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【THEご褒美スイーツ 〜知っておきたい通な店〜】
「食事と同じくらい、スイーツにも絶対手を抜きたくない!」と、日々美味なるスイーツを探し求める甘いもの好きさんにお届けする本連載。スイーツの歴史研究のみならず、製菓にも精通するお菓子の歴史研究家・猫井登さんが太鼓判を押す、ご褒美スイーツを紹介します。
〈第21回〉「茶房 HISAYA LOUNGE 東京麻布十番店」
「茶房 HISAYA LOUNGE 東京麻布十番店」は、2021年10月にオープンした、高級栗に特化した茶房併設の菓子店。丹波栗をはじめとする国産栗を中心に、栗の風味を存分に堪能できるスイーツがそろうお店だ。今回は同店でおすすめの3つのスイーツを紹介したい。
【ご褒美スイーツその①】「丹波栗の京都モンブラン」1,900円

兵庫県産「丹波栗」のモンブラン。一般的なモンブランは、メレンゲを土台に、栗などをのせて周りに生クリームを絞り、全体をマロンクリームで包み込むという構成が多いが、こちらはバターで焼き上げたカダイフ(中東・地中海料理で使われる、小麦粉と水を主原料とした生地。そうめんよりも細く「天使の髪」とも呼ばれる)を土台にし、抹茶のアイスクリームをのせて生クリームを絞り、全体をマロンクリームで包むという構成になっている。

マロンクリームは、蒸した丹波栗をペースト状にしたものに北海道産の生クリーム、カスタードクリームを加え、丁寧に裏漉ししなめらかに仕上げている。

丹波栗の上品な甘さを活かすため甘みの強いメレンゲは避け、サクサク感を出すためにカダイフを選択し、栗の味わいとのコントラストを出すためにまろやかな苦みを持った抹茶アイスを合わせたという。仕上げに冷凍した焼き栗の実を削ったものをふりかけて出来上がり。

まずは、丹波栗の特徴である豊かな栗の香りを楽しんでいると、ほくほくとした食感とともに、ほんのりと上品な甘みと栗の滋味深いうまみが口中に広がっていく。抹茶アイスのまろやかな苦みが栗の味わいを引き立てる。

ぱりっと焼き上げられたカダイフが食感にアクセントを与えるとともに、バターの風味と生クリームの甘みが調和し、栗を優しく包み込み、まろやかな味わいに昇華させている。旬の丹波栗の風味を存分に堪能できる逸品だ。
【ご褒美スイーツその②】「利平栗のモンブランパンケーキ」2,100円
生地に焼き栗を混ぜて焼き上げたパンケーキの上に、熊本県産の「利平栗」のクリームをたっぷりと絞った一皿。

利平栗は、和栗と中国産の栗を掛け合わせて生まれた品種で、一般的な栗よりも糖度が高く濃厚な甘みを持っている。また、繊維が細かく水分を適度に含んでいるため、ほくほくとした優しい食感でも知られる。
利平栗は甘さが強いため、丹波栗よりも細く絞り、パンケーキの味わいとのバランスを取っているという。

こちらはマロンクリームの中には何も入れず、こんもりと細く絞られており、ふんわりとほくほくした食感が楽しめる。味わいは「これぞ栗!」という感じの濃厚なうまみと甘さだ。マロンクリームだけで、十分にパンケーキを楽しめる。

添えられた生クリームと一緒に食すると、栗の甘さとともにまろやかで優しい味わいが口中に広がり、パンケーキともよく調和する。
さらに、メープルバターソースをかけて2度目の味変。メープルシロップのキャラメルのような香ばしい味わいと、溶かしバターのコクが一体となってマロンクリームの味わいが濃厚となり、パンケーキとの相性がより一層良くなる。休日のブランチに楽しみたい一皿だ。
【ご褒美スイーツその③】「和栗HISAYA ROLL」ハーフ1,620円/1本3,240円

こちらは「堂島ロール」とのコラボ商品。堂島ロールの生地と生クリームに、同店の熊本県産の利平栗のペーストと固形の渋皮栗を合わせたもの。1本サイズとハーフサイズがあり、テイクアウト用商品となっている。

強めの弾力があり、卵の風味が豊かな生地。生クリームの中には大ぶりの渋皮栗がゴロゴロ。渋皮栗はしっとりと軟らかな食感で甘みもしっかり。マロンクリームは栗の風味がしっかりとして、まったりした味わい。栗の食感や風味が堪能できるロールケーキだ。