他では食べられない個性派メニューの数々
〆は麺から仕込む本格パスタ「あか牛のボロネーゼ」で

焼肉店でありながら、〆メニューで一番人気となっているのが「あか牛のボロネーゼ」。
ボロネーゼソースには、あか牛のさまざまな部位を使用することで、赤身の旨みや脂肪の甘み、和牛ならではの香りが凝縮された奥深い味わいになっている。さらに味付けは、後継者不足で惜しまれつつ閉店したある伝説のハンバーク店の秘伝のレシピを継承。詳細は明かせないが配合にさまざまなこだわりがあるという。


しかも、麺は自家製。閉店後にお店で毎日粉からこねて麺を作っている。
「肉山」時代に、知人だったシェフ(店名にもなっている“門脇さん”)からの誘いでイタリアンの店でアルバイトをすることになり、学んだというだけあって、その味わいはモチモチ食感の本格派。
肉たっぷりで濃厚なボロネーゼソースに負けることなく、絶妙なハーモニーを生み出している。焼肉店の〆メニューとは思えない完成度にとりこになる人が続出している。

小関さん
焼肉店では珍しい、このボロネーゼで〆てほしいです。パスタより目立つもりもりの牛肉、イタリアンで修業した技術をいかんなく発揮している自家製パスタソースで仕上げるボロネーゼが、自家製平打ち麺に絡んで絶品。肉100g:パスタ50gと、ほぼ牛肉じゃないのか!?
赤身とホルモンのいいとこどり「かっぱ」

焼肉業界で長年働いてきた横関さんが、食感と味わいに衝撃を受け、自分の店で出そうと即決したのがこの「かっぱ」。バラ肉の外側部分で、1頭からわずかな量しかとれない希少部位だ。薄い形ながら赤身と脂の2層になっていて、赤身のコリコリとした歯応えと旨み、ホルモンのような脂の甘みを一度に味わえる。
単品ではほぼ流通していないため、熊本県阿蘇の広大な牧草地帯、通称“ミルクロード”で放牧されて育った「あか牛」を一頭買いして仕入れているという。


小関さん
焼肉の部位であまり聞かないと思いますが、カルビと内臓の隙間にある赤身のスジ肉です。煮込みにも使われる部位で、この部位を焼肉店で提供するのは珍しいと思います。「かっぱ」に惚れ込んだ店主が「かっぱ」のために一頭買いをしています。味付けは塩とブラックペッパー、または味噌タレとのハーフ&ハーフでの提供もしてもらえます。歯応えはありますがジューシーで、食感はお肉、脂質はホルモンのようです。試してもらいたい一品ですね。
まるでアワビな“幻のホルモン”「ヤン」


小関さん
牛の第2胃(ハチノス)と第3胃(センマイ)を繋ぐ部位で、グランドメニューに載せている店は少ない希少部位です。うまく焼けるとアワビのような歯ごたえになります。味付けは塩とブラックペッパーのみ。

1頭から取れる量が手の平にのる程度と非常に少なく、幻の部位とも言われる「ヤン」。同店では芝浦の食肉市場から仕入れ、グランドメニューとして常時提供している。
ホルモン専門店でもなかなか出会えない希少部位なので、焼肉通ならずともぜひ味わっておきたい。シャキシャキコリコリとしたアワビのような歯ごたえと、脂が多い割にあっさりとしていて旨みもしっかり感じられる。

旨み凝縮の塊肉だけでなく、希少なホルモンや本格パスタなど、店主のこだわりを感じる品々を堪能できる「てるこさんと門脇君」。
今回紹介したメニュー以外にも、今後専門店のオープンを考えているほどラムにも力を入れているそうなので、お腹に余裕がある人はぜひチェックを。

「普段なじみのない肉もぜひ頼んでみてほしいですね。そして、ゆっくり時間をかけて味わっていただければ」と横関さん。
予約は当日連絡でもOKだが、狙い目は比較的空いている金曜日とのこと。流行りのタイパばかり意識していては出会えない味わいを、予約困難になる前にご堪能あれ。
※価格はすべて税込



