが抜群においしくて驚きました。馬肉のたたき、とり天といった地元ならではのメニューから、スパサラ、たこさんウインナーといった居酒屋の定番まで揃い、こちらもついつい吸い込まれるお店です。ちなみに2階にあるステーキ店「清喜 朔(きよき さく)」は同じ系列です。

おそ松焼き餃子

タコスとクラフトビールで夜景を

まだお腹と時間に余裕があればエレベーターで13階へ上がると、ルーフトップバー「PACHA Craft Beer Tacos」があります。あまり赤坂で夜景は見ないと思いますが、こちらにはテラスもあり、夜の東京タワーや麻布台ヒルズを眺めながら飲むお酒はいいものです。クラフトビールのタップも充実していて、料理はカジュアルですがタコスはもちろんバッファローチキンウイングやセビーチェなども満足の味で、知っていると活用できそうです。

牛タンのタコス

教えてくれた人

大木淳夫
『東京最高のレストラン』編集長 
1965年東京生まれ。ぴあ株式会社入社後、日本初のプロによる唯一の実名評価本『東京最高のレストラン』編集長を2001年の創刊より務めている。その他の編集作品に『キャリア不要の時代 僕が飲食店で成功を続ける理由』(堀江貴文)、『新時代の江戸前鮨がわかる本』(早川光)、『にっぽん氷の図鑑』(原田泉)、『東京とんかつ会議』(山本益博、マッキー牧元、河田剛)、『一食入魂』(小山薫堂)、『いまどき真っ当な料理店』(田中康夫)など。 好きなジャンルは寿司とフレンチ。現在は、食べログ「グルメ著名人」としても活動中。2018年1月に発足した「日本ガストロノミー協会」理事、「料理レシピ本大賞」特別審査員も務める。『東京最高のレストラン2026』が2025年12月に発売。同年10月に初の著書『50歳からの美食入門』(中央公論新社・中公新書ラクレ)を出版。

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

※価格は税込です

文・撮影/大木淳夫